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てんせい☆  作者: MAKI
166/230

【166話】魔王ミカの権限

*****魔王城(ミカの部屋)*****



「魔王閣下!ミーナ只今戻りました。」


「同じくアイリ戻りました!」


魔王軍総司令官の2人は、ミカが待っている部屋に意気揚々と戻ってきた。


「ミーナ様、アイリ様、お勤め御苦労さまです。」


大規模な鎮圧と聞いていた為、労いの言葉をかける。総司令官2名揃って鎮圧に向かわなければならない反乱だったということは、相当な数の反乱軍がいたと思われた。


「ミカ様、ありがとうございます。少々手間取りましたが無事鎮圧することができました。」


「今回はアイリが新たな処刑方法を考えたと聞き、処刑はアイリの指示で無事執り行われました。」


うれしそうに報告するミーナ、いままでも処刑や処罰を下した事後報告は受けてきたが、2人の趣味が拷問や処刑であることを聞いていたので、同じ報告でも内容がかなり違って聞きとれてしまう。


「そ、そうですか。新たな処刑方法とは一体どのような方法なのでしょうか。」


本来聞きたくないのだが、念のために聞いておこうとするミカ。アイリはすでに勘違いし嬉しそうに話しだす。


「はっ、今回からは反乱者を食べさせる魔物を変更し、その反乱の規模に対し、魔物の種類をかえて処刑しております。」


アイリの説明では、大規模な反乱を起こし、都市に与えた損害に応じて反乱者に与える苦痛を倍増させるため新たな魔物を数種類揃えたらしい。


いままでは適当に死なない程度バラバラにし、その辺にいる魔物のエサにしていたらしいが、今回からは、柱などに括りつけ、足元に小さな魔物をバラ巻き時間を掛けて襲わせたり、棺の中に反乱者を入れ魔虫を大量に放り込んだりと、どれも精神的、肉体的苦痛を伴う処刑方法だった。


いままでと違う点は、拷問による体の切断が行われなくなったことが挙げられる。だがそれに代わる拷問方法も現在ミーナが思案中だと聞かされた。


魔虫が苦手なミカは想像しただけで気分が悪くなる。だが表情には出さず、かといってその処刑方法を認めるわけでもない。


(どうしたらよいのか。ミリア様からアドバイスはいただいたものの私には新たな処刑方法など思いもつきません。)


