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てんせい☆  作者: MAKI
170/230

【170話】魔界四天王マキ2

*****カオス城*****



マキを闘技場に一人残したまま、カオス直属の部下達はカオス城に戻ってきた。


カオスやディオは領土内の視察に出かけておりまだ戻ってきていない。



そして5人の部下達は城内にある自分達の集まる部屋にいた。


「今頃あのガキ消えてなくなっちまってるよな。」


「うむ、カオス様に子守りなどをさせた償いだと思えばよいではないか。」


「だな、後はカオス様が戻ってこられたら事情を説明すればたいしてお咎めもないだろう。」


「そうだな、はっはっはっはっは。」


5人の部下はとても満足そうに笑顔でそう話していた。



しばらくするとカオスとディオが揃って城に戻ってきた。



「ディオよ、今度はマキさんも連れてあちこち行った方がいいかもしれんな。」


「うむ、今日は自由行動させておいたんだから嫌とは言わないだろう。」


「だな、魔界四天王としてマキさんにはもっとしっかりしてまらわないとな。」


本当なら領土内の視察にマキも同行させたかったのだが、遊びが優先のマキを気遣い初日は自由に行動してもらい2日目から一緒に領土内の視察に行こうと思っていたカオス。


カオスを出迎える為に現れた直属の部下達。


「カオス様、おかえりなさいませ。」


跪きそう告げる。


「うむ出迎えご苦労。どうだマキさんは満足されたか?」


「はっ、そのことですが。闘技場へとご案内致しました。」


「ほう、荒くれ魔族がいる都市か、ではマキさんも退屈しなくて済んだようだな。」


(ん、てっきりあんな危険な都市へ行くとは!と叱責されるかと思えば喜んでらっしゃるようだ。やはりカオス様も事故でも起きないかと思われているようだな。)


「それがですね、魔界四天王マキ様自ら志願され、自ら闘いたいとおっしゃられましたので我ら全員で必死にお引止めしたのですが…。」


「ほう、そうかそうか。まあ、マキさんなら仕方あるまい。で、どうだった?」


物凄い笑顔で部下達に話の続きを促すカオスその隣にいるディオの表情もかなりの笑顔だ。


(やはりカオス様もディオ様も我々の意図をお察しくださっておられるようだ。)横で同じように跪く部下に目配せをしうまくいきそうだといわんばかりの表情をする。


「そ、それが、あの闘技場の一番のつわものによりマキ様は…マキ様は。」


「やはり、あの闘技場は危険すぎました。我らがもっとお引止めしていれば…。」


部下は言葉を詰まらせ言いにくそうにする。そして部下全員下を向き悲しそうな表情を見せる。


(これで我らが疑われる事もなくあの魔界四天王とやらを始末したところで無事解決ということだ。)表情とは裏腹にいまにも笑みがこぼれそうな部下。


「ん?マキさんがどうなったのだ?はっきり言わぬか!」


(そうか、カオス様は我らの口からはっきりとしたお答えをまっておられるのか。私としたことが。)


「はっ、マキ様は消滅し、決闘は終わりました。」


(これでカオス様もご安心なされるであろう。もしかしたらお褒めの言葉もいただけるかもしれないな。)そう思っていたのだが、カオスの口からは予想もしなかった言葉が。


「お主ら、一体何を企んでおる。」


カオスの表情は激変し、隣にいるディオさえもその表情はいますぐにでも自分達を消滅させようと思えるほどであった。


「なぜ応えん!」


あまりにもカオスの表情が恐ろしい為、言葉が出なくなり5人はその場に固まったままだ。


(やはりこいつらもマキさんの実力も解らずに始末しようとしていたんだな。)


「カ、カオス様、われらは何も…。」


何か言わないと消滅させられそうな気がした一人の部下が小さな声でそう告げる。


「もうよい、お主らは部屋に戻れ!ディオすまぬがこいつらを見張っていてくれぬか。妙な行動を起せば始末してかまわん。わしはマキさんのところへ向かう。こいつらには戻り次第処分を言い渡す。」


