第十八章 江戸と斉藤
斉藤と智香が中心となっている
物語です。
御待たせしすぎて御免なさい。
そしてつまらなかったら…m(__)m
梅雨も明けると夏本番…。
斉藤さんも流石に暑さには参るみたい
あれから二人は時々会ってはいるみたいだけどただ座って川を見てるだけ。
お互い休憩の合間だから仕方ないかな…。
江戸の町を斉藤さんと歩きながら彼がある花を見つけた。
先を歩いている斉藤さんは立ち止まる。何だろう?
そう思っていると、また歩き出す。
『暑いな…』
『そうですね。夏ですし』
『総司は随分とへばっているようだったが…あいつは大丈夫か?』
『テツがまとわりついてますから…本当暑そう…ですよね…』
『そうだったのか』
『おいっ!』
その時前方から体つきがいい男に刀を向けられた。
斉藤さんはあたしを庇う姿勢をとり自分の刀へ手を伸ばす。
『お前…新選組の沖田と一緒に居る斉藤一だな?』
『だからどうした?俺は今此処でお前と刀わ交えるつもりはない。やるなら他の場所にしてもらおう』
『そうだなぁ…?』
男はあたし達に着いてくるよう命令をしてきた。斉藤さんと目を合わせると仕方なく着いていくことにした…。いつもの河原ではなく、草木がある広い場所へ連れて来られた。
『小僧は邪魔になるだけだ。そこで見学でもしてな』
男装しているあたしには用がないそうなので離れた場所で見守る事にした。
…隣にはあの男の仲間なのだろう…
此処へ来る途中合流した目の赤い人…。
身なりは民間人と変わりない。
普通の正装だ。
だけども、この人目は細くどこか殺気のようなものを感じる。当たり前だけど腰には刀が二つつけられている。
『新選組三番組組長斉藤一の腕は良いと訊くがどれ程のものか?』
『少なくとも俺はあんたには負けまい』
『おい…無駄話はそれまでにしろ』
『……』
彼等の話を聞きながら、あたしはそっと隣に立つ男を見る。
すると彼は細い目で此方を見た…びくついたあたしは素早く彼から目線を反らした。どうしてだろう?体が震えてる…。
この人が怖い…?
赤い目……そうだあの時覗いていた目…
この人なのだろうか?
駄目だ……鼓動が激しさを増していく……
早く終わらないかな……?
こんな気持ち初めてだ…。左隣から視線を感じる…。恐らくあたしを観察でもしているのだろう。あの人はあたしの事を“小僧”って謂ったけど目の赤い人は何か違う…。
此処での夏はどうやら色んな事件が起きそうな予感だ……。
近藤さんと土方さんに文を出すべき……だよね……。どうしよう……。
体の震えが止まらない……。
『お前…何処かで会ったか…?』
『え…』
男の言葉ぬ足元に向けていた目を
上を向くようあたしの目は隣の男を捉えた。…”何処かで“やっぱりこの人は…あの時の目の人なのだろうか…?
『どうして?』
『初めてとは思えなくてな』
ここで…今あの時の事を謂ったら
この人はどんな行動をとるのか…?
だけどまだそうだと決まったわけでもないし…。
『御免なさい…判らないです』
『……』
彼はずっとあたしの目を見る。
何かを読み取っているのか?
それとも思い出しているのか…?
斉藤さんとがたいの良い人は何度も
刀を交えさせている。
金属音が繰り返し耳に入る。
『……どうして斉藤さんを…?』
『餓鬼には関係ないだろう?それともその綺麗な顔を傷だらけにしても良いと?』
すると男の手があたしの顎へやった……。
キイィィィィンッ!
『そいつに触るなっ!』
『余所見とは随分余裕だなぁ?斉藤さんよぉ?』
キイィィィィンッ!
キイィィィィンッ!
『ほぅ?…そうか…お前男装しているのか。クククク…成る程“あの時の女”か』
『っ!!』
『斉藤を殺ったらお前を連れていくか?面白そうではないか?なぁ?』
『あ…あなた』
『お前に拒否権などない』
『ふざけないでっ!何故貴方に謂われなければならないの?!斉藤さんが負ける?有り得ない!彼は強いのよ!
貴方たち何かに負けないっ!馬鹿にしないでほしいわっ!』
『威勢のいい奴は嫌いではない。しかし場合に寄っては始末せねばならん』
『ならそうしなさいよっ!この時代がどうなってもよいならっ!』
『ふふふ…ますます気に入った…お前を必ず手にいれよう』
男は不気味な笑みであたしと斉藤さんを見回した。
戦いは一時中断。
夕方になり何事もなく帰路に着く。
斉藤さんは黙ったままだけどあたしの手を
強く握り締めていてくれた…。
『あ、あの…』
『ん…?』
『御免なさい…』
『何故謝る…?』
『だってあたし…あんな事を…』
『智香。お前はお前なりに総司や新選組を護った。違うか?』
『そう…です。だけど…後の祭りですけど…あたしのせいで迷惑を…そう思うと…』
『己を信じろ』
『え…』
『己を信じれば報われる。誰かの受け売りだが俺は信じる。己が正しいと思えば実行するのみ。しかし自信がなければ泣き寝入りをするだけだ。智香…お前は今までこの時代へ来て諦めた事があったか?』
『…あ…』
『お前はお前の道をゆけ。俺は俺の道をゆく。…謝る事など無い
お前お前だ』
そういうと斉藤さんはあたしの頭を撫でてくれた。
有り難う御座います。
本当に有り難う御座います。




