【182話】生徒会選挙と中間試験
体育祭もかつてないくらいの盛り上がりを見せ終了し、いよいよ次に控えるのは生徒会選挙である。
現会長であるマキは真欧祭が会長として最後の仕事となる。
「いよいよ生徒会選挙だねミカちゃん。」
「だね今年はメアリーちゃんとユキちゃんの一騎打ちになるのかなあ。」
「どうかな、新たな宿敵が現れたりして。」
そんな会話を3年生の教室でしていた2人だったが、新たな立候補者が現れる事もなく、次期生徒会長候補には圧倒的な支持を受けユキが無投票で会長となることが決まった。
2学期早々起こった事件がきっかけとなり、誰にも動じずはっきり物事を述べるユキの姿が生徒間で噂になり、この学園でマキの後を継げるのはユキしかいないと全ての生徒が思ったからである。
ユキは副会長にメアリー、書記兼風紀委員長に1年生のミキ、アース、テミスを指名し、新たな生徒会は5人体制となることが決定した。
*****生徒会室*****
選挙も終わり、次期生徒会メンバーも含めた7人の生徒が生徒会室に集まる。
「ユキが会長かあ、なんか初めて会った頃からじゃ想像もつかないや。今じゃ身長も一番高いし。」
「そうよね、とても小さくてかわいらしかったユキちゃんが、1年前とは別人みたいになっちゃったもんね。」
「そぅですかぁ?でもぉマキせんぱぃはずっと小さいままですねぇ。」
「ううう、ユキなんてキライだ。」
スネるマキだったが、どう見ても年上には見えないその容姿はかわいいとしかいいようがない。
「何故か私まで生徒会に入る事になっちゃいました。」
「あはは、ミキちゃん一人じゃさみしぃとおもってぇ、テミスちゃんやアースちゃんも一緒だからぁ。」
「まあ、いいですけどね。逆らったらユキ先輩怖いし。」
「そういえばアースちゃんやテミスちゃんも身長伸びたね。」
「はい、わたしもアースも150センチになりました。」
(マジか。。ユキは160センチでミカちゃんが158センチだしメアリーとミキは155センチ、テミスとアースが150センチってみんな伸びてるし!)マキだけは145センチのままだった。
「もう身長の話はやめようよ。。。」
「そ、そうね。」
「は、はい。」
「で、残すは真欧祭だけだね。」
「そうですね、でもその前にユキちゃんやミキちゃん達は中間テストがあるんだよね。」
「そぅですよぉ、いぃなぁミカせんぱぃ達はテストなくてぇ。」
「ユキちゃん、私達は全国進学者模擬試験を受けるから、試験あるよ。」
「えぇ!そぅなんですかぁ?」
「そういえばお二人とも進学なされるんですよね。」
「そうだよ、私もマキちゃんも真欧大学から推薦で入る事がきまってるからぁ。」
「じゃあどぅして模擬試験うけるんですかぁ?」
「ふふふ、それはね。私とマキちゃんの最後の闘いでもあるからなのよ。」
「はぃ?どぅゆぅことですかぁ?」
「私はマキちゃんが転入してきてから、ずっと2位ばかりだったので、一度くらいは勝ちたいじゃない。だから無理矢理マキちゃんを誘って試験を受ける事にしたの。」
「で、マキさんも承諾したってわけですね。」
「だって試験受けないと、もう二度と話ししないっていうんだもん。」
「あははは、そんな事いったかなあ。」
(ミカ先輩ってやっぱ怖いな。)
「それでね、これからみんなで学生寮の会議室で勉強会をしようかと思ってるんだけど。」
「うんうん、したぃですぅ。」
「それいいですね、私もテミスやアースもそのほうが助かります。」
こうして7人全員が学生寮へ向かい、試験勉強をすることになり学生寮地下2Fにある会議室へと辿り着いた。
「みんなおかりなさい、待ってたわよ。」
そこには理事長であるミサキが何故か笑顔で待っていた。
