【181話】体育祭
*****体育祭*****
『これより体育祭を執り行います!総合1位でのクラスには真欧祭での飲食や催し物の入場がすべて無料となるフリーパスが授与されます。2位と3位にも賞品がでますのでみなさん頑張ってくださいね。』
全生徒がグラウンドに集合し、会長であるマキのあいさつで体育祭が開催された。普通の学校のようにメダルを授与されるだけでは面白くもやる気もでないだろうと判断し、エサをぶらさげての開催となった。
成績優秀であり、もはや学園の先生より頭のいいマキの意見はすんなり通り、反対する教師は誰一人いなかったのである。
保護者にしても真欧グループに勤務する保護者がほとんどであり、マキの噂は誰もが知っている為、当然反対する保護者も皆無であった。
この体育祭はクラス対抗で行われ、学年も関係なく競いあう為、普段お嬢様である生徒達もこの日ばかりはお嬢様ではなくなってしまう。
今年は生徒からの意見を取り入れた新たな種目も加わり、盛り上がり方もかつてないほどの盛り上がりぶりを見せた。
いままでの体育祭であれば体力に勝る3年生が有利となってしまう為、1年生はただ参加しているにすぎなかったが、今年は1年生2年生が提案した競技をほぼ採用したこともあり、どのクラスが優勝してもおかしくないのである。
さらに我が子の姿をカメラに収めようとする保護者に対しては一切の撮影を禁止し、応援するように予め生徒から保護者に伝えており、その代わりに撮影専用のプロのカメラマンを雇い全ての競技を撮影させ、後にUSBやDVDなどを全員に配布するなどの配慮まで施された。
後ろ向きで走る背面競争や、匍匐前進競争などは生徒のみならず保護者からも大受けし、競技は順調に進む。
「マキちゃん、今年はなにか凄い盛り上がりを感じるのだけど。」
「予想以上だね、やっぱ生徒の意見を取り入れたことが影響してるのかなあ。」
「でしょ、さっすがわたしですぅ。」
「今回ばかりは、ユキのおかげかもしれないね。」
生徒会専用のテントで満足そうに体育祭の競技を観戦する3人。
その後も競技は続くが、1位は3年A組で2位にはなんと1年A組が入り、3位には2年A組が僅差で追う形となっていた。
昨年同様に最終決戦『真欧学園最速女王決定戦』に持ち越されることとなったのだ。
昨年マキはミサキと同着だったが、胸の差で負けた苦い経験があった為、今年はなんとしても優勝を狙いたいのだが、まったく成長していないマキは昨年と体格が全く同じだった。
予選を上位3クラスの代表者が通過していたので、やはりこの『真欧学園最速女王決定戦』が本当の最終決定戦となる。
1年A組は城間ミキ、2年A組はカミュ・メアリー、3年A組は城間マキその他5名の生徒が決勝に残った。
ユキはメアリーに敗れてしまっていた為、今年の2年A組の代表はメアリーだった。
さらに城間姉妹の直接対決ということもあり、異常な盛り上がりをみせる。
勝負は100メートル競争だが、その数秒間の競技に全員の視線が集中し、グラウンド内は一気に静まり返る。
『位置について!』
『用意!』
『バン!』
スターターの合図とともに駆けだした8人の生徒達。
結果はマキがぶっちぎりの1位で、2位がメアリー、3位がミキという結果になった。
大歓声が巻き起こるはずだったが、見ていた全員がマキの走る姿に見蕩れてしまっていた為、ゴールした後でも静まり返ったままだった。
他の生徒に比べ背の低いマキが一生懸命走る姿に誰もが見蕩れてしまい、拳を握りしめていたのだ。
『1位3年A組城間マキさん。2位2年A組メアリーさん、3位…』
場内アナウンスでようやく大歓声が巻き起こる。
『ワァァァッァ!』
『キャアアァァァァァ!』
『ヤッタアァァ!』
悲鳴にも似た歓声があちこちから響き渡り、1位になったマキは手を上げその歓声に応えると、その歓声はさらにボリュームを上げる。
マキの活躍により3年A組は総合優勝し、2位には2年A組、3位には1年A組と昨年と全く同じ結果となってしまったが、盛り上がりだけで言えば真欧学園はじまって以来の盛り上がりとなり、いよいよ残すところもマキのあいさつのみとなった。
『今年の体育祭は最後に私がおいしいところ全部持ってちゃいましたが、本当に楽しめました。これも生徒の皆さんが一生懸命考えてくれた競技のおかげです。本当にありがとう。そして応援していただいた保護者の皆様方、撮影を禁止するなど勝手な事を申し出た事をお詫び致します。これにて真欧学園体育祭を終了致します。』
マキのあいさつが終わると生徒のみならず保護者からも温かい拍手が飛びだし、保護者からもマキは絶賛されることとなった。
こうして体育祭は無事幕を閉じ、いよいよ次は『生徒会選挙』が始まるのである。