困り果てたミカ、だがその時寒冷地から帰還してきたマキが部屋を訪れたカオスとディオも一緒だった。


「ミカちゃーん、たっだいまあ。」


「魔王閣下!只今戻りました。」


いつもの短パンとかわいい絵が描かれたシャツ姿で入ってきたマキ、カオスとディオは総司令官らしい軍服姿で跪く。


「マキちゃんおかえりなさい。カオス様にディオ様もようこそお越し下さいました。」


ミーナとアイリはマキを見て慌てて跪くが、そんなのしなくていいとマキに言われ立ち上がってマキを出迎える。


「マキ様、ようこそいらっしゃいました。どうぞお座り下さいませ。」


ミーナに言われソファーに座るマキ、カオスとディオも座らせた。


「ミーナさん、アイリさんそんなところで立ってないで座ったら?」


「そ、そんな私共がマキ様と同じように座るなんて恐れ多くて…。」


ミカに言われると座るのに、なぜかマキに言われても断る2人。

ミーナとアイリはマキの事がミリアと同じく恐ろしくて仕方なかったのだ。


「ミーナ、ミリア、マキさんが座れといっとるんじゃ、座ったらどうだ?」


カオスにも言われ渋々座る2人、ちゃっかりミカの両サイドに座っている。


「マキちゃん、罰ゲームは終わったの?」


「うん終わったよ。結構おもしろかったねカオスさん、ディオさん。」


「まさか総司令官になってから牢にぶち込まれるとは。」


「うむ、まったくじゃ。」


「はい?牢…ですか。」


ミカ達には意味が全く解らない、なのでカオスは寒冷地で起こった出来事をミカ達に話し出した。


「あはははは、それは面白いですねー。」


「しかしガイとリードも気がつかなかっただなんて。」


「きっとマキ様がかわいらしくてわかんなかったのですね。」


大笑いするミカ達3人。ミーナとアイリもだいぶ表情から緊張が解けてきた。


「んで、ミカちゃん達はここでなにか話してたの?」


ミーナとアイリと何を話してたんだろうと思ったマキがミカに問いかける。


「はい、反乱軍を鎮圧したご報告を受けておりました。」


「そうなんだ、反乱軍てこの前ミカちゃんが消滅させちゃったんじゃないの?」


「マキ様、この魔界には毎日のように反乱がございます。あのような大規模反乱はめったにないケースでしたが、小規模な反乱は今もどこかで起こってございます。」


よくわかってなさそうなマキにアイリが説明する。


「そうだったんだ、ミーナさんもアイリさんも大変なんだね。それに比べてこの2人は遊んでばかりで…。」


横目でカオスとディオを見るマキ。実際ほとんど配下にまかせ魔王城から出ない2人は言い返す言葉がなかった。


「マキちゃん、カオス様とディオ様はこの魔王城を守ってくださっているのですよ。そんな言い方は失礼です。」


「さすがミカ様、どこかのおちびさんとは大違いです。」


「うむ、わしら会うたびにいじめられておるしの。」


「ミカ様、マキ様のおっしゃっていることは事実ですので、あまりカオスやディオのことを褒めないでください。」


意外な事にアイリがマキの味方をした。実際魔王城には警護は必要ないのだ、なぜなら総司令官が待機するのが魔王城であり、常時どこかの領土の総司令官がいる為である。それに城専属の副司令官も配備されていて、もしどこかの領土が襲ってきてもなんなく処理することができる程でもある。


領土は8つあるが、魔王城自体の大きさは8つの領土より広いため、9つ目の領土でもあった。


「ミカちゃん、アイリさんの言う通り、この2人は遊んでばかりなんだってば。」


「そ、そうなのですか。ですがカオス様やディオ様は、その存在こそがこの魔界に平和をもたらせるいわば象徴かと。」


(だめだこりゃ。話題を元に戻さないと。)


ミカも頑固な為、マキはこれ以上言うのをやめ先程の反乱軍の事に話を戻す。


「で、その反乱軍の鎮圧って、やはりミーナさんやアイリさんの魔力で反乱軍を消滅させちゃうの?」


「いえ、マキ様そんな簡単に鎮圧してしまうと、反乱軍はどんどん増えるばかりです。ですから、反乱軍に恐怖を与え反乱する気力を無くすため拷問や処刑方法を工夫しております。」


「そうなんだ。やっぱそうでもしないことには反乱は収まらないんだね。」


実力が全ての魔界ではそれくらいしないと統治できないんだろうと思うマキだがミカの表情がすぐれない。


「ミカちゃん、どうしたの?」


「えっ、いえ。なんでも…。」


なんでもないと言うミカだがあきらかになにかがありそうだ。カオスはそれがなにかを察していた。


「ミカ様は天界の聖天使様でもありますので、反乱軍を拷問したり処刑したりする行為に疑問を抱かれているのではございませんか?」


(あっ。。。)


マキはカオスの言葉を聞き理由が解った。それと同時にかなりの精神的ダメージがマキを襲った。


(そういえばそうだわ。ミカ様は天界の聖天使様でもあられるお方。私達はなんてことを…。)


ミーナやアイリにしても自分達が得意気に話していた事が天界からきたミカにとっては苦痛でしかなかったことに今やっと気が付いた。


「ミ、ミカ様、私はとんでもなく愚かでございました。ミカ様のお気持ちも考えず嬉しそうに拷問が趣味などと話してしまい申し訳ございません。」


(なんて私はバカだったんだろう、少し考えれば解る事じゃない。)


