【173話】魔界公園
カオスとディオに与えた罰から数日が過ぎ、ミカは魔王としての仕事を片付けてしまっていた。
その頃を見計らってかのように、ミサキが魔界にやってきたのだ。
「お姉様、人間界での用事はお済みになられたのですね。」
「う、うん。終わったよ、やっと解放されたよ。」
(まさか、魔界の仕事がめんどくさいから人間界で片付くのを待ってたなんて言えないもんね。)
「あっミサキねえさんだー。」
「マキちゃん、元気だった?」
「うん、元気だよ。」
「てゆうか、マキちゃん縮んでない?」
「もう、伸びてないだけで縮んでないよ。」
「そうだよね、マキちゃんは大きくならずにそのままでずっといてね。」
「ミカちゃん、あなた。。」
「あはは、だってマキちゃん小さくてかわいらしいんですもの。」
「ミカちゃんひどいよ。ミサキ姉さん、最近みんな私に対してひどいんだよ。一人で出掛けちゃいけないとか、カオスさんなんか、ずっと護衛するって言って離れないんだよ。」
「マキちゃん、それは仕方ないわよ。だって本当にかわいいんだから。カオスに限らずわたしもそうだし、みんなもそう思ってるわよ。」
「そ、そんなあ。みんなで子供扱いするんだから。」
と、ミサキとの再会を果たした三人はマキがかわいいという話題で盛り上がる。マキは話題を変えようと前から気になっていた事をミカに聞く。
「そういえばミカちゃん魔物専用の公園を作るみたいな事言ってたけど、あれってどうなったの?」
「え?ああ魔物公園と魔界公園のことかしら、それならすでに完成してますよ。」
「えええ!いつのまに?それに2つも公園があるんだ。」
「ええ、魔物の種類により区分けしてますから、言葉で説明するより実際いって確かめてみましょうか。」
3人はミカが考案した魔界公園の方へ見学に行くこととなった。魔界で絶対的な地位を持つ3人だったので姿は人間のままで、能力も抑え込んで魔界公園へと出発した。
○魔界公園と魔物公園
ミカは狩りなどが行える魔物公園と、狩りの対象外となる魔物を集めた魔界公園の2つの公園を各領土に設立することを義務付け、これにより駆除の対象でしかなかった魔物を手なずけペットにして飼うなど魔界では過去に考えもつかなかった事が魔界の全土で流行することとなる。
公園と言っても、数百キロの広大な土地なので、1日歩いてもどうにもならない。
「なんかすごいねここ。めちゃくちゃ広いよ。」
「元は魔物が生息していた森だし、危険種だけを駆除してあるだけで森はそのまま利用してるのよ。それにこの公園の目玉はなんといってもペットショップなの。」
嬉しそうに話すミカ、魔界公園と魔物公園の区分けからペットショップに至るまで全て自分一人で考えたので当然である。
「すごいわねミカちゃん魔物をペットにするなんて、魔界の誰も考えたこたがなかったわ。」
「それもこれも、お姉様が何千年もかけて平和な魔界を築き挙げたからこそです。」
「まあ、あちこちで反乱騒ぎが起きてるから平和とは言えないけどね。」
「それは人間界でも同様です。この魔界の広大さを考えれば些細な事です。」
「だよね、姉さんは本当に凄いよ。これからもマキを見捨てないでね。」
上目遣いで見つめられたミサキは、もの凄い笑顔だった。
そして3人は巨大でしかもかなり頑丈な建物の前に辿り着く。
「ここがペットショップなんだあ。めちゃく大きいね」
「よく短期間で、こんな凄い建物を築きあげたもんですよね。」
マキも驚いていたが、自ら考案したミカでさえ、短期間でできた巨大な建物に驚いていた。
「こんなの魔力さえあれば、私なら数分で造れるわよ。」
「魔力って身を守る事や攻撃をする以外にも使えるんですね。しかも数分て。」
「そうね、魔力を使って建物を建てたり移動したり出来るけど、その魔族の魔力の大きさにもよるからね。」
「姉さんほどの魔力だと、どれくらいの建物を建設することが可能なんですか?」
