えぴそーどごじゅうなな
プチイナーナ大会から1週間。って、武芸大会から1週間だね。プチイナーナ大会ではない。あれは上位入賞者への祝賀晩餐会なのだから。
とまあ、そんな訳で1週間たったのだけど、なんと学園にアシュクとイナーナができるスペースが作られました。
義父上が戦術眼を養えると兵舎と学園への設置をゴリ押しし、それと同時にイナーナを国民に発表。ただし、市販は先になると明言され、かわりに公共機関の遊技場でのみ少数設置されることになりました。
ちなみに士官への昇格試験にも組み込まれるらしい。総当たりで何戦かして勝率70%で合格らしい。厳しいのか厳しくないのか。その辺の匙加減はわかんね。
勝率、体力、技能の試験を経てようやく昇格するらしい。大変そうで申し訳ない。
そんな訳で学園内でイナーナを遊ぼ…練習しようと思うと予約制になりました。既に半年後まで予約が埋まってるらしい。将来に関わることだから極力触っておきたいよね。
むむぅ、人気がなくなる前に販売してしまいたい……。
むしろ、この方が人気が出るか?
いや、しかし……。
「レオンハルト様、とても盛況ですね。」
!!
この声はティアナさん?!
と、振り返るとそこにティアナさん!
「うむ、少し様子が気になってな。のぞきに来た。」
「そうなのですね。それにしても、みんな楽しそうで、とてもよい光景ですね。」
「ああ。皆が喜んでくれて良かったと思う。」
「本当に。レオンハルト様、ありがとうございます。」
「ん?どういう事だ?」
「レオンハルト様が私共のことを、このように優しく見守って頂けていることを嬉しく感じるのです。」
「そうか。なんだかこそばゆいものだな。しかし、我の方こそソナタに礼を伝えたいのだがな。ティアナ、今も我を支えてくれてありがとう。」
「あ、いえ、そんな。もったいないお言葉。」
「そんなことはない。ソナタがいなければ我は……」
そこで俺はハッと気づいてしまったよ。
そこがどこかって事を…
学園内で一番人が集まる場所でこのやりとり……羞恥に飲まれて死にそうだよ!!
みんながこっち見てるよ!!ティアナさんも俺も顔真っ赤だよ!!!
「して、ソナタは何をしにここへ?」
「あ、はい。ミティ様より少しお話がしたいと言われまして、一室お借りしたのでそちらに向かう所でした。
それでその…、レオンハルト様のお姿をお見かけしたので、ついお声がけしてしまいました。」
「そうか。声を掛けてくれたこと心よりうれしく思うぞ。」
「ありがとうございます。」
そこへイリスがやってくると俺に一礼して言葉を続けた。
「レオンハルト様、失礼します。
ティアナさま、準備が整いました。」
「イリス?ソナタが部屋の準備を?」
「はい。ミティ様とのお話しなので、しっかりと場を整えさせて頂きました。このまま、私も同席させて頂く事になります。」
「ほぉ、すまぬな。助かる。礼をいう。」
ほぼ単語になっとる!!
オレ、食う、飯みたいになっとる!!
「ありがとうございます。この後のことはお任せください。」
「ああ、頼りにしいる。二人ともしっかりと話を聞いてやってくれ。」
「はい。それではレオンハルト様失礼します。」
と、ティアナさんが見事なカーテシー。
素晴らしいです!!
「失礼いたします。」
続いてイリスも見事なカーテシー。
いや、二人とも所作すごいね。超きれい!!
にしても、ミティさんの話か……いったい何を話すのやら。気になるところではあるが…。
イリスが一緒なら変な状態異常を受けることもないだろうしな。聖女のクラスは伊達じゃない。それに、プリンセス自体が状態異常に高い耐性持ってるし……不安はないと思いたい!!
「聞きに行かれますか?」
俺の不安を読み取ったのか、間髪入れずに聞いてくるエルザってマジすごいわ。
声に出してねーんだぜ?気配読みヤバすぎんか?
「お褒めいただきありがとうございます。」
うん。褒めてるね。褒めてる褒めてる。
が、だ。
「やめておく。この件はあの2人に任せたのだから、無粋なマネはできんよ。」
「御意!」
気にならないわけじゃないけどね。
さてと、この後、何するかなぁ?授業も終わったし、あとは帰るだけなんだが…。
んー、直近で生死絡むようなイベントはないし。ストーリーブレイクもクデール一行があらわれたくらいだし。
つか、不安要素だったけどほとんど関係なく物語は進行してるっぽいのよなぁ。
んーーー。
「エルザ、御用達の件はどうなった?」
「はっ!そちらの件に関しては口頭で伝えると同時に、書面を用意し掲示できるようにしてあります。」
「ふむ、満足だ。ご苦労。」
ふーむ、本格的にやる事がないな。
今日は帰って引きこもるか?
「おっ!レオンハルト!お前、掲示板見たか?」
……この感じ間違いなくアレスだな。
全くこいつは……俺雇い主ぞ!!!王族ぞ!!!!
