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十二話

フィオに核融合発電を依頼してから半年近く立った。つい最近、実証設備での実験についての予算を請求されたから、そこそこ進んでいるんじゃないか。その半年の間、鉱業用惑星と農業用惑星の開発を進めた。


「各惑星の開発は進んでいるか?エレン」


「鉱山開発用のアンドロイドを配置したので、ようやく軌道に乗ったところでしょうか。」


星間国家である王国では、その貴族は領土内の星を管理することが義務付けられている。だが先代の辺境伯は、中途半端に手をつけては頓挫したといった感じにほとんど進んでいなかった。特に、先代はレアメタルの採掘に戦争奴隷や犯罪者を動員させていたこともあり、効率が悪かった。


「ご主人様のように割りきって人工知能にレアメタル採掘を任せることは、王国では珍しいことです。多くの物は罪人に開拓させることが多いので」


王国の人間至上主義的はかなりのもので、儲かる鉱山開発の効率よりも優先されることなのか。たしかに、アンドロメイドであるエレンの購入の際にもクラインを説得することに面倒だった覚えがある。前世が日本人である俺からすると、アンドロイドや人工知能と言えば、ハリウッド映画で出てくる悪役の十八番(おはこ)って程のイメージだ。


「バカバカしいじゃないか。自分よりできる者がいるなら、そいつにやらせた方がいいだろ。適材適所だよ」


「まったくその通りだと思いますが、王国の貴族にはそのように考える人はほぼいないでしょう。」


「まぁ。それはそれで俺の領土が発展するように進みそうでいいじゃないか。そんな頭の痛い話は追々考えるとして。なんか最近、俺の部屋に水槽を置かなかったか?」


俺の居室は普段は、寝る時にしか入らないため、何かが変わっていても気づかないことが多い。前にエレンがスミレの花に似たものを飾ってくれたときは、たまたま運良く気づいたもんだ。


「はい。めだかです。」


「いやいや。メダカです、じゃなくて。というかメダカってどこから拾ってきたの…?」


「この間、農業用惑星の視察に行った時にです。川で泳いでいるのを見かけて。目がくりくりしていて可愛くないですか?」


「たしかにメダカの見た目はかわいいと思うけど、知らぬ間に設置されてて、びっくりしたぞ。まぁ、エレンが世話してくれるならそのまま置いておいて全然構わないから。」


「はい!そうおっしゃてくれると思って置いておきました。」


花の世話の件と言い、自然豊かなものに興味が湧くみたいなんだよな〜。まぁめだか可愛くないですか?って聞いたときのエレンが一番可愛かったけどな。あとは何かする前に言ってくれると良いんだけどな。


⭐︎⭐︎⭐︎


そんなメダカ事件の数ヶ月後


俺は今、エレンと一緒に領内の発電エリアに来ていた。うわああ、なんだこれ。爆発とかしないよね?と不安になっていた。それも納得のめちゃくちゃでかいドーナッツ型の機械が重低音を鳴らしていた。


「おおーー!アベルトさまぁーーーー!!」


機械の音に負けないくらいの声で俺を呼ぶ声がした。フィオだな。


「久しぶりじゃないか。フィオ。それからどうなんだ?」


「お久しぶりです!ささ、見学フロアの方にご案内しますので!」


最初っからそっちに呼んでくれよな!と内心では憤りながらもフィオについていく。この元気な感じも1年弱聞いていなかったせいか、とても懐かしい。


いくつかの扉を通り、先ほどの機械が見えるガラス越しに見えるところに案内された。


「アベルト様に頼まれていた核融合炉です!」


どうでしょーとドヤ顔でさっきの機械を指差している。


「実証段階だと聞いていたからまだ完成ではないかと思ったが、もう出来上がっているのか?」


「一応、あの子は一号炉で、実証設備を兼ねています。ちょうど今も、最終試験の最中ではあるんですが。」


「おお。じゃあ、もうほとんど完成だな。どうだ安全性とかは?」


「安全性はバッチリです!万が一の事故でも核融合炉では暴走は起きないっす!その点では、真積発電方式より優れています!!ただ、その分、複雑な発電方式で高速起動がむずいっす!」


「なるほどな。一回事故ったら再起動させるまで時間がかかりそうってことか。」


「その通りっす!!ただ出力の方はお墨付きで、少ない燃料で高出力っす!なんでこの発電方式がなかったか疑うレベルでエコっす!!」


まぁそれはな。前世の知識で思い起こせば、エネルギー問題の救世主ってくらいの呼ばれ方していたからな。


「じゃあ早急に魔石発電から核融合に置き換えていってくれ。安全マージンとして、魔石用の炉は廃炉にせず、非常時の高速起動で対応できるようにするほうがいいか。」


「最初はそうかもですね!ただこの子は出力だけはバカでかいんで、予備を地下でバックアップさせるってのもいいかもですね!」


「たしかにその手はあるな。エレン。今の感じで計画書を練っておいてくれるか?」


「かしこまりました。ご主人様。核融合炉が設置され、順次魔石の輸入は削減させる方向とします。」


「よろしく頼む。」


これで魔石の輸入は減らすことができる。ただ宇宙戦艦用の燃料等で一部捨てきれないところはあるが、大幅に財源は確保できそうだ。これからが楽しみになってくるな。




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