「わたし?うーん、今は造ったりしないから解らないけど、数千年前に建てた魔王城が最高かしら。」
「えっ、あれって姉さんが建てたんですか?」
「そうよ、その後の細かい増築は、勝手にやらせてるけどね。」
「お姉様、あれは建物と言うより、もはや領土の1つにも値しますよ。それを数千年前に建てられていたなんて。」
「ミカちゃん、もう姉さんは、私達の想像できる範囲とはかけ離れるから、驚いても仕方ないよ。」
「マキちゃん、それじゃあ私が化け物みたいじゃない。」
「それ以上だと思います。」
ペットショップの入り口には警備の魔族が建っていて、客を誘導していたのだが、並ばずに立ち止まっているミサキ達を見て近寄ってくる。
「あんたらはどうするんだ?入らないなら邪魔になるから他で話してくれないか。」
「あっ。すいません、今から入ります。」
「マキちゃんのせいで怒られたじゃない。」
「うんうん、そーだよ。マキちゃんだめだよー。」
「うう。ひどい。」
マキをいじりながら建物に入る3人。
入場するとパンフレットを渡されそれぞれが目を通し、どこから回るか相談する。
「凄いよ、数百種だってさ。」
「本当だわ。早くみてみたいね。」
「じゃあ、弱いのから順番に見にいきましょうか。」
このペットショップは、新たにできた施設でもある為、かなりの人気を誇っており客の数も相当だった。
警備も厳重で、あちこちに軍服を着た魔族が立っている。
(へえーちゃんと警備の人までいるんだ。)
まず最初に弱く世話のかからない魔物を見に行く。
【魔物エリア1】と書かれた場所がそうらしく、とくに扉なもなく自由に出入りができ大勢の魔族でにぎわっていた。
エリア内はすべてガラス張りで、直接魔物を手にすることができ長、気に行った魔物がいると中から係の者が出してくれるらしい。
「うわあ、かわいい!」
「これって、ウサギさんだね。」
「あっちには、ネコみたいなのがいるね。」
弱い魔物には、人間界でのイヌやネコによく似た魔物がガラスの向こう側に放し飼いにされていた。
ガラスの向こう側は魔物にストレスを与えないよう配慮されており、かなり広いスペースだ。
「このエリアないよりガラスの向こう側のほうが遥かに広いね。」
「そうよね、魔物からすれば私達の方が売られてるみたいだわ。」
人間界のように檻や箱などは一切なく、自然そのものの中で飼育されている為、ミカはとても満足そうだった。
「じゃあ次の魔物を見にいきましょうか。」
見慣れた動物に似た魔物だったので、3人は次のエリアに期待することにした。
【魔物エリア2】と【魔物エリア3】も比較的弱い魔物で狩りに行った時によく見かける魔物だったので3人は【魔物エリア4】へ向かった。
このエリアの入り口にはトビラがあり、警備員も薄めではあるが防護服を着用し扉の両サイドに2名立っている。
3人が中に入ると告げると、扉を開けてくれた。
「うわああああ!すっごいねここ。」
中に入った瞬間、目の前の光景に驚くマキ。
中は薄暗く、まるで水族館のように色鮮やかな魚のような魔物が通路の両側や天井に張られたガラスの向こうを自由に泳ぎ回っているのだ。
「ここにいる魔物は、水中で飼う魔物みたいだよ。」
「まるで水族館のようですわ。」
「グロい魚がいるし。」
「ほんとだ、でもさっきの所といい、人間界とあまり変わんないね。」
何を期待していたのかは謎だが、そう話すマキ。
「マキちゃん、そうでもないわよ。見てみなさい。」
「な、な、なにこれ!」
そこには人間界の水族館では決して見ることのできない超巨大魚がいた。それにタコに似た魔物などもいたが、色が黄色かったり足が50本だったり、吸盤ではなく鋭利な刃物のようなものが付いていたりと、物凄い種類の魔物であふれかえっていた。
(どうやってこんな大きな魚を飼うんだろ。)
