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最終章 さよならの時 前編

いよいよ

最終章となります。


不安にかられる智香は

山南を土方と見送った後

覚悟を決め『不安』の原因を話す。

その内容は。。。


十二月上旬。

本格的な冬真っ只中。


師走で賑わう街

皆は正月へ向けてどんな

ご馳走にしようか提案しあっていた。



やはり正月といったら

おせち料理だろう。

しかし甘い物ばかりなので

内心要らないのでは?と、思う人も


新選組の屯所では

暮も正月もない。


外ではどの時代も同じ

酔った方々の介抱あり

事故ありで正月休みなど無いときも。




今回の年明けはどうなのかは

誰も判らない。




山南さんは一度新選組屯所から

離れ故郷へ戻らなければ無い為

元旦までに帰れるか

正直判らないらしい。





『申し訳ありません。

父が病気しているとの事で。皆には

御迷惑お掛けします』


『山南君、気にすることはない

一日でも早く父上の所へ行って

元気な姿を見せてやりなさい!』


『そうだぜ?山南さん。

あんたは新選組の為

毎日やっているじゃねぇか?今日だって

そうだろう?ここは俺と近藤さんに

任せておけ』


『そうとも!』


『忝ない。では、明日あす早速

たたせていただきます』


『それじゃ明日に備えて

今日はもう荷造りしてくれ』


『有難う御座います…では…』





山南さんは

二人の部屋から出ると

明日の支度へ取り掛かる。





『山南さん…』


『おや、今日和智香さん。明日立つことに

なりました。私が居ない間狙われたり

しないで下さいね?沖田君の意地悪は

勘弁してやってください』



『はい!と、謂いたいところですけど

意地悪には絶えられるかは…』


『ふふ。智香さんが羨ましいです。

いえ、沖田君が…ですね』


『え?』


『では、荷造りがあるので

これで失礼』



山南さんは

会釈をすると部屋へ

もどってしまった。





『うぅ…寒い…さ、早いとこ

片付けなきゃ』






ー山南部屋ー




『ふぅ…まさかこの師走にあんな文が

届くとは…』




荷物をまとめながら

腑に落ちないでいる山南さん。





『あの父上の事…何か裏があるかも

知れませんし…かといって本当に病に倒れていないこともなくは無い…』



そして翌日。




最後の荷造りを終えると

山南さんは近藤さんと土方さんのいる

広間へ向かい、簡単な挨拶を済ませると

屯所を後にした。





『行っちゃいましたね…』


『仕方ないさ…まぁ、山南さんは

裏をかくひとだからあの文の内容を

疑ってるだろう』



と、土方さんが

後ろからやって来た。



『疑うって?』


『何事にも慎重って事だよ』





あたしと土方さんは

山南さんの姿が見えなくなるまで

見送った。





『あの土方さん』


『ん?どうした?』


『その…ここ最近寝る前に

頭痛があるんです。決まって

就寝時なんですけど…』


偏頭痛へんずつうってやつじゃ

ないのか?』


『いえ…あれは頭全体痛くなるんですけど

…違うんです…もしかしたら…あたし』


『未来へ戻る準備がお前の中で

起きているということか?』


『そんな気がして…ます…』


『どの辺りが痛む?』


『ここです。前頭葉辺りです』


『…隆夫は?』


『判りません…』





視線を屯所内の庭へ移したとき

箒を持った隆夫が現れた。





『丁度いい。聞いてみるか』





隆夫は土方さんに

呼ばれると直ぐに此方へ

向かってくれた。




『お前、身体に異変はないか?』


『異変?…な、何故です?』


『あるなら隠さず謂え。智香みたいに

頭痛くなったりしてないか?』


『……はい。師走入ってから

就寝時に…地味に痛くて…』


『お前と同じだな。智香』


『はい…』



『…ふぅ…この事は他言だ。しかし

近藤さんには話しておく。彼と話が

纏まったらあいつ等を集めて俺達から

話す。それ迄は誰にも謂うなよ?いいな?』


『『はい』』






土方さんは

中へ戻っていった。





『隆夫も…だったんだね…?』


『ああ。此処での生活気に入ってたら

あっちに戻りたくねぇんだよなぁ…』




彼もあたしと同じ考えだったんだ。





『離れたくないよね』


『うん…』





高い空を見上げて隆夫が

あたしへ提案してくれた。


二人がここに居た証を残そうと

謂ってくれた。




それは大きな布へ

『誠』の字を入れる。ただ、それだけだ。

それだけだがそれは

あたしにとって凄く嬉しい提案だった。


裏へはあたしと隆夫の

名前を入れる。





『習字は得意だから俺があるよ』


『うん』


『お前は裁縫が得意だから

色々と頼む』


『判った』





大きな布は

あたしの部屋に数枚あるので

それを使う事にした。




いつ戻されてしまうか

判らない不安があたし達を

焦らせる。




まだ、まだ

この時代に居させて下さい。




まだやりたい事が

沢山残っているから…

彼等へ手紙も書きたい。


ひとりひとり当てた手紙を…。



アクセス有難う御座いました!

次回最終章後編と

なります。



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