たえこママ、走る!
(舞台説明)
これは、メタバース空間での、とあるバーの話である、切り盛りしているのは、雇われママのたえこママであった。
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深夜の『The Wallet』
ガラガラガラッ!!と、凄まじい勢いで引き戸が開くと同時に、黄色い羽毛と、茶色い毛並み、そして白いモフモフが店内に雪崩れ込んできた。
入ってきたのは、ドコモのポインコ兄弟(細い方と太い方)、au PAYくんが崇拝するポンタたぬき、そしてPayPayくんのバックボーンであるソフトバンクの**ホワイト犬(お父さん)**である。
「ポインコ〜〜〜ッ!!(お土産のフィナンシェ全部くれーーっ!!)」
ポインコ兄弟が、カウンターの上のバターバトラーの箱に目掛けて、黄色い羽をバタバタさせながらダイブする。
「たぬ〜〜〜っ!!(僕には甘党まえだのみたらし団子をよこすたぬ!)」
ポンタたぬきが、自慢の大きなお腹をカウンターに押し付けて電卓を引っつかむ。
「おい、そこなバーテン。私には最高に冷えた生ビールだ。あと、つまみに美味いウナ巻きを貰おうか」
ホワイト犬のお父さんが、渋い声でJCB氏(京都弁)に命令する。
「な、なんやこの生き物たちは……! 賑やかすぎるがな!」
ICOCAくん(大阪)が、麦焼酎のグラスを抱えて椅子から転げ落ちる。d払いユーザーのdポイントや、au PAYのPontaポイント、そしてSoftBank(PayPay)の電波を背負ったマスコットたちが一堂に会し、バーの通信環境は過密状態(大混雑)に!
「ちょっとみんな! この子たち、お腹を空かせて暴れてるよ!」
たみこママがらくらくホンで時間をチェックする。
「深夜3時か……よし、みんな! この子たちをちょっとの間、おでんの出汁(千代の一番)でなだめておくれ!
あたしは今から、24時間営業の**『ビッグ・エー(Big-A)』に猛ダッシュで『ちゅるちゅるワンちゅーる』と『ちゅーる(猫・鳥用)』を買いに行ってくるからね!**」
「ええっ!? ママ、自ら仕入れ(ダッシュ)ですか!?」
PayPayくんが驚く間もなく、たみこママは割烹着をなびかせ、かつてのマラソンランナー(増田明美さん風)のフォームで、白山の路地裏を時速30キロで爆走していった。
店内に残されたカードたちと動物たち。
「ポインコ! ポインコ!」(兄ちゃん、このお皿のタラモサラダも美味そうポイ!)
「これこれ、鳥はん、うちのビッグ・エー特製タラモサラダを突っついたらあきまへんえ」
JCB氏が扇子でポインコ兄弟を優しくあやすが、太い方のポインコがJCB氏の着物の袖を引っ張って離さない。
「ポンタ! ポインコに負けるなぬ! 狸の底力を見せるたぬ!」
au PAYくんが「神様、落ち着いてください!」と、巨大なPontaぬいぐるみの本物にみたらし団子をあげるが、ポンタたぬきは店内のWi-Fiルーター(スターリンク)に興味津々で齧りつこうとしている。
「おい、PayPay。お前のところのマスコット(お父さん)をどうにかしろ。僕のトレンチコートに白い毛がつく」
Suicaくん(東京)が眉をひそめる。
「しょうがないなぁ! お父さん、ほら、僕のスマホの画面を見て! 『ペイペイ♪』って音が鳴るよ! ほら、こっちおいで!」
PayPayくんが画面をチカチカさせるが、ホワイト犬のお父さんは「ふん、私はそんな安っぽい音には騙されん。男なら黙ってポストペイ(後払い)だ」と、完全に PiTaPaさん(京都)の隣をキープして優雅にビールを飲んでいた。
店内が黄色、茶色、白の毛並みと通信ポイントの怒号で完全にカオス(動物園)と化したその時──。
ガラガラガラッ!!!
「──ハァ……ハァ……! 待たせたねぇ!! みんな、**『ちゅーる』**だよ!!」
たみこママが、両手にビッグ・エーのレジ袋(中身は犬用・猫用・鳥用のちゅーるが山盛り)を抱えて、限界突破のスピードで帰還した。
「さあ、ポインコ兄弟! あんたたちにはこの『小鳥用のゼリーちゅーる』をあげるからね!」
「ポインコォォォ!!(ウマすぎるポイ!)」
ポインコ兄弟が、ママの手からちゅーるをダイレクトに吸い付き、一瞬で大人しくなる。
「ポンタたぬき! あんたにはこの『たぬき(犬)用のちゅるちゅるワンちゅーる・ビーフ味』だよ!」
「たぬ〜〜〜〜っ!!!(五臓六腑に染み渡るたぬ〜〜!)」
ポンタたぬきも、ちゅーるの美味さに目を丸くして、カウンターの上でお腹を出してゴロゴロと転がった。あまりの美味さに口から光のビーム(たぬき風)が飛び出す。
「そしてお父さん、あんたにはこの高級『とりささみ・緑黄色野菜入りワンちゅーる』さ」
「……うむ。これは……美味いな。ビッグ・エーの底力を侮っていたようだ」
ホワイト犬のお父さんも、たみこママの膝の上に顎を乗せて、すっかり大人しくちゅーるを舐め始めた。
「ふぅ……」たみこママが、新調したドコモのらくらくホンをパカッと開き、液晶に文字サイズ「極大」で【メニュー:ちゅーる(時価)】と追加して、やれやれと汗を拭った。
「いいかい、みんな。通信キャリアがドコモだの、auだの、ソフトバンクだので競い合って、裏で顧客の奪い合い(シェア争い)をしていてもね。
この白山の居抜きバーに来たときは、マスコット(動物たち)だって、みんな等しくお腹を空かせたちっちゃな命なんだよ。
あたしがビッグ・エーに走って、ちゅーるで胃袋を掴んであげなきゃ、誰がこの巨大キャリアたちの暴走をマルチ決済(一括コントロール)してあげるって言うんだい?」
たえこママの、ドコモの電波よりも広く、ソフトバンクのギガよりも大容量な「母性(包容力)」に、ポインコもポンタもお父さんも、そしてバーの全員が深く感動して、涙を流した。
「ママ……さすがどす。
うち、この動物たちのモフモフと、ちゅーるの優しさに、またお店のセキュリティが甘くなりそうですわ」JCB氏がそっと涙を拭う。
「よし! 話が決まったら、今夜はみんなでこのモフモフたちをクッションにして、ママ特製の『出汁割り豆乳』で大宴会だよ! キャリアの壁を越えて、今夜はみんなで『アニマル・ちゃんぷるー』さ! 乾杯!!」
「イエス、マーム!」
「ハオラー、ハオラー!」
「ポインコ!」
「たぬ!」
「ワン!」
たみこママの爆走とちゅーるの奇跡によって、白山の居抜きバーは、これまでにない平和でモフモフなハッピー空間となり、動物たちの鳴き声と常連たちの笑い声と共に、どこまでも温かく、賑やかに更けていくのだった。




