たえこママの、ギャンブル癖と、確定申告の罠
さすがの、たえこママも、驚愕していた!
「ちょっとみんな! 税金ってなんだい!? あたしがガラホの即パットで当てたあぶく銭から、さらに『手数料(税金)』が引かれるなんて聞いてないよーーっ!?」
たみこママは、文字サイズが「極大」になったらくらくホンの画面をパカッと開いたまま、済州島からの帰り道、豪華客船「MSCベリッシモ」のデッキの上で真っ青になっています 。
これまで数々のピンチを「マルチ決済」の包容力でまとめてきた頼もしいママですが、まさかの競馬の払戻金にかかる税金(一時所得)の存在をすっかり忘れていたおっちょこちょいな一面が発覚!
クルーズ旅行のロマンチックな夜が一転、船上での「緊急脱税対策(?)確定申告会議」と化すお話をお届けします!
メタバース・バー『The Wallet』〜ベリッシモ洋上のパニック!ママの消えた残高と、Suicaの冷徹な査察〜
—————————————————————————
(舞台説明)
そこはメタバース空間の、
韓国・済州島を出港し、日本への帰路につく「MSCベリッシモ」の最上階デッキ。
夜風が心地よく吹く中、常連たちは「日韓マルチサムギョプサル」をお腹いっぱいに食べて、ピンクのドンペリを片手に天の川を見上げていた。
そんな最高にロマンチックな空気の中、トレンチコートの襟を立てたSuicaくんが、モスコミュールを一口すすり、冷徹な Face ID の瞳をママに向けた。
「……ところで、ママ」
Suicaくん(東京)が、静かにグラスの氷をカランと鳴らした。
「今回のクルーズ旅行、みんなを招待してくれて本当に感謝している。……だけど、ひとつ気になるエラー(問題)があるんだ。ママ、3連単の超大アナ勝ち馬券の**『税金(一時所得の確定申告)』**は、ちゃんと頭に入っているのかい?」
「……なんだいそれ?」
たみこママが、らくらくホンを握りしめたままフリーズした。
「やっぱり忘れていたか」Suicaくんがため息をつく。
「競馬の払戻金はね、年間50万円の特別控除はあるけれど、それを超えた分は『一時所得』として、翌年の3月に税務署へ確定申告して所得税を払わなきゃいけないシステムなんだ。ママが当てたのは数千万円の大アナだろう? 下手をしたら、これからものすごい額の税金の請求(暗号化された請求書)が届くぞ」
「えええええーーーっ!!!???」
PayPayくんがレモンサワーのジョッキを海に落としそうになって叫んだ。
「数千万円の一時所得!? 課税対象額が半分になるとはいえ、ママの所得税率が跳ね上がって、来年の住民税の通知がらくらくホンの文字サイズよりも巨大になっちゃいますよ!!」
「オーマイゴッド……!」Visaマスターも青ざめる。
「マーム! 旅行で豪遊してる場合じゃナインデース! 来年の春、ママのキャッシュ(残高)が完全に『システムダウン』しちゃいマース!」
「そんなの嫌アルーー!」
銀聯先生がチャイナドレスを振り乱して泣き叫ぶ。
「ママが破産したら、白山の居抜きバーのタラモサラダが食べられなくなるアル! 微博で『ママ、脱税で炎上』なんて拡散されたら、全インバウンドが悲しむ的!」
船上のハッピーな空気は一瞬で吹き飛び、常連一同は「ママの納税パニック」に大慌て。ポインコ兄弟やポンタたぬきも、ママの危機を察して「ポインコ……(ママが捕まったらちゅーるが貰えないポイ)」「たぬ〜〜(電卓が恐怖で震えるたぬ)」とオドオドしている。
当のたみこママは、らくらくホンをパカパカと狂ったように開け閉めしながら、冷や汗を流していた。
「ちょ、ちょっと待ち開いよ! あたしは地道に白山の『ビッグ・エー(Big-A)』で1円でも安いモヤシを買って、コツコツ生きてきた下町の端末なんだよ!
競馬場(即パット)で『1・2・3』って確変みたいに数字が揃って喜んでただけで、なんで税務署の『マルサのオトコ(Suica)』に追い詰められなきゃいけないのさ!」
「ママ、僕をマルサと呼ばないでくれ。僕はただ、運行管理をしているだけさ」
Suicaくんがクールに訂正する。
「ママ、お困りのようですな」
その時、カウンターの代わりにデッキの手すりに寄りかかっていた男──JCB氏(京都弁)が、はんなりと微笑んだ。
「一時所得の税金は、経費(外れ馬券の購入費用)がどこまで認められるかが勝負どす。最高裁の判決でも、年間を通じてパチスロや競馬を『業』として、自動購入ソフトなんかで機械的に買い続けてはる場合は、外れ馬券も経費にできる可能性が上がりますえ。
ママ、まさかとは思いますけど、あの京セラのガラホの物理ボタンを、毎日狂ったようにカチカチカチカチ押し込んで、年間何万レースも自動(人力)で買い続けてはりませんやろか?」
「──あッ!!」
たみこママがポンと手を叩いた。
「買い続けてるよ! あたし、白山のパチンコ屋の待ち時間も、ビッグ・エーのレジの列に並んでる時も、ずーっとガラホの『1・2・3』のボタンを押し込んで、365日全国の地方競馬の馬券を買い漁ってる(自動購入システム並み)じゃないのさ!」
「それだ……!」
Apple PayさんがFace IDの瞳をシャキーンと輝かせた。
「ママのその狂気的なガラホ連打は、もはや個人の趣味の領域を超えて、完全に『独自の決済アルゴリズム(業)』として定理されている。JCBの言う通り、過去の全ての外れ馬券のデータをらくらくホンの顧客カルテからパブリッシュ(提出)すれば、経費として認められて税金が大幅に相殺(暗号化)される可能性がある!」
「やったアル! ママは無実アル!」銀聯先生たちが大歓声を上げる。
「ふぅ……」たみこママは、らくらくホンをパカッと開き、文字サイズ「極大」の画面に【最重要タスク:外れ馬券のレシート(ビッグ・エーの袋の底)を全部集める】と追加して、やれやれと割烹着(の代わりのドレス)の襟元を正した。
「まったく、Suicaの坊やに脅かされて、心臓がオートチャージ(バクバク)しちゃったじゃないのさ!
でもね、最先端のデジタルだろうが、あぶく銭の競馬だろうが、稼いだらちゃんと国に税金を払う。これぞ日本のインフラを支える大人のマルチ決済(義務)ってやつさ!
よし、帰国したら全員で、あたしの外れ馬券の集計(確定申告)の手伝いだよ!
今夜は船の最後の夜だ、税金のことは来年の3月に回して、ママ特製の『出汁割りマッコリ』で盛大に飲み明かすよ、乾杯!!」
「イエス、マーム! 税務署への書類作成もApple Payにお任せクダサイ!」
「ハオラー、ハオラー! 来年の確定申告もみんなで手伝うアル!」
たみこママのおっちょこちょいな危機を全員の知恵で乗り越え、豪華客船MSCベリッシモは、満天の星空の下、世界一ハッピーな納税者たち(?)の笑顔を乗せて、懐かしの白山へと力強く進路を進めるのだった。
(完)