「やはり、魔界はスケールが違いますね。」
「しかし、どうやって運んできたのでしょう。」
「こんな魔物が水中にいたんだね、ガイの領土の魔物だろうね。」
ミサキでさえ知らない魔物のようだった。
「ここにしても私達がいる場所は、巨大な水槽の中に小さな箱があってその箱の中から眺めているような感じだよね。」
(ほんと魔界ってすごいや。)
もはやペットショップではなく、水族館のような光景にマキやミカはとても嬉しそうだった。
そして、比較的強い魔物のエリアである【魔物エリア5】へと進む3人。このあたりになると客数はかなり減り、どちらかというと軍服姿の魔族が目立つようになる。
「なんか魔王軍の方が多いような気がしますが。」
「そうね、このあたりになるとペットにする魔物もかなり強くなるんじゃないかしら。」
「強い魔物をペットにしたら襲われそうなものですが。」
「たぶん、番犬代わりにするんじゃないかな?」
「それにしても、危険な気がしますが。」
強い魔物のエリアに、魔物の説明をする係りの者がいたので、尋ねることにした。
「あのー、ここの魔物って飼い主を襲ったりしないんですか?」
「それならご心配いりませんよ、この魔物は知能が高く、魔物自身が主と認めた魔族に対して絶対服従致しますので。」
「そうなんだー、すごいなあ。」
「ですが主となるには魔物以上の魔力がないと逆に襲われる可能性がありますので。」
「そうなんだ、どうもありがとう。」
マキが嬉しそうな表情でそう答えると、そのかわいい表情を見た係りの者の表情は緩みっぱなしだった。
このエリアの魔物は、人間界で例えればライオンや狼、虎など、獰猛な魔物がほとんであり見るからに危険そうだ。
ガラスもかなり分厚く強度のあるガラスで、いかに危険な魔物であるかを物語っていた。
「なんか食べらそうな気がします。」
「だね、しかし知能が高い魔物がいるんだね、知らなかったわ。」
ミサキは魔物は駆除の対象でしかなかった為、新たな発見をしたと嬉しそうだった。
そしていよいよ一番危険なエリア【魔物エリア6】へ進む3人。
だがエリアへ進む前にゲートがあり、そこにいた警部の魔族によりそこから進むことを断られる。
「ここは、かなりの魔力を持つもの以外は立ち入り禁止だ。」
「えー。どうしてですか?」
「かなり危険な魔物で、ガラス越しでも魔力を吸い取ってしまうからな。」
(そんなのどうやって飼うんだよ!)思わず口に出しそうになったマキ。
「だけどここまで来て引き返すなんてねえ。」
「そうですね、できれば拝見したいです。」
ミサキもミカも引き返す気はないようだ。
ミサキは魔力をほんの少し解放する。ほんの微量ではあるのだが警備の魔族は、その魔力の大きさに驚き出す。
「あ、あなたは将軍様か、それに値する都市の責任者の方でしょうか?」
「いえ、違います。ただどのような魔物がいるのか見に来ただけです。」
「そ、そうですか。ですがそちらのお二人は危険ですから、中へはお通しできませんがよろしいでしょうか?」
「ご心配なく、私が守りますので。」
かなりの魔力の持ち主だと判断した警備の魔族は、態度を改めミサキに丁寧に対応する。自分達より遥かに大きな魔力を持つ者に対して、この魔界では当然のことである。
「わかりました、ではこちらからお進みください。」
3人はゲートを潜り抜け入り口へと案内される。安全を考慮してか、かなり頑丈な鉄の扉だった。それに警備にあたる魔族の服装はとても分厚い防護服のようなものを着込んでいた。
それに対し3人はドレスに短パン、スカート、シャツなどといった軽装でありミサキに関してはさきほどの魔力の大きさからして大丈夫だろうと思われるが、後の2人は扉を潜り抜けた瞬間消滅してしまうだろうと思われていた。
「じゃあ、いきましょうか。」
「はーい。」
「わーい、どんなのがいるんだろう。楽しみだ。」
