第五話 「阻止」
昼頃。
「頭領〜」
「なんだ…」
「八千代ちゃんの所行ってくる〜」
「はいはい…」
「あとさ〜…」
「ん?」
「桔梗が頭領の女装って言っていい?」
「やめろ!絶対に言うな!」
「わかったわかった〜」
凛は猛ダッシュだった。
「八千代ちゃ〜ん!」
「あ!あの時の!」
「やっぱ可愛い…」
凛が溶け始める。
「あの!名前聞き忘れてて!」
「名前?アタシの?」
「はい!」
「アタシは凛って名前〜」
「ふぇぇぇ…!」
八千代は「へぇ」と言ったつもりだ。
「可愛い…」
また溶ける。
「あの…最近ちょっと悩みがあって…」
「教えて!」
「その…その…」
「うんうん!」
「気になる人が…二人いて…」
「二人?!」
「その…すごいかっこいい人と…すごい綺麗な女性…」
「特徴は?」
「男の人はすごいかっこよくて…綺麗で…紫の着物着てて…」
(あ、ウチの頭領だ…)
「女の人は…もっと綺麗で…黒い着物着てて…」
(こっちも頭領だ…)
「どっちがいいか迷ってて…」
「それは迷っちゃうね…」
「そうなんです…どっちも…よくて…」
それから夕方まで話した。
「ただいま〜」
「遅かったな…」
「ずっと話した〜」
「そうか…」
「八千代ちゃん頭領のこと気になってる見たいだよ〜」
ニヤニヤしながら話す。
「?!」
「ホントだよ〜」
「黙れ!」
また照れて自室に篭る。
「八千代ちゃん桔梗も桜乃助も好きだって〜!」
「黙れ!」
桜乃助は、寝れなかった。
翌朝。
「頭領、朝飯でっせ…!」
桜乃助の自室に入る。
「あぁ…」
辰三。
紅に三十年前からいる隊員。
前々代の頭領の時に入隊。
「栄養取らんと、早死にしまっせ。」
「わかってる…」
前々代は二十五歳で頭領となり、四十歳で病死。
前代は二十一歳で頭領となり、三十八歳で病死。
桜乃助は前代が二十三歳の頃に誕生。
「病気は気をつけた方がいいからなぁ…」
「病気…か…」
桜乃助は病気になったことがほとんどない。
幼少期に風邪を引いたくらいだ。
ただ昨日は咳き込んだ。
「凛のヤツ…」
「凛?アイツは呉服屋に行きましたぜ。」
「またか…」
「また…?」
「話すと長くなる…」
第五話 「阻止」 完




