【158話】青い魔族
*****魔王城(魔王の部屋)*****
マキ達を待つミサキとミカ。ミサキはやはり何かがひっかかいる。
ミカは現在聖天使の姿だったが、ミサキが人間の姿だった為、ミカも姿を女子高生に変身した。女子高生ミカの髪の毛は青く、瞳も青、背は伸びて160センチまであと少しと、成長し続けている。今のミカは、かわいいと言うより美しいと言った方がいいだろう。
目の前で姿を女子高生に変えたミカを見て、突然ミサキが叫び出した。
「ああああああ!思い出したあああああ!」
その叫び声に驚くミカ、普段冷静なミサキがとんでもないくらい焦っているようにも声から伺えた。
「お姉様、なにを思い出されたのでしょうか?」
「ミカ!もしかしたらヤバイかもしれないわ。」
「お姉様、落ち着いてください。一体どうなされたのですか?」
いつもとは逆にミサキに落ち着くように促すミカ。しかしミサキは落ち着いている場合ではないと、話し出す。
「あの砂漠の下には、魔界にいる魔族が決して踏み入れてはならない領域があるのよ。ミカの髪の色を見て思い出したわ。」
「それはどういうことでしょうか?それに髪の色で思い出したとは?」
ミカはミサキが何を言っているのかさっぱり分からないが、事情を知らないまま砂漠へ向かっても意味がないと思い、落ち着いて話してほしいとお願いする。
「ああ、ごめんね。わたしとしたことが、大丈夫よ落ち着いたから、かいつまんで話すからよく聞いて。」
----数千年前の出来事----
魔界を統治する為、ありとあらゆる手段を使いあちこちの都市で魔族を粛清しまくり、ようやく平和な魔界を作ろうとしていた時、不思議な砂漠のことを耳にしたミサ。
ミサはすぐにその砂漠を調査するように命じ、砂漠調査隊が結成された。
その結果、砂自体に魔力を吸収する力があることが判明する。砂など魔界には普通に存在するのだが、そこにある砂に限って魔力を吸収するのはおかしいと思ったミサは、砂漠の地下を掘らせ、原因を突き止めるように命じた。
地下200メートルに地下室を作りあちこち掘り進むうちに巨大な洞窟が発見される。その地下室が現在で言う迷宮への地下通路である。
洞窟が発見されたことにより、今度はその洞窟を調査するように命じ、洞窟の調査が始まった。
洞窟は地中奥深くまで続いていて、壁には魔力を吸収する苔がびっしりと生えている事も確認された。
さらに砂漠と同じで瞬間移動ができず、調査隊は数百年かかり洞窟の最深部へ辿り着いた。だがその先には恐ろしいほどの空間が存在し、洞窟が緑色だったのに対して、その空間は青一色、さらにはかなりの魔力を吸収することが判明した。
調査は一旦打ち切られ、魔王に報告すると、今度は魔王自らがその空間へ乗り込み調査は再開された。
数千の魔族を引き連れ巨大な空間へ足を踏み入れた魔王だったが、自分の魔力が吸収されていくのが解った。だが莫大な魔力を持つ魔王だったため、さほど気にもせず空間へ舞い降り調査を進めた。
数千人いた魔族の9割は魔力が枯れ果て、途中で倒れてしまった。
残りの魔族も魔力を吸収されてはいたが、なんとか前には進めるようだったので、調査は続行。
そこで青い魔族と遭遇し、戦闘が始まった。
魔王と同じ赤い魔族は、魔力を吸い取られ、青い光を浴びせられ石化されてしまう。
魔王ミサの魔力は特別大きかった為、青い光さえもはじき返し魔王が石化されることはなかった。だが一緒に来た魔族は全員石化されてしまった為、魔王は仕方なく引き返す事にした。
地下空間ごと吹き飛ばすこともできたのだが、それにより地上にどんな影響がでるか解らないのと、この空間にいる魔族が攻めてくるわけでもない為、洞窟の最下層にある空間へと続く通路を魔力により塞いだだけにとどめた。
これにより空間にいた青い魔族はそこから出る事ができなくなり、ミサもその存在をすっかり忘れてしまっていたのだった。
「というわけなのよ、だからもしかしらあの子達すでに石化されているかもしれないわね。」
とんでもない事を落ち着いて話すミサキに、今度はミカが慌てだす。
「お姉様!落ち着いて話している場合ではありません!急いで救出に向かいましょう!」
「え、ええ。わかったわ。」
(落ち着いて話したのになんで怒られるのよ。)納得いかないミサキだったがミカの迫力に圧倒されあえて何も言わなかった。
ミカの表情は焦り、一刻も早く向かわなければマキが危ない、と思う気持ちでいっぱいだった。こんなことなら落ち着いて話を聞かずすぐに行動を起こすべきだったと反省するミカ。
すぐに準備を整え、今すぐに砂漠へミサキと一緒に瞬間移動しようとしていたちょうどその時、マキ達が魔王の部屋に現れたのだ。
「ミカちゃーんただいまー。あれっミサキねえさんいつのまに。」
何事もなかったかのような表情のマキ。ミサキが来ている事に驚いていた。
だがユキとメアリーの表情や、ディオ、カオス、ミリアの表情を見ると、かなり大変な状況だったことがすぐにわかった。
「ミカおねえちゃーん。えーん、えーんこわかったよぉ。」
「ミカ様…わ、わたしは…ぅぅ。」
ユキとメアリーはミカを見た途端駆け寄り抱きつき、まるで子供のように泣きだした。
(ユキはともかくメアリーまで泣きだすとは、よほど怖かったのだろうね。)
ミサキは2人が泣く姿を見て、そう思った。
「ユキ、メアリー泣いてる場合じゃないだろ。ちゃんとみんなに謝りなさい!それになんでこうなったのかを説明しなさい!」
一番背は低いが言ってる事はすっかりお姉さんのマキが2人にそう話す。
ミカはテーブルと椅子を用意し、全員を座らせ、ユキとメアリーの事情聴取うが執り行われた。




