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恋染め暖簾  作者: 無頼
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第四話 「偶然」

桜乃助は、準備をしていた。

「頭領〜化粧してあげよっか?」

「自分でできる…!」

鏡台の前で髪を整え、女物の着物を着る。

「ホントに女装似合うね〜」

「そうか…」

女装である。

潜入調査の時は、度々女装し、紛らわす。

「いってら〜」

桜乃助は、街へ出た。

(最近、盗賊が狙っていると言う店を下見しておくか…)

街を歩けば娘が振り向く。

今度は男が振り向く。

(ここか…)

店に入る。

しかし、外の看板に「渡海屋」とあった。

「いらっしゃいませ〜!」

(?!)

桜乃助は困惑した。

(八千代…?!)

ただ、八千代は気付かない。

「綺麗ですね!」

「あ、ありがとう…」

「お名前は?!」

「…桔梗です…」

「桔梗さん!」

八千代はグイグイ来る。

「綺麗〜…髪飾りも…高そう…」

「武家の娘ですので…今日は遠出で…」

「そうなんですね!」

桜乃助もとい桔梗は、焦っていた。

(何故コイツが…!)

「こちらはどうですか?」

反物を出す。

「なかなか…綺麗ね…おいくら…?」

「銀四十匁です!」

「買うわ…」

「ありがとうございます!」

そのまま買って、店を出た

「ありがとうございました〜!」

(銀四十匁…使ってしまった…)

盗んだ金品の大体は配るため、手元に残るのは大体三割程度。

(まずいな…)

桔梗はハッとした。

(下見…忘れた…)

少し俯いて、歩き出す。

「そこの姉さん!少し遊ぼうや!」

ならず者に絡まれる。

(またか…)

無視して歩く。

「あっ!ちょっと!」

小走りで拠点に帰った。

「おかえり〜…って…」

「買ってしまった…」

「なんで?」

「八千代が…いた…」

「あの?!」

顔を真っ赤にして、俯く。

「わかった!照れたんだ!」

「黙れ!」

桜乃助はヘソを曲げて、自室から出なかった。

第四話 「偶然」 完

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