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彼女と彼の朝





目が覚めたらゆういさんのベッドだった。

隣にはゆういさんがいる。

何故か抱き締められている恰好で、身動ぎ出来ない。


ああ、またヤッてしまった。


自分が流され易いと思ったことはなかったけど、もしかして流されやすいんだろうか。

いやでも好きな人に触れられて拒めるわけがないじゃないか。

それがたとえ、酔った上の行動でも。


「はぁ・・・」


もう2度めなんだし、責任とってもらいたいところだ。

あたしだってもう25歳、そろそろ結婚も視野にいれる年齢だ。

別に結婚願望だなんて皆無だけど、孫が出来そうなのが自分くらいで、両親には期待されている。

いや兄貴もそのうち結婚すると思うけど。相手がいれば。


いつの間にか25歳か・・・酔った上での事なんて、さらりと流すのが大人なのかな。

責任とか言っちゃうと思いだろうな。

別に本気で責任取ってほしいっていうんじゃなくて、ただゆういさんの彼女になりたいだけだ。


ゆういさんがどんな人が好きなんだろう。

どんな人が彼女になるんだろう。


「ん・・・おはよ」


「おはようございます」


ゆういさんも目が覚めたみたいだ。

ちゅ、と額にキスされる。

うわあ。



「・・・もしかしてあたし、玩ばれてます?」


「は!?」


何故そんな慌てる。図星?


「ちょ、ま、え!?俺好きって言ったよね!?」


「はぁ、言ってましたけど。最中のリップサービスかと思って」


「いやいやいやいや。リップサービスじゃないから。100%本気だから」


「・・・ゆりなちゃんに靡かない人があたしに靡く訳ないと思うんですが」


「むしろ江藤さんに靡かない人の方が日辻さん好きだと思うよ」


「あー・・・」


なるほど。タイプが真逆だからか。


「あの、それで・・・日辻さんは俺のことどう思ってるのかな、と」


「え?」


「少しでも俺のこと好きでいてくれるなら・・・好きになれそうだと思ってくれるなら、俺の彼女になって欲しい」







「・・・あたしで、良いんですか?」


その言われ方はOKな感じだよね!?

俺の長年(?)の片思いも漸く実を結ぶっていうか・・・!


「日辻さんが良いんだ」


回していた腕に力を込める。


「・・・よろしく、お願いします」


Ktkr!

俺幸せすぎて死ぬかもしれん。


「幸せにするから!」


あ、間違えたかも。

プロポーズ後みたいじゃね?


「じゃあ、あたしがゆういさんを幸せにします」


笑って言ってくれた。

ああもうかわいい。好きだ。大好き。愛してる。

額にキスして、頬にもキスして、唇にも。

あ、また致したくなって来たぞ。



「って、あー!!」


日辻さんが突然大声を上げる。


「会社!!今何時!?ヤバイ、ゆういさん、急いで!!」


そうだった!今日火曜日だし!!

慌しさで甘い空気は搔き消され。

日辻さんはもちろん昨日と同じ服なわけで。


江藤さんからは睨まれ、山下さんからは苦笑いを頂いた。

志村さんと刑部は、やたらとにやにやしながらこちらを見ていた。

あーいじられる。いじられるなこれは。


6年ぶりの彼女に浮かれまくる俺。

傍から見たらおかしいだろうなぁw


ふと日辻さんと目が合う。

照れくさそうにはにかむ。


やべぇwかわいいww








貫田雄大と日辻椿の恋愛の物語、これにて終了!

















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