ミーナは慌てて床に頭をつけ謝罪する。もちろんアイリもだ。憧れの存在でもあり尊敬するミカを苦しめてしまった事に涙を流し後悔する。


「いえ、ミーナ様アイリ様。お二人は総司令官の責務を果たしたにすぎません。これも私の考えが甘いためでありお二人はなにも悪くないのですから。」


だが、ミカはここが魔界である以上、処刑や処罰は仕方ないと思っている。だがその処刑方法が問題なのだがそれは自分が天界の天使であるためそう思うだけで、魔族である2人は無関係であり自分の意見は単なる押し付けに過ぎないと思った。


「ミカ様、アイリとミーナにきちんとどうされたいのか、どうしたいのかを伝えないといけません。」


「ですが…。」


「ミカ様は、この魔界の魔王閣下ですぞ。いわばこの魔界での決まりごとは全てミカ様に委ねられておるのです。変えなければならないところはきちんと変えていかなければなりません。」


(カオスさんがカオスさんらしくない事を言っている。)マキは少し驚いていた。


「解りました。私のせいでミーナ様やアイリ様にこのような謝罪までさせてしまった事をお詫び致します。それとカオス様のおっしゃれる通りです。私は魔王としての責務を果たせておりませんでした。」


「いえ、わたしのほうこそ魔王閣下に意見するなど死に値する非礼でございます。」


「とんでもございませんカオス様今後ともよいお知恵をお与えくださいませ。それと先程の反乱軍の鎮圧方法は、ミーナ様、アイリ様と話し合いお互いの意見を交わしたうえで改めてご連絡致します。」


(やはり、ミカ様はすばらしいお方じゃ、本来勝手にきめてしまえばいいものを、意見を交わした上で決めるとおっしゃられておられる。)


こうしてミカの抱える問題は解決したと思われていたが。


「えっと。。。問題解決みたいですね。。。」


全く蚊帳の外であったマキがそう呟く。少し放心状態だ。


「マキちゃんも心配かけてごめんなさいね。でもカオス様のおかげで助かりました。それにミリア様にもアドバイスをいただき総司令官の重鎮の方々には本当に感謝しております。」


「う、うん、よかったよミカちゃん。わたしはなにもしてないけど。。。」


「たしかになにもしておらんな。」


「それにマキさんは出番がなく悔しそうですな。」


カオスとディオが言わなくていい事を言ってしまう。

ここぞとばかりに普段いじめられている仕返しをしている様子だった。


マキは10万のダメージを負った。


「うっ。」


「ディオそう言うな、遊びまわっているだけの我らもなにか役に立たないとな。」


さらに追い打ちをかけるカオス。さらに100万のダメージを負ったマキ。


そのやりとりを見て笑いだすミカ、ミーナとアイリも掛け合い漫才のような光景におもわず笑みがこぼれた。


いつもならここで、マキが2人にお仕置きするのが今までのパターンだったが今回は違った。




「ぐすっ…ひっく。えぇーん…えーん。」



なんとマキは泣きだしてしまったのだ。その姿は小学生くらいの女の子が泣いてる姿にしか見えない。手で両目を覆いながら泣く姿はとても魔界四天王とは思えない。


全く予想もしなかった事態に驚く4人、その泣く姿をみるととんでもない罪悪感に襲われた。この光景を誰かが見ると、大人4人が小さな女の子を泣かせたようにしか映らないからだ。


「ま、まさか、泣いてしまうとは…。」


「マ、マキちゃん。。。泣かないで。」


「どう考えてもカオスとディオのせいだな。」


ミカの事を一番解っているはずの自分が何も察してあげられず、カオスがミカの気持ちを察し、解決へと導いた事がよほど悔しかったらしく、ミカの胸に飛び込み泣きまくっていた。


「ミカちゃん、えーんえーん…ごめん…ネ…えーん。」


(マキちゃん、よほど悔しかったのね、それにしてもかわいらしいわ。今日はわたしの部屋で一緒に過ごそうかしら。)ミカは少しあぶない妄想を走らせながら泣いているマキの頭を撫でる。


なんとか泣きやまそうとカオスとディオはマキさんかわいいとか、その服似合ってるとか話しかけるが泣きやまない。


ミーナとアイリはマキの泣く姿がとてもツボにはまったらしく、ニヤニヤしながら見守っていた。


(マキ様ってこんなにかわいかったなんて。)


(うわああかわいいいいい。ヤバイわ、なにこの感覚!)


