十一話
「金がねぇーー!どうすりゃいいんだ!」
領内の経済事情は思っていたより深刻だった。なんでこんなに金がないんだ。
「助けて!エレエモン!」
「なんですかご主人様、その呼び方は。便利屋さんみたいで不快です。」
「だけど!このままじゃ、戦艦作る資金が無いよ。」
どっかの青いタヌキみたいな名前で読んだせいか、よっぽど嫌だったみたい。別の呼び方を考えるか。
「借金が膨らんでる理由に、魔石の輸入が挙げられますね。」
「魔石?ってどんな用途で使ってるんだ?」
「主に発電の燃料です。魔石から取り出せるエネルギーを電気に変換し、たまに供給しています。」
なるほどな。魔石が発電に必要で、それを輸入に頼ってるからダメなのか。
「このせか…んん、ほかに発電する方法とかってないのか?魔石の輸入をやめればいいじゃないか」
危うく、この世界の発電は?って聞くところだったぜ。ときどき出てきそうになるから注意しなくては。
「以前は化石を利用した火力の発電方法もあったようですが、採り尽くしたとかで現在は行われていません。また、火力発電で領内の電気を賄うのは困難かと。」
確かに。ワープを頻繁に使うくらいの世界だし火力発電じゃ限界だよな。
「化石燃料は取り尽くしたって言うが、魔石は尽きないのか?」
「はい。当分は困らないほどには、あるようです。王国の貴族が魔石を含むもしくは、魔石からなる星を開拓したようです。」
「だいたい分かってきたわ。つまるところ、一部の貴族が燃料の輸出を牛耳っていて、そのコストが高いってわけだ。」
「その通りです。ですので、魔石の輸入を絞るのは厳しいかと。」
「いや。エレンのおかげで見えた。魔石の購入は今後少なくしていこう。フィオを呼べ。」
エレンは眉をひそめ、疑うような目で見てきながら、フィオに連絡を取るのであった。
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日を改め、俺の屋敷に第七兵器開発局のフィオを呼びつけた。いかにも領主って感じがして気持ちいい。
「フィオよく来たな。」
「こないだぶりですね!辺境伯。どうしましたか?もう次の兵器の開発に入りたいとか?」
「次元潜航艦の開発もお願いしたいところだが、今回は、発電のことで話がある。」
「発電ですか。一応、兵器開発メインなんですけど!まぁいいですよ!」
思ったより手応えが軽すぎて、苦笑する。どんだけ仕事ないんだ。
「お願いしたいのは、太陽だ。太陽を作ってくれ。」
「えぇーーー!なんですか、辺境伯!あたおかになっちゃったんですか!」
辺境伯にあたおか(訳:頭おかしい人)は失礼すぎるだろ。フィオの反応が面白くてニヤニヤしてしまうじゃないか。
「あたおかとか言うな。お前の方がおかしいだろ。まぁ太陽っていうのは例えだ。核融合炉ってもんだ。作って欲しいのは」
「なるほどぉ。太陽みたいに核融合する炉ってことですね!無理じゃないっすか?」
おいおい。敬語が緩んでるぞ。無理じゃん?って顔すんな。
「太陽ってどんな反応で燃えてるかって知ってるだろ?技術者なら」
「そうですね。何個かの水素がくっついてヘリウムになるんでしたっけ。それでヘリウムになったときの重さの減少が、エネルギーになるみたいな。ですよね!?」
「概ねそうだ。正しくは水素がヘリウムの原子核の構造に反応で変化するってことだけどな。これを発電に使う。核融合炉にはもう少し違う燃料を使うがな。」
「ふぉええ!なんかすごそうっすね!」
人選ミスったかなぁ。次元潜航艦作り上げたし、コイツいけるべ!って思ったけど、言動が不安になる。
「核融合炉には重水素と三重水素の融合反応で行う。だいたいの原理はここに書いておいた。穴はあるかもしれないがな。方法もレーザーとプラズマで閉じ込め方を変えた二種類を示した。これで検討してみてくれ。」
「了解っす!自分だけだと厳しそうなんで、信頼できる友達と相談してもいいです?」
「あぁもちろん。優先的に開発頼む。」
「任せてください!こないだみたいにお茶の子さいさいとは言わないまでも、すぐに作ってみせます!」
フィオって友達居たのか。でもなんか地雷持ってそうな友達持ってるイメージだわ。上手くいくといいけど。