「ミサキ姉さん、なんでここに?」
「あはは、驚いたでしょ。ミカちゃんから連絡うけてたから待ちかまえていたのよ。」
中に入り廊下の突き当たりにあるドアを開けるといつもの会議室がリフォームされていた。ものすごい量の参考書や、過去の試験問題などがどこかの図書館並みに揃えてあり、さらにはパソコンやコピー機、軽い食事ができるスペースなどもありミカを除いた6人は驚いていた。
(なるほど、ミカちゃんはこの事を知っていたからみんなをここに連れてきたんだ。)
会議室としてあまり機能していなかった為に、それならもっと役立つ場所にしようとミカとミサキが話し合いこのような部屋が作られたのである。
「わからないとこがあれば私が教えてあげるから、ミカちゃんやマキちゃんも勉強に集中できるでしょ。」
「ありがとうございますミサキ姉さん。」
「理事長、なにからなにまですいません。」
みんなミサキに感謝し、それぞれが好きな場所へ移動し、勉強が始まった。
マキは学園の試験がある度に全て満点を取っていた事が気になっていたメアリーは、マキがどのようにして勉強しているのだろうと気になり、マキの勉強する場所へ見学に行く。
(やはりメモとか取るのかな。)そっとマキに近づいて行くと、その後ろにはユキがいた。
「メアリーも同じ事かんがえてたんだねぇ、わたしもぉあのちっちゃいマキせんぱぃが、どうやって勉強してるのかぁきになってたんだぁ。」
どうやら2人共同じ考えらしく、そして2人でマキの勉強風景を覗く。
マキがなにやら真剣な眼差しで本を読んでいるのが2人の視界に映し出される。
(すごい集中力だ。やはりもってるものが違うのか。)
(あんなマキせんぱぃ初めてみた。なんか格好いいなぁ。)
すると本を読んでいたマキが、近くにいたミサキに話しかけようとしていた。
(きっとミサキ理事長に意見を求めているんだ。やっぱあの2人はすごい。)
(わたしもあんなふうになりたぃなぁ。)
ユキとメアリーはマキがミサキにどんな事を話そうとしているのだろうと、その様子をじっと見つめていた。
「ミサキねえさん、この色の服とこの柄の入った服とどっちがかわいいと思います?」
「そうね、マキちゃんならこっちの柄でフリフリのついてるほうが似合うと思うわよ。」
「でもそれじゃあ子供っぽくみえるじゃないですか。」
どうやら2人は服の事について話をしているようであり、さらにマキが先程真剣に見ていた本はファッション雑誌であることがわかった。
「マキせんぱぃ!なにやってんですかぁ!」
「ほんとですよ!理事長まで一緒になって!」
突然怒り出す2人にマキとミサキは訳が解らなかった。
「え?なにが?」
「ないがじゃないですぅ。マキせんぱぃがどうやって勉強してるかぁ見にきたのにぃ、そしたらぁ雑誌なんかぁ読んでるしぃ。」
「そうですよ、理事長もマキさんと意見交換するものだとばかり思ってましたのに。」
キョトンとするマキとミサキだったが、どうやら2人がマキの勉強風景を見ようとしてたことに気が付いた。
「あはは、ごめんごめん。メアリーちゃん私がマキちゃんに教えれることなんてないのよ。だってマキちゃんは私より遥かに頭がいいんだもん。」
「えっ?」
「それにマキちゃんなら、模擬試験くらいなら今すぐ試験しても楽勝だと思うわよ。」
「そ、そうなんですかぁ。」
4人のやりとりを聞いていたミカがそこに現れ、ユキやメアリーにもっと凄い事を話しだす。
「ユキちゃん、メアリーちゃん。マキちゃんは一度読んだ本は目次からあとがきまで全て暗記できちゃうのよ。数学にしてもほとんど暗算でやっちゃうし、私達とはレベルが違うの。」
「ほ、ほんとぅですか!」