普通にしていると、とんでもないほどかわいい美少女のマキなので、マキが泣いているのにもかかわらず、この部屋にいる者全員の表情が緩みまくっていた。




そして翌日、緊急会議が行われた。


魔王ミカと魔王軍総司令官であるミーナとアイリの3人で今後魔界で犯罪者や反乱者に対する処刑方法や刑罰などが話し合われた。


ミカが天界の聖天使であることと、自分達の趣味のせいでミカを悩ませていたことも考慮し、ミーナとアイリは今後二度と拷問や残酷な処刑方法を思いつくことも実行することもなくり反乱者に対しては被害に応じた刑罰を与えることが決まった。


これは魔王ミサが不在の為魔王代理であるミカが下した魔界での新たな決定事項となり、魔界全土で反乱者や犯罪者に対して行う刑罰を統一することとなった。


軽犯罪者などは魔族が生活するのに厳しい環境にある領地域に強制労働が強いられる例えば寒冷地や灼熱地のような場所である。


重犯罪者は罪の重さに応じその都度強制労働や処刑が非公開で行われるように変更された。見せしめなどの残虐な処刑は一切行われなくなったのだ。


あくまで捕らえられた者や捕らえる側よりも魔力が大きくその場で消滅させる事が不可能な場合に後ほど執り行われる刑罰であり、反乱軍の場合、ほとんどがその場で消滅させられるのだった。



*****総司令官室*****



各領土の総司令官が勢ぞろいする中、カオスが総司令官を代表して魔王閣下自らが新たに作成した魔界での決定事項を説明する。


「以上が魔王閣下ミカ様により新たに定められる事となった刑罰だ。だれか異議申し立てのある者はいないか?。」


本来異議申し立てなど聞かなくてもいいのだがミカが皆様のご意見も是非聞いていただいた上でとカオスに念を押した為カオスは全ての説明が終わってから反対する者がいるならばその意見を聞こうと思い全員に確認する。


「私達は魔王閣下の決定事項に従うまでです。」


「異議なし!」


「そうだな、俺もなんの問題もない。」


ミーナとアイリは反対意見も出なかった為嬉しそうだった。

ミカと話合いミーナ達の意見も取り入れ作成された新たな刑罰だから尚更だった。


「では、それぞれの領土で徹底するように。」


カオスがそう締めくくり総司令官による会議は終了した。


「これでミカ様も安心ね。」


ミリアがミーナとアイリに声をかける。


「ミリア、あなたのおかげでミカ様の不安がなくなったわ。本当に感謝してるわ。」


「いえ、わたしはなにもしてないわ。全てあなたたちの努力によるものよ。」


ミーナとアイリはミリアに深々と頭を下げた。


(ほう、あの二人が。)


いままで見たこともない総司令官同士の仲間意識が高まった事にカオスは笑顔だった。


以前の総司令官室はそれぞれが自分が総司令官の中で一番優れていると思うものばかりだった。

同じ地位にありながら敵対意識がありミーナとアイリがかつて犬猿の仲であったようにカオスを除いた全員がお互いを敵とみなしていた。


だが、転生者の出現により最初は不満もあったが徐々に緩和しあの犬猿の仲だったミーナとアイリでさえ仲良くなってしまったのだ。


さらに今回の出来事によりいままであまり会話のなかったミリアとミーナまでもが仲良くなっていた。


(やはりミカ様のお力は物凄い、あとはあの方にもう少ししっかりしてもらわないと。)


カオスはある事を考えていた。



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