第七話 「月光」
桜乃助は、準備していた。
今夜、悪徳商人の屋敷に潜入するからだ。
「飛瑛、準備は出来たか?」
「できてる〜」
金髪、飾りを多くつけた男。
飛瑛は紅の幹部だ。
貧しい家を出て、十三歳の頃に入った。
そこから二年で幹部へと成り上がった。
女癖は悪いが、腕は立つ。
今は鎖鎌を手入れしていた。
「今日も窓から〜?」
「そうだ。」
「警備は〜?」
「他の奴らに任せる。俺らは金品と、商人の確保だ。」
「証拠は〜?」
「三つ。同心への賄賂、娘攫い、そして詐欺だ。」
「なかなか屑だな〜」
「お前も女癖に関しては屑だ。」
「ひどいな〜」
そして、月が姿を現した。
「お前ら十人は正面玄関の護衛。凛と飛瑛は中の護衛。俺は金品と商人を。正面玄関の護衛の対応が終わったら凛達に加勢しろ。」
桜乃助が指示を出し、屋根の上に飛び乗る。
「…開始…」
十人が正面玄関の護衛を、音を殺して気絶させる。
「凛、飛瑛。」
「は〜い…」
三人が窓から入り、桜乃助は商人の部屋に向かう。
「なんだ?!貴様!」
「お前に名乗る筋合いはない…!」
腹に三発打撃を加え、縄で縛る。
「ぐぅ…!」
そのまま金品を袋に詰める。
「頭領〜!」
「早かったな。」
そのまま桜乃助以外の十二人は屋根に出た。
「頭領は奉行所へアイツを持っていくから、アタシらは金品をばら撒くよ!」
凛を先頭に、金品をばら撒くのを見ながら、桜乃助は商人を担いだ。
「何をする!どこへ行く!」
「奉行所だ。」
「やめろ!金はいくらでも払う!」
「もう話すことはない。」
そのまま奉行所の近くの杭に縛りつけた。
「もうその汚い面を見ることはないだろう。」
「解け!早く!」
「フン…」
そのまま去っていく。
(アイツは…今頃寝ているか…)
アイツとは、八千代のこと。
(明日…会いに行こう…)
そのまま拠点に帰った。
「頭領〜!」
凛が出迎える。
「どうした。」
「小判十枚取っといたぞ!」
「そうか。」
自室へ向かおうとする。
「相変わらずそっけないなぁ〜」
飛瑛が呟く。
「しょうがないよ〜」
そのまま桜乃助は眠った。
第七話 「月光」 完




