第十話「種明かし」
吉原から帰った翌日、また女装をさせられた。
「今度はなんだ…」
「秘密〜!」
凛に目隠しをされ、何処かに向かう。
「はい!目開けていいよ〜!」
そこには、渡海屋の垂れ看板があった。
「…帰る…」
「ダメダメ〜!」
そのまま店内へ。
(終わった…)
桜乃助はそう思った。
「いらっしゃいませ〜!」
八千代が駆け寄る。
「あれ…?桔梗さんと…お姉ちゃん?」
桜乃助は少し驚く。
そして凛に耳打ちする。
「お姉ちゃんってなんだお姉ちゃんって…!」
「え〜いいじゃん〜」
そのまま凛は桜乃助を前に出す。
「八千代ちゃ〜ん!重大発表〜!」
「へ?」
「桔梗さんは〜…!桜乃助だ〜!」
一気に髪飾りを取って、化粧を落とす。
「へ…?へ……へ?」
八千代はまだ飲み込めていない。
「嘘だ…!背中見せてください!」
八千代が駆け寄る。
「はいはい!」
着物をはだけさせた瞬間、桜の刺青が。
「へ…はへぇ…えへぇ…」
八千代はそのまま倒れた。
そしてどれくらい経っただろうか、ようやく起きた。
「あれ…?店番をしてたはず…」
「おっはよ〜!」
八千代が振り向く。
そこには凛と、桜乃助と桔梗が混ざったような男が。
「桜乃助…様…」
「……なんだ…」
「桔梗さんなんですか…?」
「…………そうだ…」
「はぁぁぁぁぁぁ…」
顔を真っ赤にして、八千代が部屋の隅に行ってしまう。
「頭領〜罪だね〜」
「黙れ…」
煙管を咥え、そっぽを向く。
少しして、八千代が振り向く。
「頭領って…なんですか…?」
一同、ポカンとする。
「言ってないの?!」
凛が桜乃助に耳打ちする。
「言うわけないだろ!」
「えぇ?!かっこいいって思われてそのまま恋人一直線だよ?!」
もう一回耳打ち。
「黙れ!」
桜乃助は顔を真っ赤にして出て行こうとした。
「あーまってまって!」
凛が引き止める。
「桜乃助はね!私たちの頭領!」
「どういう組織の…」
「義賊!」
八千代がハッとする。
「もしかして……紅…?」
「そう!」
「ちょっと前に商人の屋敷に入ったって聞きましたよ?!」
八千代が驚く。
「そう!任務!」
「ほへぇ…」
「反応が変だぞ。」
桜乃助がツッコむ。
「まさか…義賊だなんて…だから刺青が?!」
「そう!」
凛と八千代、二人で盛り上がる。
どさくさに紛れ、帰ろうとする桜乃助。
八千代の方を向いたまま、凛が服を掴んで留める。
「まぁ、頭領はいい人だから!」
桜乃助の背中をバンバン叩く。
「やめろ…」
もう力は抜けていた。
「あの…」
八千代が口を開く。
「紅の拠点に…行きたいです!」
「いいよ!行こう!」
「やめろ!」
第十話 「種明かし」 完




