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チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


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【Cheat Ability No.46】負債感情型・不運の波及(ドミノ・ディザスター)

ご拝読ありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

不幸と羞恥が入り混じる中、ワゴンの経営状態は過去最悪の危機を迎えています。

「……日和、今日の客数は?」


「ええと……午前中だけでマイナス三人です。お店に近づこうとしたお客さんが、全員バナナの皮で滑って広場の外まで飛んでいきました」


ワゴンには、シュレッダー係として雇われた薄幸魔王が、申し訳なさそうに縮こまっています。彼が放つ「負のオーラ」はもはやチート級。お店全体が強力な不運の結界に包まれ、誰も物理的に近づけなくなっていたのです。


「すみません……僕がここにいるせいで……あ、溜め息をついたらカウンターにヒビが……」


魔王が項垂れる中、広場のスピーカーから爆音で新曲が流れ始めました。ステージに立っているのは、満面の笑みを浮かべたベルゼ様です。


「聴きなさい、愚民ども! これぞ宿敵の魂の叫びを私がリミックスした究極のバラード! タイトルは『花園の誓い、散りゆく前に』!」


歌詞の内容は、先日裁断されたはずのフェアカさんの日記そのまま。ベルゼ様はシュレッダーのゴミ箱から断片を回収し、執念でパズルを完成させていたのです。


『あぁ、私の剣は……貴女を守るためだけに……光を放つの……』


エコーのかかった美声で、フェアカさんの「青臭い本音」が天界中に拡散されていきます。


「フェアカさん! ベルゼ様がサビのところで『ここは銀髪のあいつの気持ちになって!』とか煽ってます! お客さんは来ないのに、フェアカさんの黒歴史だけが飛ぶように売れていきます!」


日和の報告を聞きながら、フェアカさんは無言で銀のペンダントを握りしめていました。その指先は、羞恥と怒りで微かに震えています。


「……日和。あの不運魔王をステージの最前列へ放り出しなさい。彼の『不幸の波及』で、あのスピーカーを物理的に破壊するのよ」


「えっ、あ、はい! 魔王さん、あっちでシュレッダーの続きをしましょう!」


不幸な魔王がステージに近づいた瞬間、音響設備は謎のショートを起こし、ベルゼ様は衣装の裾を機材に引っ掛けて転倒。ライブは無残にも中断されました。


「……ふぅ。これで少しは静かになるわね」


「フェアカさん、根本的な解決になってません! ベルゼ様は『ハプニングさえも運命エモ!』ってさらに盛り上がってますし、魔王さんは『自分のせいでライブが……』ってさらに落ち込んでオーラが濃くなってます!」


結局、その日の売り上げはゼロ。代わりに広場には、フェアカさんのポエムを口ずさみながら、不幸な魔王に同情して涙を流す奇妙な集団ができあがるのでした。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ……。拡散される黒歴史、波及する不運、営業妨害の三重奏、なんでもござれ」


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