22 黒 はじめてのよふかし
目がさめると、しらないいえのしらないへやだった。
えーと、そう、モズサンのいえ。
青毛、いきてる、となりにねてる。あとモズサンもねてる。
動こうとしたら青毛とモズサンも起きてしまった。
「おはよう」「おはよう」おはよう。
あいさつ、をしてくるので、真似をするとなぜかモズサンにひっつかれた。
ながいことば、あさがひとりがうれしい?らしい。
テーブルのいすに、さんひと……さんにんで座ってあさのごはん。
モズサンのおちゃは、あかくてにがい。
くさがはいったパンはおいしかった。
ごはんがおわったらすぐに、読みたかった本をそのままテーブルに持ってきて読みはじめると、しばらくなにかながいことばで話してる青毛とモズサン、青毛は、せんたく?しにいくらしい。
モズサンはしばらくワタシの顔を笑って見てたけど、だんだんする事がないのがつまらなくなったみたいで、相手して欲しそうにウロウロする。
わからないとこを聞くとすぐに教えてくれるからたよれるだけど、なにかと触ろうとしてきてちょっとじゃま
だんだんと積み上がって行く、読み終わった本。青毛が帰って来たのは、ずいぶん経ってからだった。
「やっと帰ってきおったか、こやつ本読む以外何も興味を持たんから間が持たんぞい」
「ああ、サクヤは好奇心でできてるから、こっちから遊んであげないと興味もってくれないんだよ〜」
「それは先に知りたかったのう」
だいたい合ってる。
青毛はどうやらスズメさんに見つかって剣術の練習をしていたらしい。
その後は、汗まみれのスズメさんがモズさんの家に押しかけてきて、みんなでお風呂に入ることになった。
お風呂の使い方、もうわかるよ。
ちゃんと、自分で体を洗おうとするんだけど、スズメさんとモズさんの勢いがすごくて道具を手に持たせてもらえない。
あたまの右と左を分けて洗うとか本に書いてなかったんだけどなあ。みぎあたま、いたい。
からだの右と左を分けて洗うとかも、本に書いてなかったんだけどなあ。みぎからだ、いたい。
お風呂の使い方、もうわかるよ?
お湯の中に入るのは青毛が担当するみたいだ。
ぜんぜん助けてくれなかった事に、ちょっとふくれると、ほっぺたをうにうにされた。
お湯に入ると、やっぱり眠くなって来る。
頭がぼーっとなって、目の前が……。
深い夜、目が覚めたのは、知らない家の知らないベッドだった。
青毛は、ちゃんと居る。あとスズメさんとモズさんが一緒に寝てるみたいだ。
あたまの奥でなにかがムズムズする感じ、……敵意、悪意、が来る、伝えなくちゃ。
「てきくる、いっぱい」
三人を揺り起こして、現状を伝える。
頭がまだ寝てるらしく、なんだか反応が薄い。
こんなに頭がムズムズするのに寝てられるとかすごいと思う。
青毛を揺さぶって起こそう。
「てき、たべられる、くる」
どうやらわかってくれたみたいで、目が覚めた感じになる青毛。
「なんか敵が村を襲って来るって感じてるみたい、この子色々トクベツだから、そういう能力あるのかも?」
「本の読み過ぎで寝ぼけてんじゃねーの?」
「たぶんそれだったら一人で威嚇するだけだとおもうのよね」
「たぶん、か。じゃが放置して済む物かどうか、ワシらがおらん時にオオカミの斥候に襲われたとも聞いたぞい」
「わたしパパ起こして来る」
なかなか行動に移らない三人に焦れて、自分一人で動いた方が良いかな、と思いかけた時、青毛が動いた。
ワタシもいく。
「じゃあワシらもすぐに行くから、危なそうならすぐに戻って来るんじゃぞ」
戦うのに武器とかの準備が要るのかな。
青毛と一緒に家に向かう、パパは話せばわかってくれると思うけど。
「パパパパ、てきくる、いっぱい」
「サクヤが急に起きて、敵が来るって言ってるの。なんか様子がおかしいからパパ起こしておこうと思って」
「んー?なんだお前達か……敵が?今どのあたりに居るか、わかるか?」
パパは急に起こしてもちゃんと聞いてくれた。
「いま、もりのなかけど、ちかい」
「時間の余裕はない、か。お前達は家から出ないように
……そうだな、屋根にでも上がっててくれ。敵を確認したら合図を上げるから、村中起こしてやれ」
「りょーかい、気を付けてね」「きおつけてね」
手早く鎧、えっと皮?革?の鎧と、剣二本を身につけて家から出て行くパパ。
「どうせ来るんなら探した時に出て来いよなぁ」
というつぶやきは、あえて聞こえなかった事にした。
パパが準備を終えて、ちょうど出掛けるタイミングで合流してきたスズメさんとモズさん。
二人になにか指示して、スズメさんは森の方、モズさんは反対の方に走っていく。
ワタシと青毛は、屋根に登る事になった。




