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てんせい☆  作者: MAKI
164/230

【164話】降雪地帯1

*****寒冷都市の城*****



最高級の部屋を用意され、最高級の食事を済まし、風呂にのんびり浸かり、その後ピンクのフリフリの洋服を着て部屋でくつろいでいるマキ。


「魔王補佐!失礼致します。」


先ほどの非礼をもう一度お詫びしようとガイとリードはマキのいる部屋を訪れた。


だが、マキを見た瞬間言葉を失う。


(な、なんとかわいらしいんだ。これが魔界四天王で一番恐ろしいといわれるマキ様なのか!?)


もともとロリコン資質の強い二人の総司令官は、マキのあまりにもかわいい姿についつい見蕩れてしまっていた。


「ん、ガイさんリードさんどうしたの?」


「あっ…申し訳ございません、ついついマキ様のあまりにものかわいらしさに言葉を失ってしまいました。」


そう告げ、先ほどまでの非礼をもう一度詫びる。だがマキは微塵も気にしていないと話し、とりあえず二人を椅子に座らせた。


カオスとディオも魔力で治癒を施し、やっと本来の総司令官らしい姿でマキの部屋にやってくる。


「どうしたガイにリード、顔が変だぞ。」


マキを凝視し、若干ニヤけ気味の二人にそう言い放つカオス。ガイとリードはカオスの言葉にすぐさま反応し、表情を引き締める。


「カオスやディオがうらやましいよ、こんなかわいらしいマキ様の配下だなんて。」


「そうか?なら今すぐ代わってやろうか?」


「へえー、カオスさんそんなこと言うんだ。」


まるでお人形さんのようなかわいらしいマキは上目遣いでカオスにそう告げる。

その姿にはカオスでさえ、目を逸らしてしまうほどかわいかったのである。


「す、すいませんマキさん。今日は何故かわかりませんが一段とかわいらしく感じます。」


ついつい正直に言ってしまうカオス。しかし誰から見ても本当にかわいいとしか言葉が見つからないほどかわいいのである。


男ばかりでむさ苦しく感じたマキは副指令官のフローラとレイの二人もこの場に来るようにガイにお願いする。


女であるフローラとレイも部屋を訪れたが、マキを見た反応は男と同じく、かわいいの一言しかでてこなかった。


「いやいや、ほめられても何もでないからね。」


「いえ、マキ様は本当にかわいらしいです。」


フローラがそう言うと、その場にいた全員が頷いた。


「みんな集まったし、この辺でこのおじさん二人をいじめるような場所がどこかにないかなって思って。」


「いじめる場所ですか。それはすなわちカオスとディオの修行の場ってことでよろしいのでしょうか?」


ガイなりに解釈し、マキに尋ねる。マキは小さく頷き、フローラとガイがなにやら相談している。


「またはじまったよディオ。」


「だなあ、年寄りをいたわるってことを知らんのだな。」


相変わらず愚痴る二人。いつものことなのでさほど気にしないマキ。リードはそんなやりとりを見て、カオスとディオと自分達のレベルの差を思い知らされた。


(マキ様と対等に話せるのはこの二人くらいだろう。それほど信頼し合い、お互いの力を認め合っているってことか。)リードは自分たちもユキに少しでも近づきいつかはそういう関係になってみたいと思った。


「マキ様、この周辺は全て氷点下150度ですので、歩くだけでも十分な修行になります。それに魔物もそれなりに出ますので、討伐するだけでもかなりの魔力を身に付けられるかと。」


ガイはつい先日ユキと共に行動したばかりだったので、その成果を伝える。


「うーん、それはこの都市に辿り着くまでに散々倒してきちゃったからねー。すっごい強い魔物とかいないのかなー。」


徒歩でこの都市まで来る事自体異常なことであったのだが、その道中ですでに魔物を討伐していたことを聞かされ、再び考えるガイ。


「マキ様、この都市を預かりますフローラでございます。この周辺には未確認種が多数存在し、魔物がどの程度の強さであるのかは現在調査中でございます。」


「そうなんだー、じゃあどこに強い魔物がいるかわかんないね。」


「ですが、これより西へ数百キロの場所に、降雪地帯がございます。そこは氷点下200度となり、我ら魔族は足を踏み入れておりません。そこでしたらなんらかの魔物が生息する可能性もございます。」