「わかった。」


部下の見張りを頼まれ返事をしたディオだったが、その表情はカオス同様恐ろしい表情に豹変していた。


カオスは怒りを抑えディオに見張りを頼みマキのいる都市へ瞬間移動しその場から消えた。




*****闘技場のある都市*****




カオスが都市に移動してきた頃には、すでに都市は存在しなかった。



(やはりこうなるわな。)


「奴らめ、くだらんことを企てよって。治安が悪かったとは言え歴史ある都市が一つ無くなってしもうたわい。一体マキさんはどこに…。」


すでに都市だった場所は更地になっており魔族の気配も一切ない。


カオスは辺りを見回すがマキの姿はどこにもない。


(しかし都市丸ごと吹き飛ばしてしまうとは。奴らはマキさんに何をしたんだ。)


カオスがそう考えていると目の前に虹色の粒子が現れそこからマキが姿を現した。


「カ、カオスさん…ごめんなさい。あれだけの魔力が…そ、その、一度に襲ってきちゃったからどうしようもなくて。本当に…本当にごめんなさい。」


マキは都市を消滅させてしまった事とカオスの部下5人まで巻き添えにしたことでカオスに合わせる顔がなく一人この場から動けなくなっていた。


するといきなりカオスが現れた為咄嗟に身を隠したが、ここは素直に謝ろうと思い姿を現したのだった。


「マキさんご無事でなによりです。一体ここで何があったのですか?」


(魔力が一度に襲ってきたとは。一体どういうことだ?)


「あ、あのね、ここにあった闘技場で闘いが観戦できるからって案内してもらったの、そしたら何故か出場することになっちゃって…。」


マキがこの消滅した都市内で起こった出来事をカオスに話し出した。


部下が城へ戻った後、一人残されたマキは対戦相手であるボルグと何故か闘うことになってしまいほんの数秒で倒してしまったらしい。

すると今度は複数の強そうな魔族が現れいきなり襲い掛かるがまたしても倒してしまったらしくたいして能力も使わず倒した事により見ていた観客がこれは八百長だと激高し観客席から一斉に襲い掛かってきたということだった。


観客も普通の魔族ではなく荒くれ者や魔力の大きな魔族しかいなかった為、数十万の魔族の魔力が一度にマキに集中してしまいマキもそれに対抗する能力を発動したところ都市ごと消滅してしまったというわけだ。


この数十万の魔族の1人あたりの魔力は普通の都市に住んでいる魔族の魔力の数百倍にも達する為、マキが消滅させてしまった都市は、数千から数万の都市を消滅させたことと同じであった。


(わしの部下がマキさんを始末しようと企んでいたわけだな。それが逆にこのような結果に終わったというわけか。)


カオスは部下に話を聞いていたがマキが話す内容と部下から聞いた内容が食い違う為そう察する。


「マキさん、謝る必要はございません。むしろこちらが謝罪しなければならないのですから。」


「ううん、それは違うよ、だって、だってカオスさんの大事な仲間の5人の魔族さん達までわたしのせいで…わたしの…せい…で。ぐすん。…ひっく…ひっく。。」


マキはカオスの部下まで巻き添えにしてしまったと思い込んでいるようだ。そして泣きながらカオスにひたすら謝る。


(マキさんにこのような思いをさせてしまうなんてわしは配下として失格だな。)


カオスはマキが泣く姿を見て、自分が情けなくなった。


「マキ様、どうかお顔をお上げ下さい。それに部下は生きております。今からわたしと城へ戻り、本当の事を伝えます。」


「え?ど、どういうこと?」


カオスは真剣な表情でマキに手を差し伸べ、マキは涙をぬぐいカオスの手を取り一緒に城へと戻ることとなった。



*****カオス城*****



カオスとマキが城へ帰ってきた。


マキの表情は沈んだままだ。


ディオに見張らせている部下のいる部屋へ向かうカオスとマキ。


「マキさん、これから部屋で起こる出来事は何も言わず黙って見ていてください。」


そう告げたカオスの表情はいままで見たこともないくらい怒りで満ち溢れていた。


(やっぱりカオスさん怒ってる。でも部下の人たちが生きてるってどういうことなんだろ。)