「ええ、マキちゃんの家によく遊びにいくんだけど、教科書以外の本は一切ないからどうやって勉強しているか聞いてみたのよ。そしたら図書館や本屋で立ち読みするだけで、その内容を全て思い出して書くこともできるんだって。もうそれ聞いた時私は勝てる気がしなかったわ。」
(な、なによそれ。やっぱマキせんぱいはものすごい頭脳の持ち主だったんだぁ。)
(全部暗記って、想像もつかないし。それに暗算でできるって足し算や引き算じゃあるまいし。)
どうも信じられない2人は、自分達が手に持っている教科書を開き質問してみた。
「じゃあマキせんぱぃ。この教科書の158ページに書いてある事全て言ってみてください。」
ユキが手にしていた教科書を見ながらそう話すと、マキは一字一句間違えること名もなくスラスラと読み上げ出した。
「そ、そんな…。」
「もう人間離れしてますね。」
「でしょ、私なんか机に置く所がないくらい参考書とか置いて読んでるんだよ。でも今回だけは絶対に負けないもん。」
ユキとメアリーがミカの机に目を遣ると、数100冊の本が積み重なっていた。
(あのミカさんでさえ、これくらいやらないと追いつけないってことなんだ。)
(うわぁ、こんなことしている暇ないよぉ。はやく勉強しなきゃ。)
ユキとメアリーはその後、自分の席に戻り過去の問題集や参考書などを机の上に並べ、必死に勉強していた。
試験までの1週間、毎日のようにマキとミサキを除く6人は必死に勉強することとなった。
そして中間試験に突入し、試験終了後は全員で試験勉強お疲れ様でした会を開き、盛り上がった。
*****数日後生徒会室*****
いよいよ中間試験の結果が貼り出される日がやってきた。
2年生の1位はユキが498点というマキに続く高得点をマークし、2位には480点のメアリー。
1年生はミキが490点で1位、2位はテミスの488点、3位はアースの486点と3人が僅差で1位から3位を独占する。
「すっごいね、ユキちゃん私が2年生だった頃より点数いいし。。。」
「いやぁたまたまですよぉ。ミキちゃんなんてぇ私が1年生のときよりぃ高い点数なんですよぉ。」
「いえいえ、これは皆さんが解り易く教えて頂いたから取れただけですよ。あの勉強会がなかったら今より50点は低かったと思いますよ。」
「それで、ミカさんとマキさんの勝敗はどうなったのですか?」
全国進学者模擬試験を別会場まで足を運び受けた2人は、マキが全国ダントツの1位でしかも満点の500点ではなく502点を叩きだした。
試験の問題に異なる2つの答えが存在したらしく、それを指摘した事を書き加え答えも2つ書いていた為、2点が加算されたのである。
ミカも満点でありながらこのことに気が付かなかった為、500点で2位という異例の結果に終わる。
「2人とも満点だったなんて…。しかもマキ先輩は満点以上の点を取るなんてめちゃくちゃにもほどがありますよ。」
「でしょメアリーちゃん、私は全ての回答を書き終えたときに、悪くても同着の1位だと思ってたんだけど、やっぱマキちゃんにはかなわないわ。」
「学園の試験じゃなく、全国の高校生の頂点て。。。」
「マキせんぱぃ、そんなに頭いいのにぃなんで小さいままなんですかねぇ。」
「身長は関係ないだろ!まったく。。」
転生者としてのマキにも驚かされるが、人間としてのマキにも誰もが驚かされた。
すでに2人共真欧大学に進学する事が決まっていたが、この模擬試験の結果を知ったいろんな大学から2人に誘いが殺到するのだが、2人はその誘いをすべて断ったのである。
中間試験や、模擬試験も終わりいよいよ待ちに待った『真欧祭』が訪れようとしているのだった。