扉が開かれ中へ入る3人、室内は先程見てきた部屋となんらかわりなくとてつもなく広い部屋で、警備の魔族が防具を着こんで一定の距離を置いて立っていた。万が一に備えてのことだろうが、安全面から考えるととてもいいことだとミサキは感心していた。
その中に突然、普通の姿の3人の女の子が防具も付けずに入ってきたのを見て、中にいた警備の魔族の表情は驚いていた。
部屋内にはとてつもない魔力が漂っているのだが、3人は全く気にもなっていない。
他の部屋と同じように、強化ガラスの向こう側に魔物が何体もいるのが解る。それにこのエリア内には3人以外誰も客の姿はなかった。
中に入りキョロキョロしていると他の警備の魔族とは違い、きちんとした服装で誰かが入ってきた。
「ようこそいらっしゃいました。私がこのショップの支配人でございます。お気に入りの魔物がございましたらお声をおかけくださいませ。」
丁寧にあいさつをする支配人と名乗る魔族は、かなりの魔力の持ち主であるのか防護服は着ていなかった。
「ご丁寧にありがとうございます。では拝見させていただきますね。」
マキもミサキもすでにあちこち見てまわっている為、ミカが代表して支配人に対応する。
「うわっ、でかっ。」
「あれって、闇狼じゃない?」
「あそこには竜の小さいのがいる。」
どれも危険種に指定されている魔物ばかりである。
「これってペットにできるの?全部狩り行った時に倒してる魔物ばかりだけど。」
マキがミカと話していると支配人が現れ即座に説明を始める。
「ここにいる魔物は将軍様クラスの方々が、お買い求めになられ、治安維持の為に連れて行かれるとお聞きしております。魔力により従わせ、大変かわいがると懐くそうです。」
(なるほど、それでここにはお客様がいらっしゃらないのですね。)
「へえー、竜も小さければ飼う事ができるんだ。」
「ですが、まだ竜をお買い求めになられた方はいらっしゃいません。闇狼がほとんでございます。」
「そうなんだ、じゃあ私は竜を飼おうかな。」
虹色の髪にピンクのドレスを着たかわいらしい女の子が、そんなことを口にする為、支配人は笑いながら答える。
「あはは、お嬢様にはとてもとても飼いならせる魔物ではありませんよ、何度か将軍様や大将軍様がお試しになられましたが、竜の持つ膨大な魔力に全てはじかれてしまいましたから。」
(じゃあ、なんでここに置いてるんだよ!)と、また突っ込みたくなるマキ。
「では、この子が手なずけてしまったら、そのまま竜を持ちかえってもいいかしら?」
「ええ、よろしいですよ。支配人であるわたしが保証します。」
「マキちゃん、手なずけたら持って帰ってもいいそうよ。」
「マキちゃんがんばって!」
「うん、じゃあこのちっこい竜さんにするね。」
ガラスから部屋に一体の小さな竜が連れてこられる。すでに竜からは魔力は凄まじい程放出されていた。室内にいた警備の魔族と、入口付近にいた警備の魔族まで集まってきたのだ。
竜を連れてきたにもかかわらずミサキを除いた2人が先程までと変わった様子もなく平然としていたので、支配人は入り口で警備にあたっていた魔族に尋ねる。
「あの女の子は何者なんだ?特に魔力を防御する衣服でもなさそうだが。」
「はい、あの一際目立つ魔力の女性が、残りの2人を魔力でカバーしているものと思われます。」
責任者と会話する警備の魔族、将軍でも大将軍でもない魔族なのだが、魔力の大きさが半端ではないことに気が付く。
(まずいな、あの女の手助けがあれば、手なずけてしまうかもしれん。)
「あの、そちらの女性の方の手助けなしで、手なずけていただけら竜は差し上げますので。」
支配人はミサキにそう告げる。元々ミサキの手助けの必要もなかった為、マキはわかりましたと答える。
「わたしが手助けしていると思われるのも嫌だから、少し離れているわね。マキちゃんがんばってね。」