と、振り返ると予想通り奴がいた。
「掲示板?何の事だ?」
「まだ見てねーのか。学期末テストの前に東西戦するってよ。」
なんじゃそれ!!!
は?東西戦?!なにそれ?!そんなイベントないぞ!!
はっ?!はぁ????
「…なんだそれは?初めて聞いた。」
「だよなぁ。学園長がイナーナで戦術の大切さが身にしみてわかった。とかで個の武を競う祭典があるなら、指揮官の戦術を見る祭典があってもいいだろうってさ。」
えええーーー!!完全にストーリーブレイクしたシナリオじゃねーか!
つか、俺のせい?!イナーナなんぞ作ったばかりにこんな事に?!マジかよ。いや、まて。まだ、何も始まっちゃいねぇ。ルール的なものもよくわからないし。まずは確認。
「アレス、掲示板にその話は出てるのだな?」
「ああ。俺達も今見てきたんだが、読むの面倒でフィオナに要約してもらったわ。」
「ソナタは……頭は悪くないのだ、自分でちゃんと読め。」
「あははは!次はそうするさ!」
次も絶対やんねーやつの答え方じゃねーか。
まったく。
「ともあれ、アレス。情報に感謝する。今より確認してくる。」
「おう!なんか難しい言葉で、長ったらしく書いてあるから、そのつもりで行けよー。」
「わかった。」
アレスにかなり長いと忠告を受けて掲示板を見に来たわけだが……。
マジか……。
なんでこうなった?
やたらとデカデカと告知してるんだなとか思ったら、既に東西の組分けまでしてあった。
東の総大将、アレス
西の総大将、クデール
なお、レオンハルトはクデール軍の下級将校として参加し軍議への口出しを禁ず。
って、おいっ!!!将校が軍議で口出しするな。とかどういう事だよ!!
つか、アレスにハーレムズって俺の白銀騎士団が敵とか意味わからん!!俺の部下だろうが!俺に指揮させろよ!!
なので、校長室殴り込んだよね。
「校長!これはどういうことだ!!」
「レオンハルト様。これとは軍略大会のことでしょうなぁ。」
「うむ。」
「レオンハルト様の憤りは理解できます。ですが、これにはちゃんとした理由があるのです。」
「理由?」
「はい。クデール王太子を総大将に置かないわけにもいかず、その相手をレオンハルト様がしてしまえば、結果がどうあれ遺恨が残ります。それは将来のーーーーー」
いやね、おじいちゃん長いの…。
あーだーこーだとめっちゃ長い。
クデールと俺を戦わせられないから同チーム。でもって、クデールだけだと士気が上がらないだろうから、これもあって同チーム。あと、おやじ殿からの物言いがあって発言禁止の下っ端将校。
なんとなくだが、おやじ殿からの物言いがあって、それ以外の理由をこじつけたって感じがするんだけどね。
てか、あるいは運命力さんか……。
チーム分けを見てると、そこはかとなく感じるんだよね。
なんで?って。
ティアナに、アイシャ、ミティさんまでアレス側なんだよ。
アレスを主人公として考えた時に、俺やクデールってヒロインとの恋を邪魔する悪役ポジなわけで…。
ゲーム的なシナリオを考えると、こういう展開もありそうってだなって思ってね。
ストーリーブレイクしてるのを無理矢理修整したら、こんなんなっちゃった!的な感じがするんだよ。
はぁ……
「ーーーというわけなんです。」
……やば、途中なら聞いてなかった。
まっ、まあ、いい、大丈夫だ。たぶん、他には重要なこと言ってなかったはず……。
「わかった。父上が迷惑をかけた。すまぬ。」
「いえいえ、そのようなことはありませんぞ。
陛下のひと言があったおかげでスムーズなチーム分けができたのです。」
……それって、俺の扱いに困ってたってことよな。
まあ、そりゃそうか。理解はできる。
「そうか。ふむ、それであれば良かった。チーム分けの理由もわかった。軍略大会を楽しみにしている。」
「ふぉふぉふぉ、それはなによりです。」
はぁー、このイベントが俺の死亡フラグと関係ないとは思うんだが……。勝っていいものか、負けたほうがいいものか……。
というか、そもそも勝てるのか?闘技大会の上位陣がほとんど敵側なんだけど?
いやさぁ、これバランス悪すぎんじゃねーの?
いやまぁ、ハーレムズ引き裂くわけにもいかないってのはわかるけど。ただそれはゲームだったらの話な?
リアルにそんなことされたら理不尽極まりないわっ!!
それに、ティアナさんも敵なんだよなぁ。
マジで最悪!ほんと、やりにくい。
でもだからといって、ティアナさんに出場辞退はさせたくないし。
はぁ…、どうしょうもないし仕方ないか……。
暖かかったり寒かったりなんだか、変な4月ですね。
いつもありがとうございます。