「へーそんな場所があるんだ、ユキはそこに行ったのかな?」


「いえ、ユキ様がいらっしゃった時にはその場所はまだ発見されておらず、ユキ様が帰られた直後、調査隊から報告がありましたので。」


「じゃあそこにしよっか。」


「はい?マキさん、聞いてました?氷点下200度ですよ。」


「150度で魔力をかなり消費したのに、200度だと想像付かんな。」


「だからなに?じゃあ二人は私の最高のおしおきと、氷点下200度とどっちを取るの?」


「マキさん準備はできております。いますぐにでも出発しましょう!」


「わしもすでに行く気満々です。」


最高のおしおきと言う単語を聞いた途端態度を豹変する二人を見て、おもわず笑い出すガイ達。


(本当に仲がいいな、それにマキ様はただでさえ強い二人をさらに強くしようとしていらしゃる。)ガイにはそう思えた。だが、マキは自分の好奇心が押さえられずに言い出しただけだった。


「マキ様、それでしたら是非このガイもお供させていただきたいのですが。」


「このリードも是非お願いします!」


「うんいいよ、ガイさんとリードさんてほんと素敵、だれかさん二人はほんと最低だけどね。」


「あ、あの。私もよろしいでしょうか、道案内も必要かと。」


フローラまで行きたいと申し出た。だが、危険すぎる為にガイが制止する、


「フローラ、お前がこの都市には必要だ、お前にもしもの事があれば代わりはお前以外いないのだ、だからお前はこの地で責務を果せ。」


ガイにそう言われ、がっかりするフローラ、だがマキの一言で急変する。


「大丈夫、私が守るし、この人数は多すぎるから、カオスさんディオさんどっちかと、ガイさんリードさんのどちらか一人づつね。」


フローラは道案内として連れて行くとマキが宣言した為、誰も口出しはできない、さらに四人の中から後二人しか連れて行くことができないと言われ、くじ引きで決める事となった。


「うわあ、くじ運悪いなわしは。」


カオスが行く事になったようだ。


「よっしゃああああ!すまんなリード。」


こちらはガイが行く事になった。カオスはがっかりしているが、ガイは物凄い喜びようだ。


「じゃあディオさん、リードさん、それにレイさんお留守番お願いね。」


さっそく出かけるマキ。城から都市へ出て、扉に向かうと思われていたが、分厚く高い都市を囲む外壁へ向かい歩き出していた。


「マキ様、そちらから外へ出る事はできませんが。」


「いいのいいの、それより西ってこっちだよね。」


「は、はいそうでございます。」


マキを先頭に、カオス、ガイ、フローラの四名は氷点下200度の降雪地帯へ向かい出発した。


外壁に辿り着く四人、マキは氷で簡単に階段を作ってしまった。


(こ、これはユキ様の能力。やはりすごいお方だ。)


階段を登る四人、外壁の頂上へ近づくにつれ、冷気がだんだんと襲ってくる。マキはフローラに魔法をかける。魔力を普通に使えるように気温を遮断する魔法だった。


「こ、これは、寒さが感じられません。」


突然の出来事に驚くフローラ、カオスはうらやましそうにマキに視線を送るが、修行にならないでしょ!と怒られしょんぼりしながら魔力で冷気を抑え込んでいた。


ガイにしても、先日外へ出ていたため、ある程度の耐性を身に付けていた、なので前回のように動けなくなることはなく、魔力で冷気をうまく抑え込む事ができた。


外壁の頂上についたマキはそこから飛び降りた。フローラも続く、魔力が使えるため、なんなく着地した。


カオスやガイは冷気に魔力を注いでいるため、かなり険しい表情で、着地する。


(すでに修行は始まっているのだな。マキ様は見た目と違い厳しいお方だ。)ガイはまたしてもマキの修行に対する姿勢に感心するが、マキ自身はただ単になにも考えず飛び降りただけにすぎなかったのだが。


目的地まで数百キロと遠い為、カオスに命じ魔力で乗り物を作らせる。


「マキ様、この気温で魔力による乗り物は作成不可能かと。」

ガイが自らの経験上無理だと告げる。


「ふーん、じゃあ歩いていく事になるけど、それでいいんだね。」


「い、いえそういうわけでは。」


ガイの考えでは、ユキが乗り物を作ってくれたように、マキが同じように用意してくれるものだと思っていたのだ。


「ガイよ、なにを甘えておる、乗り物ならすでにできておる。」


カオスはすでに乗り物を完成させていた。『マンション』や『屋敷』のような大きな乗り物は魔力の消費が多いため作成不可能だったが、それでもなんとか『ワンルーム』サイズの乗り物が作成できた。


「前の乗り物に比べて小さいけど、まあいっか。」


(この気温でこのような乗り物を作りだすなんて。)カオスとの差を感じるガイ。


文句をいいながら乗り込むマキ。ガイにとってはこのサイズの乗り物ですら作成できることが考えられなかった。


「ほんと文句ばっかり、じゃあいきますよ。」


まだまだマキの文句に対して言い返すだけの余裕があるカオス。四人は乗り物『ワンルーム』に乗り込み氷点下200度の降雪地帯へ進みだした。

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