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第三十三章 紅葉

ただ、一言。

つまらなくて毎度御免なさい(。>д<)

樋口さんが立ち寄ってから数日が過ぎた。土方さんが狭い庭で紅葉(もみじ)を立ちながら観ていた。



そんなに大きくはない庭になっている紅葉の木。もう少しで真っ赤にそまるだろう。風も徐々に冷えてきているし…。







『土方さん』


『よぉ。こいつを観ていたんだ。少し色付いてきてると思わねぇか?じじくせぇかも知れねぇけどよ』


『綺麗です。それにじじクサイだなんて…そんな事ないですよ?』


『そうか…?』


『はい。あたしも未来では両親とよく紅葉(こうよう)を観に行っていましたし。お饅頭、美味しかったなぁ…』


『花より団子じゃねぇか…お前…』


『失礼なっ!ちゃんと観てますからっ!いっ…』


『お前…自分の身体だろう?忘れるなよ?』


『はーーい。けど…綺麗ですよね…紅葉(もみじ)の絨毯になるだろうなぁ…』







土方さんと話をしながらあたし達二人は樋口さんと沖田さんのじゃれあいを見学していた。二人は此処では狭すぎるといつもの河原へと向かった。



あたしと土方さんは二人の後ろを歩く。

そして何故樋口さんが居るのかというと

沖田さんのわがままに付き合わされている。


あたしとの絡みが出来ないからだとか…。

途中腹の痛みを訴えると土方さんがおぶってくれた。退院の時もこの背中にはお世話になった。と、謂うよりお世話になりっぱなしだ。






『少し痩せんじゃないか?お前?』


『そうですか?』


『ああ。ま、仕方無いか。腹がふくれりゃ傷に障るだろうし…かといって体調崩すわけにもなぁ…』






彼はこうしてあたしを気遣ってくれる。

河原へ着くと沖田さんがちょっと不貞腐れていた。”帰りは僕がおぶるよ”とかなんとかブツブツ。



丁度良い大きさの石があったので

あたしと土方さんは腰掛ける。

石の上に何年だっけ?





『本気で良いんだよな?』


『勿論だよ?手を抜かないでかかってきてよ?』






ヒュンッ!






樋口さんが鞘から刀を抜く。

また沖田さんも刀を抜いた。

構えを取ると二人は一定の距離をとりながら駆け出す。





キイィィィィンッ!

キイィィィィンッ!






『お約束になってますよね』


『体がなまるからな。こればかりは総司にとって大事なんだよ。俺はたまに竹刀を振る程度だが。お前もやってみたらどうだ?』


『そうですね。傷が治りましたらやってみたいです』


『そうだな』






二人の手合いを観ながら話を進める。

土方さんが此処へ来るまでの話も聞いた。山の紅葉(こうよう)はとても綺麗だったとか。橙色だったり黄色の葉が色とりどりだったらしい。


そして此処へ着いた時は銀杏(いちょう)葉が土方さんを出迎えてくれていた。

黄色の絨毯のうえを歩く土方さん。


想像が出来る。



黒くて長い髪を束ね、服隊を身に纏った土方さんが銀杏(いちょう)をバックに歩く凛々しい姿。そんな絵に描いたようなワンシーン…。





『けどよ、この河原の紅葉(こうよう)も綺麗だよなぁ』


『近藤さんだったらきっとこう謂いますよ。”団子と茶があったらもっと最高だろう”って。フフ…』


『絶対謂うだろうなぁ…あの人なら。総司は(もっぱ)らあれだな』


『ですね』







土方さんの言葉を受け止めながらあたしは樋口さんとやり合う沖田さんへ視線を移した。見ると、沖田さんは生き生きした表情で刀を振り回す。


樋口さんも久し振りに沖田さんとの手合わせが嬉しいのか表情もやわらかい。

どっちも、どっちの二人だなぁと思う。




二人の手合わせは数十分といったところだろう。といっても小一時間は動きっぱなしだ。二人はあたしから手拭いを受けとると同じタイミングで汗を拭き取る。






『良い汗をかけたよ』


『沖田との手合わせは本気でやれる…。戻ったら必ずまた…』


『勿論だよ。ただお互い怪我をしないようにしないとね?フフ…』


『お二人とも楽しそうでした…。土方さんもそう仰っていました』






そう。

あたしと土方さんは紅葉(こうよう)を楽しみながら二人を観ていたから。

ただ歴史っていうのは判らない。


あたしが決断したあの日から幕末時代がどう動き出していたか…。

彼等の運命はこのせいで変わっていることなんてあたしは知らないでいた。


平和が訪れるとか事件に捲き込まれるとか…歯車はもう誰にも止められないでいる。それは誰もが判らないし知らない。

土方さんや沖田さん、斉藤さんに藤堂君、原田さんに永倉さん…そして近藤さん、山南さん…。





『もう戻りましょう?寒くなってきますし』


『そうだな。総司、樋口。戻るぞ』





土方さんが声をかけると二人は頷き来た道を戻り始めた。

途中沖田さんはあたしをおぶってくれる。柔らかい髪の毛がくすぐったい…。

けれどなんだろう…。沖田さんがいとおしく思える…。意地悪で意地悪で腹が立つこともあるけれど、あたしはこの人がどうしようもないくらい好きなんだ…。





『沖田さん、意地悪です…大好きです…』


『智香ちゃん…』




その時だ。

土方さんが沖田さんへ

突っ込みを入れた。




『どうした?頬が紅葉(こうよう)しているぞ?』


『ん?…確かに…どうした?沖田?』



『…別に何も有りませんよ?邪魔しないで貰えませんか?』


『フフ…』



『笑い事じゃないでしょう?茶化されてるんだよ?』


『いいじゃないですか?楽しいですし?』



『あのねぇ…ま…たまには良いか…』





次回、やっぱり未定です。。。

出来るだけ早めに投稿します(。>д<)

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