28 青 旅行のお知らせ
「おお、どうかしたかの? まあ、急だろうが大歓迎じゃが」
サクヤを連れてモズさんの家に行くと、モズさんは何かご機嫌だった。
「ん、面白い物が手に入るという観測結果が出たんじゃよ」
怪しい水晶玉をいじりながら、妖しく笑うモズさん。
無難な面白さだったらいいなあ。
ちなみにこの水晶玉は、なんか良くわからない理論で魔力を感知する物らしい。
一時期サクヤに強い反応があったから、サクヤが何かの魔法攻撃?を受けてた可能性があるとか。
逆さまにぶら下がってた時なのか、それともロープで釣り人になってた時ですか?
たぶん壊れてるか誤作動だと思います。
本を読み始めたサクヤが集中して読めるように、モズさんに水晶玉の事を質問してる所で、パパが訪ねて来た。
モズさんに何かを渡してる、あれが面白い物なのかな?
なんというか、邪神像としか言いようが無いんですけど、蛇が絡まった人型の像とかどこから持って来たのよ。
あとモズさんが持ってる水晶玉に似た感じのボール。
「ククク、ずいぶんな邪法じゃのう」
聞こえない、わたしには何も聞こえてませんよ。
ちなみに邪法というのは、要するに悪い事するために使われる技術、だったかな。
攻撃魔法とかは邪法じゃないみたいだから、基準がよくわかんない。
基本、町の中に持ち込んじゃだめ、って言われてるけど、攻撃魔法もたぶん町の中で使ったらすごく怒られると思うし。
でもすごい悪い事なイメージ。
いや聞こえてませんけどね?
でもパパが持って来た言葉は、邪法より衝撃的だった。
「王都に行く事にした」
「はい!いつでも行けます!出発は今から?」
「ものすごい食い付きだな」
即座に反応したわたしに若干引き気味のパパ様、気が変わったなんて言われたら困りますよ!?
「準備してくる!」
「凄まじく話が早いな。 まあ道中話せばいいか、着替えだけあればいいから、サクヤの分も準備しておいてくれ」
「はーい」
たーのしーみぃ〜♪
どういう話なのかはわかんないけどぉ〜、わたしぃ〜、隣町への買い出し以外でぇ村から出たことないからぁ、王都なんて夢のまた夢だったしぃ〜
スキップしながら帰って、はりきって準備です。
着替えだけでいいって事は宿屋とかにも泊まっちゃうって事よね?
うわー温泉とかあるのかな〜?
は!お風呂セットとかも要るんじゃないかな!
準備する物を選んで、わたしが持ってる1番大きいバッグに詰め込む。
宝石箱も忘れちゃだめよね、ちゃんとアクセも着替えなきゃだし。
ハム王もだいじ、この子はサクヤも気に入ってるから外せない。
秘蔵のキャンディもこの際もっていっちゃおう、道中おなかすいて戻るなんて事になったら目も当てられない。
あ、サクヤの着替えだったらあの布も持って行ったほうがいいかな、綺麗に洗濯したし。
みんなからのサクヤへのプレゼントに服もあったから、それも持っていこう。
パパの服はパパ袋に入れとけばいいや。
武器とかの装備は自分でやるとおもうし。
サクヤを忘れてた事に気が付いたのは、パパとサクヤの荷物の準備を済ませて、みんなのお弁当を作ってひと休みした後でした。




