第二十話 「新調」
桜乃助は、どこかへ向かっていた。
八千代はなぜかついてきていた。
「なぜいる。」
「気分です!」
「帰れ。」
「いいえ!」
八千代はこっそり腕を組もうとする。
桜乃助は煙管を取り出そうとした。
八千代の腕組みミッションは失敗した。
(くぅ……失敗……!)
それから少しして、古ぼけた建物に着いた。
「ここはどこなんですか?」
「鍛冶屋だ。」
「ボロボロですね…!」
「言うな。」
二人は奥へと入った。
そこには、桜乃助より二回りは大きい男がいた。
「…………」
「取りに来た。アレだ。」
その男はそのまま奥に入った。
「あの人……無口ですね……!」
「……無口ではない……」
「?」
「知らない奴がいるから怖がったのだろう……」
「へ?」
「そういう奴だ。怖がりなんだ。」
「……へぇ……?」
八千代は理解が追いつかなかった。
「……これ……」
物凄く小さな声で男が刀を渡す。
「ありがとう。」
「あの!」
男は少しビクッとする。
「お名前!何て言うんですか?!」
男は怖がって、奥へ行った。
「?」
「……帰るぞ……」
桜乃助は少し呆れた。
帰り道、八千代は考えていた。
「何で新調したんですか?」
「ずっと前から使ってて……この前刃こぼれしたからな……」
「ほへぇ……」
さりげなく、腕を組もうとする。
また失敗する。
(またぁ……?!)
八千代はちょっと落ち込みながら一緒に帰った。
第二十話 「新調」 完