そして部屋まで辿り着くカオスが戻ってきたためディオがカオスに近寄るが、その表情を見た瞬間言葉を掛けるのをやめる。

その後ろではマキが今にも泣き出しそうな表情でカオスの後を付いていっているのが目に付いた。


(カオスのあの顔は、かなり怒っているときの表情だ。それにマキさんが泣き出しそうな顔をしているが一体何があったのだ。)


カオスが帰還し部屋に入ると一斉に部下は跪いた。そして後ろからとことこと歩いてきたマキを見て5人は驚く。


「な、なぜ生きて…。」


つい口走ってしまった言葉にカオスが反応する。


「生きていたら困るのか!貴様!一体マキ様になにをする気だったんだ!」


「カ、カオスさん。みんな、みんな生きてたんだね。よかった。」


マキはカオスの部下が生きていたことに安堵し嬉しそうな表情を見せる。


だがカオスの怒りは収まらず、部下の一人に全てを話すように促す。


どちらにしても処刑されるのがわかっていた為、リーダー的な存在だった部下の一人が全てを包み隠さず話し出した。


その話をマキも黙って聞いていた。


「そういうことか、わしらの主であるマキさんは、わしらが魔王閣下に頼み込んで配下にしていただいたのだ!それをお主らは。」


「確かに見た目はかわいらしい女の子にしか見えんが、わしら2人がかりでもどうにもならんくらい強いお方だ。まあお主等に理解しろというのがムリだろうがな。」


怒るカオスに付け足すようにディオが言い放つ。


「どちらにしてもこの責任は重い。お主等の命で償うがいい。」


そう告げるとカオスはおびただしい魔力を発動し5人に向かって攻撃した。


5人の部下はそのおびただしい魔力を見た瞬間、覚悟を決めた。


「カオスさん!やめてよ!」


だが、マキがすばやく5人の部下の前に立ちふさがりカオスの魔力を無力化してしまう。


「マキさん…そこから離れてください。これはもはや許されることではございませぬ。」


「カオスさん、せっかく部下の方たちがこうして生きているのになんでそんな事をするの!」


「ですが、この者達はあろうことか我らの主であるマキ様の命を狙おうと。」


「だってこの人たちはカオスさんの部下でしょ、それに今回のことだってカオスさんの事を思ったからこそやったことじゃんか!それなのになんで攻撃するの!」


「マキさんはここの領主でありさらには魔界の四天王であり…」


「わたしはカオスさんやディオさんを配下だと思ったこともないし、領主なんてなった覚えもない!カオスさんやディオさんは友達だっていったのに!それなのに…それなのに…」


マキの目からは大量の涙が流れ頬を伝うのが解る。

目は真剣でカオスもその真剣なマキの訴えにそれ以上なにも言えなくなってしまった。


「わかりました。マキさんがそうおっしゃるのなら。」


「カオス、とにかくマキさんも無事だった事だしマキさんがいいって言うならそれでいいではないか。」


ディオもカオスにそう告げるカオスはようやく普通の表情に戻る。


部下の5人は呆然としたままだった。


「で、マキさんと闘った相手はどうなったんだ?」


ディオは都市が消滅したことを知らない為、聞いてみた。


「そ、それが、この部下どもがいらぬ事を企てたおかげで都市が一つ消えてなくなってしもうたわい。」


(な、なんだと。あの都市の魔力は普通の都市の何千倍、いや何万倍もの魔力が集結しているはずだ、それを消してしまうとは。。。。)


ディオは聞くんじゃなかったと後悔した。部下5人はなんの事か意味がわからなかったが後日自らの目で確かめマキが魔王の知り合いだから今の地位にあるのではなく真の実力があるからこそ魔界四天王と呼ばれていることを思い知らされる。


そして落ち着いたカオスからも事情を聞きマキが自分を殺そうとした部下5人をかばった事も聞かされディオは心底マキが主でよかったと思った。


部下5人はマキからのお願いもあり処罰は与えられずその後カオスやマキに心から忠誠を誓い責務を果すことを約束しこの件は収束した。

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