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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
一章 ヒトになる
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27 黒 悪意

 倒れた青毛を青毛のベッドまで運んで寝かせているとパパが帰ってきた。

 慌ただしく走り込んで来たパパに


「こっち」


 と伝え、青毛を見てもらう。

 パパの手当ては、慣れてる感じだった。

 もう大丈夫?青毛しなない?


「もう大丈夫だ、サクヤも心配かけて済まなかったな」


 パパがもう心配してないなら大丈夫なんだろう、ワタシも青毛の横で眠る事にした。




 目が覚めたら青毛が居なかった、死んでは居ないと思うけど、痛がってたらどうしよう、どこにいったんだろう。

 不安に思った時、部屋の外から、パパと青毛の声が聞こえて来た。


「じゃあサクヤが起きたら出掛けるか」

「はーい、じゃあサクヤ見てくる」


 戻って来た青毛に飛び付こうとしたら、急に走って側に来た青毛に抱き上げられた。

 青毛いきてる、よかった。 手ももう痛くないらしい


 そのまま、今度は服を着替えて外に出た。

 集会所に行くみたいなんだけど、なんかそっちに行きたくない感じがする。

 でも青毛とパパは普通に歩いてる、ワタシも行かなきゃ。




 集会所のドアを開けると、ロープでぶら下げられた、みのむしがぶら下がってた。


 開いたドアから溢れ出て来た、家じゅうにあふれかえる痛み、恐れ、嘆き、絶望、屈辱、惑い、怒り、怒りいかりイカリ……。

 目が回る、きもちわるい、足が震える。

 いやだ、いやだ、入りたくない。

 手を引かれて、ワタシも思わず踏み込んでしまう……吐きそう。



 怒りが何か喋ってる、青毛はどこに行ったんだろう? いつの間にか手を離してしまったみたいだ、青毛どこ?

 青毛は外に出てないのかな?ここに居るんだったらワタシがどうにかしてあげなきゃ。

 戸惑いと怒りが何か話してる、こちらに注意を向けては居ないみたいなので、一度離れる事にした、目が痛くてそっちを見るのが辛いし。


 どうにか怒りが見えない方を探してそちらを見ると、涙でにじむ視界に階段が見えた。

 離れれば少しは良くなるはず、と思って、怒り達に気付かれないようにそちらへ向かう。

 2階に上がると、気持ち悪いのは少し楽になった


 代わりに聞こえてくる声


『こんな気持ち悪いココロを撒き散らす奴らなんて死んでしまえばいい』


 だれだろう、この声

 

『死ねばいい、いやいっそお前の手で殺してしまえばいい、そうすればこんな気持ち悪い思いをせずに済む』


 ひとを殺すのはわるいこと

 わるいことはしてはいけない

 だから青毛を傷付けたアイツも殺さなかった


『お前に気持ち悪い思いをさせているのは悪い事だ 悪い事に悪い事を返すだけじゃないか』


 そっかぁ

 悪い事に悪い事を返すだけなのか

 そうだよね、襲って来たきもちわるいに、とどめさすだけじゃないか


 炎の魔法を撒き散らすだけでいいだろう、この家くらいなら全力なんて出さなくても簡単に灰にできるだろうし


『そうだ、やれ!』


 声に力が込もる


 チカラを込めようと手を上げると、視界に入ったワタシの手、青毛と繋いでた、ワタシの手

 青毛とおんなじ、ワタシとみんなとおんなじ、でもまだちょっとちいさいワタシの手。


 ……あれ?


 青毛とパパ、まだたぶんここ(集会所)にいる。

 燃やしたら青毛も燃えちゃうよ?


『構わないじゃないか、所詮ただの他人でしかない お前を気持ち悪くする、お前の敵だ!』


 てき? ……敵!


 思い出した、お前は……


 ……


 えっと……黒帽子だ!


『ずいぶん時間かかったな、じゃないそこは名前で思い出せ、前にちゃんと名乗っただろう、これは命令だ』


 しらない。


『まさかこの短時間で精神制御を破る程の精神力を身に付けるなどあり得ん、貴様一体何をした!』


 せいぎょ?ってなに?


『……お前の心を俺が操ったんだよ!』


 ……? えっと、ワタシ自分で考えてたよ?

 声は聞こえてたけど、べつにふつう。


『……くっ!たかがタネビトとのハーフの分際で!竜殺しの冒険者が父親とて、そんな力がある訳が……チッ、時間切れか』


 なにか難しい事を言って薄れて行く黒帽子の声、たねはーぶ?りゅうごろし?ってなんだろう、なんかお酒の名前でそんな感じのありそう?


『娘にも話して居ないのか、これは思わぬ良い土産を貰ったな』



 なんとなく嬉しそうな感じで消えていった声と、ぶり返す気持ち悪さ。


 もっと上に登ったらもっと楽になるかな?

と、天井に登ってみたら少し気分が楽になった。

 青毛もここにくればいいのに、と思いながら、天井に引っ掛けてあったロープをいじっていると下の方でドアが開いた。

 下の方がなんか見にくいから、横になってる木にぶら下がってみた、おー、見やすい。



 青毛いた、誰かと話をしてる、話してる相手は、知らない人。

 いやな感じの人、黒帽子みたい。帽子かぶってないけど。


 こちらを見てニヤニヤしてる、やっぱり黒帽子に似てる。


『黒帽子じゃねえ!何で帽子が本体みたいになってんだよ!』


 あれ?さっきの声だ。


『くそ、変な事考えてないかと思ったら別方向で変な事考えてやがる、いいか、これ以上俺を侮辱しやがったらこのコノハとかいう娘に俺の手で矢でもナイフでもぶち込んでやるからな!』


 それはたいへんだー、このはとかいう青毛をたすけなくっちゃー。

 パパが居るからあんまし心配してないけど、ここから青毛を助けるゲームはおもしろそう。


『姉も青毛扱いかよ、クソ、なんなんだこいつは』


 ワタシと話しながら青毛とパパと話してる黒帽子はほっといて、手持ちの道具は……ロープ。

 ひっかけて持ち上げるくらいしか思い浮かばないかなあ、とりあえずロープの端っこを丸く結んで、投げ縄というカタチにして、投げる。


 青毛に当たったけど巻きつかない、あれー?

 華麗に首に引っ掛けて助け上げるつもりだったのになあ。


『ちょ、死ぬだろ!首吊ったら死ぬだろ普通!何でナチュラルに殺しにかかってんだよ!』


 外野うるさい。


 何回かやってみたけどうまくいかない、もういいや、青毛、それに首引っ掛けて〜。


『やめたげてー!』

「サクヤ〜、モズさんちにいくから降りて来て〜」


「はーい」


 ゲームは失敗だった、ちゃんと練習しとかないとやっぱりうまくいかないなあ、と思いながら、ワタシは青毛の所へ飛び降りた。

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