紗月の司法取引 第四章 報復の一手
**矯正施設 監視カメラ死角**
「看守長のポケットから鍵束盗んでこいって?」
さゆりの提案に紗月が眉をひそめる。
「簡単に言うけどね……」
「簡単じゃない」さゆりの声が低くなる。
「でもあんたなら出来る。あの財閥のお嬢様教育は伊達じゃないはずだ」
**矯正施設 寝室棟 物影**
「見返りはタバコ一箱だけじゃない」
深夜の薄闇に桜木の輪郭が浮かぶ。紗月の震える手を制した。
「お前みたいな甘ちゃんは黙ってついてこい」
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**ラジオ体操の混乱**
「お手洗いに行ってきます!」
列を外れる紗月を目配せで合図する桜木。
廊下で待ち構えていたさゆりが壁に押しつけられる。
「何の真似だよ……」
(ゴッ、ドカッ……)
骨の砕ける音が廊下に響く。
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**制裁の代償**
「痛ぇ……畜生!」
血まみれの顔を抑え蹲るさゆり。
紗月が初めて見る彼女の弱さだ。
「これで貸し借りなしだ」桜木が背後で呟く。
「次の狙いは……」
ふいに紗月の指先が震えた。
(自分で決めるときが来た)
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**真昼の決断**
午後からの作業中看守長が近づいてくる。
「今日の報告は?」
紗月がペンを取り直し微笑んだ。
「何もありません。平和ですよ」
胸ポケットから差し出したメモには歪んだ文字。
《看守長の不正取引リスト入手済み》
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**変貌の兆し**
夕食時さゆりが席を立つ前に睨みつけてきた。
「覚えてろよ」
紗月は箸を止め見つめ返す。
(あの日の傲慢だった私はもういない)
夜の洗面所で鏡に映る顔は別人のように精悍になっていた。




