【180話】新たな競技
*****生徒会室*****
2学期も順調に日数を重ねたある日、生徒会室では体育祭の新たな競技について話し合いが行われていた。
ユキが作成した資料は『体育祭を盛り上げる新たな競技』について全生徒から意見を求める為に作られた資料で、それを元に各クラスそれぞれが生徒の意見をまとめ新たな競技について話し合い、クラス委員が生徒会室に報告に来る。というふうにユキが編み出した新たな手法である。
生徒会室に報告に訪れることができるという特典つきの為、1年生や2年生のクラス委員は張りきり、各クラス委員が率先して意見をまとめてそして報告に来る。
『コンコンコン』
「どうぞ。」
「し、失礼いたします。1年C組です。体育祭の競技について報告にきました。」
「はいはい、すわってすわって。」
生徒会室には会長のマキ、副会長ミカ、書記のユキの3人が次々に報告にくる生徒の意見をまとめていて、テーブルには紙がたくさん並べられていた。
「えっと、じゃあ1年C組で決まった競技を教えてもらえるかな。」
「は、はい。わ、わたしたちのクラスでは、後ろ向きで走る競技が面白いのはないかとクラス全員一致で報告にまいりました。」
「なるほど、それは面白い。」
(うわあ、城間会長が面白いって言ってくださった。)
報告に来た1年C組の生徒は、目の前にいるマキに釘付けで顔はすでに真っ赤であった。
「あ、あ、ありがとうございます。」
「いや、こちらこそありがとね。新たな種目に取り入れるかどうかはいろいろ精査してからになるから解らないけど、今年の体育祭は学園史上最高に盛り上げたいからね。」
「は、はい!すごく盛り上がるとおもいます。」
(城間会長がこんなにもたくさんこの私なんかにお話ししてくださってる。クラスの子達に自慢しちゃおっと。それに会長って近くで見るとすごくかわいらしいんだ。)いつも遠目で見るマキは格好いい印象だったが、間近で見るマキがかわいい事を知った1年生は幸せの絶頂だった。
「報告が終わったら教室へもどってもらえます?次の生徒が待ってますので。」
マキの事を見つめる1年生の生徒に冷たく言い放つのは書記であるユキだった。
「あっはい。すいません、でわ失礼します。」
1年生は慌てて立ちあがり生徒会室を後にした。
「ユキちゃんこわい。」
「ほんとユキって怖いわ。さっきの子1年生なんだからもっとやさしくしてやれよな。」
「えぇー、やさしくぅ言ったつもりですよぉ。」
「いや、話し方全く変わってるし。。。」
「ユキちゃんて、どっちが本物なのでしょう。」
「ミカせんぱぃまでぇそんなことゆぅなんてぇ。」
その後も数名の生徒が訪れ、報告に来るがマキに色目と使う生徒に対してはユキが冷たくあしらうなどしたが、順調に進んでいた。
1年A組を除いた全クラスの報告を受け、残るはその一クラスのみだった。
『コンコンコン!コン!』
「しつれいします。」
「あっミキちゃんだぁぁぁぁぁ」
ミキは1年A組のクラス委員だった為、他の生徒同様に報告にきたのだが、ミキが入室したと同時にユキが抱きついてきた。
「ユ、ユキせんぱい。」
ユキに抱きつかれ苦しそうなミキ。
「ユ、ユキちゃん、それじゃミキちゃんが報告できないよ。」
「あはは、ごめんねぇ。」
ユキが離れ、ほっとしたミキは報告を始める。学生寮では毎日のように抱きつかれている為、すっかり慣れているようだ。
「い、いえ。じゃあ報告しますね。1年A組は匍匐前進競争です服装も迷彩服を着て行う競技を提案します。では。」
「おい、ミキそれだけ?説明はないのか?」
「はあ説明?匍匐前進しながら進むだけよ。体操服は汚れるから学校で迷彩服を用意してそれをバトン代わりにするのよ。」
「なるほどね、迷彩服もすぐ着替えれるように改造すれば面白いかもしれませんね。」
「うんうん、そぅですよねぇ、おもしろそぅ。」
(なんでこの2人乗り気なんだろ…。)
「ちなみにこの意見て誰が出したの?」
「アースよ、あの子紛争地にいたから。」
「じゃあこの競技は新たな種目として取り入れ決定ね。」
「いや、ミカちゃん。迷彩服買わなきゃならないし。真欧祭なら寄付金もありけど、体育祭だからそんな予算ないよ。」
「大丈夫よ、だって理事長はミサキお姉様だし。それにミキちゃんのクラスの意見だって言えばお姉様はすぐに許可してくださるわ。」
「うう、そんなんでいいのだろうか。。」
「じゃあ私は教室にもどります。」
「はぁい、ミキちゃんまたねぇ。」
ミキは報告を終えると生徒会室を後にした。
1年生から3年生までの全クラスから提案された競技は15競技あり、その中から新たな競技5つを取り入れることとなった。




