第二十八章 刀
こちらの話は
斉藤とやりあった奥田が再び登場します。
勿論一人では有りません。
智香は…どうなるか…。
何れくらいの時間だろうか
沖田は智香の様子を看ながら片付けをしていた…。
手をとめ、ふと外へ視線をやった。
その時だ。
物凄い音を立てながら戸が外れた途端目の赤い男が土方とやりあいながら入ってきた。
キイィィィィンッ!!
キイィィィィンッ!!
沖田は急いで土方の方へ行く。
『土方さんっ?!何が…』
『来るなっ!二人だっ!お前はそっちに居ろっ!』
『判りましたっ!』
沖田は土方が謂った通り智香の部屋へ急いだ。彼女は無事だ。
何処から入ってくる?沖田は刀へ手をかけながら周囲を見回す…。息をころしながら真剣に…。
ヒュンッ!
キイィィィィンッ!!
『背後から何て卑怯者がする事じゃない?』
『沖田…か…成る程斉藤という奴の代わりに副長さんが来ているのか…』
互いの刀が触れ合う度ギシギシと音がなる。
『此処じゃ狭すぎるから庭へ移動した方が良いんじゃないかな?』
沖田の目はあの優しい目では無くなっていた。。智香はまだ眠ったままだ。
外へ出ようともしない男に対し智香を庇いながら護り、戦う。
キイィィィィンッ!!
家の外には多くの野次馬が出来てきた。
これは見物だと謂うのか口に手を当てながら何か喋っている者も居れば
背伸びをしながら戦う様子を観るものも居る。
自分達へは危害がないと判断している様だ。
『何故お前等は総司達を狙う?!』
キイィィィィンッ!!
『あんたには関係無いだろう?俺達の邪魔をする者は滅するんだっ!』
キイィィィィンッ!!
ヒュンッ!
ヒュンッ!
『日本の平和だかなんだか馬鹿馬鹿しいんだっ!』
ヒュンッ!
土方の髪がヒラリと舞う。
それを横目で見る…そして土方は…。
ヒュッ!
『くだらねぇ事をグダグダ謂ってんじゃねぇよ?』
『うぐっ!』
キレた…。
奥田は目の前に刀をつかれ
驚きのあまり尻を着いた。
『ガキじゃねぇんだ。姑息な手を使わないで正々堂々やれ…それともお前等は弱いのか?同じように刀振り回しているだけの腐れ野郎じゃねぇか?
お前等みたいな奴はどうなろうと俺が知ったことではない。しかしな…そのネジ曲がった根性が直らねぇなら俺が総司の代わりにぶっ倒す!
斉藤にやられた傷が開いたみてぇだな?このまま俺とやり合うか?それとも敗けを認め総司達から手を引くか?』
『俺達は新選組を潰すんだ!』
『ほう…なら決まったな…』
『なに…?はっ!!』
奥田の腹辺りが血で汚れ始めている。
彼は殺られまいと攻撃をかわす。
ヒュンッ!
ヒュンッ!
キイィィィィンッ!!
奥の部屋から沖田達がやり合う金属音が鳴り響く。土方もまた刀を振り下ろす。
奥田はギリギリのところで土方の刀を交わすだけ。
傷口が開ききってしまったようだ。
よろめく奥田…。
『ん…』
何だろう…騒がしい…何かあったのかな?
遠くから金属音が聞こえてくる…声…?沖田さん?…それに土方さんの声も…。
あたしはそっと目を開けると目の前で
沖田さんと知らない人が戦っていた。
『沖田さんっ!』
『く…目が覚めたんだね…ふんっ!此所と土間はこんな感じだから…外へっ!』
『はいっ!』
あたしは沖田さんこら謂われた通りに庭へ出る。
あたしを庇って戦っていたんだ…。
ごめんなさい…沖田さん…。
キイィィィィンッ!!
ヒュンッ!
『あんた結構やれるんだね?』
『お前もな。流石新選組一番組組長なだけあるな…』
『僕は強いよ…自分にそう謂い聞かせて稽古して強くなるんだよねっ!』
キイィィィィンッ!!
土方さんの所はどうだろうか?
大丈夫だろうか?
けど、あたしが行っても足手まといにしかならない…。
彼等の戦いを見ていると
相手の右足が上がり沖田さんを蹴り飛ばした。
ガッ!
『うっ!』
ガタンっ!
『沖田さんっ!』
『大丈夫…』
少しよろめきながら立ち上がる沖田さん…。姿勢を直すと再び刀を握り締め相手へ飛びかかる。
『ふんっ!』
『腹を蹴られても立ち上がるか…』
『甘くみないで欲しいなぁ?』
『沖田さん…』
沖田さんの目が怒りを表している…。
二人の距離が縮まりながらも刀は音を立てる。一度距離をとる…。
お願い…勝って沖田さん…。
土方さん…。
軽い傷を負いながら刀を握り締め
相手を追い込む。角へ誘導しているんだ…。逃げ道を無くさせて…。
『さっきの…お返ししないとだね…ふんっ!』
沖田さんもやられたらやり返す。
彼の右足が相手の脇腹を蹴る。
そして男は沖田さんより派手に角へ吹っ飛んだ。
ガタンっ!と物凄い音が聞こえる。
陰になってよく見えない…沖田さんも陰へ消えて行く。
『終わりだよ』
ヒュンッ!
『……終わったの…?』
『無事だった?』
沖田さんがあたしの所へ来てくれた。
血で汚れた着物はこの後自分で洗うのだろう…。今のあたしにはなにもさせない様に…。
『はい…それより怪我が…』
『大丈夫だよ。こんなのいつもの事でしょう?』
『けど…』
『良いの良いの』
ぽんぽんと頭をやってくれる。
これ、好きだなぁ…。
そう思っていたら…。
沖田さんの背後に刀を持つ影が…
さっきやられたはずじゃ…!
『沖田さんっ!』
あたしは咄嗟に彼の後ろを見ながら叫ぶ
。けど、言葉ど同時に体が動いていた…彼を庇う…。
『え…』
『沖田さん…』
あたしの脇腹から何が貫いている…。
沖田さん…無事で良かった…。
アクセスと読んでいただきまして
有り難う御座います。
さて、智香は口よりも先に行動してしまい
沖田を庇うかたちでやられてしまいました。
彼を庇ったことで沖田は…。
次回 暴走




