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第二十七章 看病

今回の話は沖田と土方が

智香の看病と料理をする

話と、なっています。

身体が引っ張られるのとまたあの頭痛がしてきた…。あの時と同じように未来へ戻されちゃうの?そんなの嫌だ…。





『沖田さん…』





目の前の沖田さんも気付いたようだ。

声は(かす)かに聞こえるだけ…。

土方さんも沖田さんの声に気付いたのか彼の姿も見える…。

ただあの時と違う事が起きた…。


二人は見えたままで頭痛は嘘のように消えていった…。身体が引っ張られる感じも無くなっていた。







『良かった…落ち着いたみたい…。また向こうへ行かれちゃうかと思ったよ』


『苦痛何だろうな…』


『結構キツいですよ?頭が兎に角痛くて身体は引っ張られる感じと、ふわふわ感があって…』


『お前も向こうへ行ったことがあるからな…』


『はい。手拭い、濡らしてきますね』


『ああ』

(こいつ…本当にどうなっちまうんだ?ずっと俺達のこの時代に留まっているのか…それともいつか未来へ帰ってしまうのか…智香…お前自身も判らねぇんだよな…)





『ん…』


『起き上がらねぇで寝てろ』





目を開けると土方さんが隣に座っていた。あたしがあれに堪えていたのはホンの数分くらいだったみたい…。長い時間かと思うのはやっぱりなっている本人だけか…。





『あ、もう大丈夫なの?』

『沖田さん…』

『さっきより顔色は良いな』




『良かった』






土方さんと、沖田さんがやわらかい表情であたしを見る。そんなに酷かったのだろうか…?






『着て早々心配かけられたな?』


『すみませんでした…』


『本当、ハラハラしちゃった』


『御免なさい…』





気付くと土方さんの手があたしの左手を握りしめていた。





翌日、体調が良かったのでいつも通りに仕事をこなしていた。

だけど…午後になるとあのダルさと頭痛が…。






『お前…医者に見てもらった方が良いんじゃないか?』

『そうだよ。けど彼女何か気にしてるんだよねぇ』

『何を気にしてるんだ?はぁ…松本先生は忙がしい人だからなぁ…』


『大丈夫ですよ。今はそんなでも無いので』





本当だからとりあえず安心させないと。

寝込むなんてらしくないけど…

大丈夫。





『夕飯…』



『僕達で作るから』

『また辛いお新香出来るんですか?』

『あー大丈夫だよ。君の作り方ずっと見てたから』





そういうと沖田さんと土方さんは

台所へと向かった。

暫くすると…。






『あー!指切っちゃった…』

『なにやってるんだお前は?はぁ…俺に貸せ』

『大丈夫ですか?結構堅いですよ?』


『かぼちゃは堅いのが当たり前だろ?…ふんっ!…何だこれ…』


『だから謂ったじゃないですか?』

『智香はいつもやってたんだな?どうやってたんだ?』







『………心配になってきた…』






あたしは布団から出るとすぐ

二人の居る台所へ向かった。

ちらりと様子を見ると…。






『あー切った所しみるなぁ…』

『早くてを洗ってこい』





沖田さんは左指を包丁で切った箇所を

舐めてる…。土方さんはかぼちゃで苦戦している…あれじゃ切れるわけないよ…。

(へた)のところをがっちりだもん…包丁駄目になっちゃう…。




『総司…』

『ん?』

『無理だこんな堅いの…』





土方さんは包丁を置くと右手で顔を覆う。どうやら諦めたらしい…。

よし。







『土方さん…?』

『智香何をやってるんだ?』


『すみません…えと…かぼちゃ何ですけど蔕のところは堅いので切れません。なので青い部分から…切ってください…』


『成る程…』

『へぇ…』



『沖田さんは此方へ指を切られたそうなので…』


『あ…うん…。何かごめんね』

『いえ…』






あたしは薬箱を取ると沖田さんの指を消毒し絆創膏を貼る。

いつ見ても大きな手…。温かくて狡い手…。





『出来ました』

『有り難う』




そういうと頭を撫でてくれる。

この優しい表情もまた狡い…。





『さて、戻ってやらないと。もう大丈夫だから寝てなよ?』

『けど…』

『土方さんに叱られちゃうよ?』






それだけは嫌だっ!

土方さんの頭から角が映えてくるのは!

彼の謂う通りあたしは布団に戻った。

時々ガチャガチャ聞こえてくるけど大丈夫そうだ。





『なぁ、総司…』

『何です?』

『お前江戸へ来てから少し表情が変わったな…』

『そうですか?』


『ああ。前はガキみてぇなツラしてたが今は大人な感じだ…』


『ガキって…まぁ、一君にも謂われましたよ。変わったって…此処へ着て色々有りましたしね…人斬りとかスリとか』


『着てすぐか?』

『いえ』






二人は野菜を鍋へ入れながら会話をする。季節が秋ということもあり小量だ。






『あれ?醤油は…あった。はい土方さん』

『俺が味付けか?』

『それじゃ僕がやりますね。彼女の見てたんで分量は何となく判りますし』






沖田はニヤつきながら土方を見る。

土方は軽く舌打ちをしたが嫌味な感じではなかった。





『彼女と二人で暮らすようになってから出来上がるまで暇だったんで』


『邪魔していたんだな?』

『失礼なぁ。って見る度謂われてましたけどね?”向こうへ行っててください”って』







そう謂いながらも、けんちん汁が出来上がった。もう一つの鍋には秋刀魚(さんま)がある。






『後は炊けるのを待つだけだな』

『そうですね』

『しかし…本当に此処は見張られているな』

『毎日ですよ。僕の事を殺りたくて』

『智香は大丈夫なのか?』


『女って判ると狙ってきたりしますね。けど小柄な男って居ないじゃないですか』

『そうだな。斉藤が戻るまでの間俺がお前らを護ってやるよ』


『護られるのは変な感じですね』

『だろうな?よし、俺は外を見てくる。お前は智香を診てろ』


『それこそ護るじゃないですか?』

『一々(いちいち)うるせぇなぁ』







話を終えると土方は外の見廻りへ出た。

沖田は畳みの上へ腰を下ろし、ついさっき土方が閉めた戸を見る。







『ふぅ…ちゃんと寝てるか見てこよう…』






智香の寝ている部屋へ行くと

大人しく眠る姿があった。

彼女の寝顔をみなら沖田は考える。

いつも元気な彼女だが体調を崩す事は無かったため寝込む智香を見るのは初めてだと気づく自分に…。






『護ってきたつもりでも君の体調まで気付けなくて…ごめんね…』






指を切ったで智香の額へ手をやった。

ぐっすりなのか目を覚まさない。

このとき沖田はある決意をした…。


有り難う御座います。

男の人が二人で料理をする話は

初めてだったので時間がかかってしまいました。


次回、刀


です。

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