「はーい姉さん、この竜ちゃんかわいいから是非わたしの仲間になってもらいます。」
「がんばれーマキちゃん。」
部屋の中央にはマキと竜、それを取り囲むように、警備の魔族や、支配人がじっと見守っている、万が一に備えてのこともあるのだろう。ミサキとミカは少し離れた場所でその様子を見守っていた。
(ここの警備はすばらしいわ。あのようにマキちゃんになにかあってはいけないといつでも魔物を抑え込める準備までなさっていますし。)ミカはこのペットショップの支配人のやり方がとても気に入ってしまった。
そしていよいよマキが手なずける為に竜に歩み寄る。
「よしよし、いいこいいこ。わたしの友達になろうね。」
手を竜の頭にあて、撫でるしぐさを見せると、竜はマキに寄り添いだした。
一瞬にして服従してしまったのだ。
「こ、こんなことが…。」
責任者は青ざめている。これまで何度も将軍や大将軍が挑戦したにも関わらず、竜を手なずけることはできなかったのだが、今目の前で小さな女の子が簡単に手なずけてしまったのだ。
「おじさん、この竜は青なの赤なの?」
手なずけた竜は色が白く、なんの竜か解らなかったので尋ねるマキ。
「は、はい。え、えっと。ああ竜ですね、それは成長してみないと解りません。」
激しく動揺する支配人、どうやら竜は水、火、雷、のどの竜に成長するのかは解らないらしい。
「そっか、まあどれでもいいや、竜ちゃんよろしくね。」
竜はマキに巻きつき、すっかりマキの事が気に入ってるように伺える。約束通り、竜を手に入れたマキ達3人は、我に返った責任者や、見ていた警備の魔族達から、すごいですとか参りましたとか言われ、そのまま帰ろうとしていたのだが。
以前から竜を手なずけようと躍起になっていた大将軍が、たまたま今日も来ていて、今このエリア内で竜を手なずけている者がいる事を知り、配下を引き連れ室内に飛び込んできた。
「りゅ、竜を手なずけただと!それはどこかの都市の将軍か、それとも大将軍か!まさか副司令官様ではないだろうな。」
さすがに副司令官だと仕方ないと思ったのか、念のため聞いてみた大将軍、そもそも副司令官クラスになると強力な魔物など必要ないのだが。
「これは大将軍様、ようこそお越し下さいました。」
「あの竜をてなづけた者がいると聞いてやってきたんだが。」
一斉に跪く魔族、3人は立ったままだった。
支配人が答えようとする前に大将軍と共に現れた配下の魔族がミサキ達が立ったままであることに気が付き大声で叫び出した。
「おい、貴様ら!大将軍様がお見えであるぞ!なぜ跪かん!」
怒鳴り声が聞こえるが気にしない3人。
その3人の方大将軍も視線を向けるが、そのうち2人は普通の魔族にしか見えなかったのだが、竜と遊んでいる女の子の髪の色を見た瞬間表情が激変する。
(あの髪の色といい背丈といい、魔界四天王であるマキ様では?それに一緒におられるあの2人も同じく魔界四天王の方々では…)
この大将軍は魔王城に仕える大将軍だったため、一度マキの姿を見ている。もし今目の前にいるのがマキであれば大変な事である為に念の為に確認する。
「ま、まさかあなた様は…」
大将軍の表情が変化したことに気が付いたマキは話しかけられる前に話し出す。
「大将軍様、この竜は私がいただいたわ。フフフ」
そう言い残すと、3人はその場から姿を消した。このままその場にいれば大騒ぎになってしまうから気を使って退散したのである。
その後、竜がいた部屋に残された大将軍は、支配人や配下の者に先程いたのは魔界四天王の方々だと伝えたのだが、誰にも信じてもらえなかった。
その後ミサキ達が訪れたペットショップでは竜を手なずけた女の子がいる噂が広まり、魔界全土にあるどの魔界公園よりも人気の店となり連日大勢の魔族でにぎわうこととなった。
最も捕らえにくく、しかも高価な竜は無料で持って帰られてしまったが、それ以上儲かることになったのだ。




