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正義悪か悪正義なのか  作者: みけ猫 ミイミ
第二章

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16/22

勇者の魔王

広間に集まって来た多種族たちの言葉を全て聞き取りバンヘルトは怒鳴ってしまい……。

 広間には数十名もの多種な魔族たちが居てバラバラに立っていた。

 その前にはバンヘルトとルシファーナが居て多種族たちをみている。

 遅れて幹部の五人が入ってきた。

 因みにライナネはバンヘルトの横でタウリグセがルシファーナの脇に立っている。

 ハンセスはタウリグセの隣。その横がナミシア。ライナネの隣にダイゼン。そんな感じに立ち並んだ。

 全員が揃ったことを確認するとルシファーナは話し始める。


「皆よく集まってくれた。勇者バンヘルトが王になってくれることになったぞ!」


 そうルシファーナが言うと周囲の者たちは騒めき出した。


「おおー……これで魔族領土の治安は安泰だ」

「人間の王か、寿命は大丈夫なのか? 直ぐ死んでもらっては困るぞ」

「フンッ! 説得? どうせ金品目当てで、ごねたんだろ」

「人間族の者たちが襲ってくるんじゃねえのか?」


 その他にも色々な言葉が飛び交っている。

 それらの言葉を聞き分けることできたためバンヘルトは怒りが湧き上がってきた。


「あー黙れ……うるさい! 耳が痛えー……全部聞こえてんだよ!! 好き勝手なこと言うなっ!!!!」


 そうバンヘルトが叫ぶと周囲の者たちは一斉に黙る。

 そう無表情のまま怒鳴ったため余計恐怖に感じたのだ。

 そばに居る者はそれ以上の恐怖を感じ取っている。


「そんなに不安なら、お前たちの中から選べばいい! オレは別に好きで王になる訳じゃないからな!!」

「バン……待って! これじゃ、また振り出しに戻ったじゃないか」

「こうなるのが普通だ。そもそもオレは王になんてなれる器なんかじゃない!」


 そう言いバンヘルトは無作為に一点をみつめた。


「毒も効かない者が人間なんてあり得ません。この勇者バンヘルト様は化け物ですよ。人間の領域を超え私共よりも遥かに能力の高い超人」


 嫌っていたはずのタウリグセが、なぜかバンヘルトのことを良く言っている。


「確かにオレは毒耐性を習得してる。だが、このことは仲間しか知らないはずだぞ」

「申し訳ありません。昨晩スープに毒を入れたのです。この罰は負うつもりでおります」

「そういう事か……やけに疲労感が増してると思ったが、そのためか。まあ毒を盛られたぐらいじゃ罰をあたえるつもりはないが」


 それを聞きタウリグセは言葉を失い黙ってしまう。

 そのやり取りを聞いていた多種族の者たちは歓喜の声を上げ始めた。


「それにしても……化け物、超人か。同じ種族の者には言われたことあったが。まさか魔族に言われるとは思わなかった」

「魔族だって寿命はあるし……毒を摂取すれば普通に即死だからな」

「そんなもんか……勇者になるための試練で習得した耐性だからなぁ」


 勇者の試練がどれだけ尋常じゃなかったのか。恐らくは普通のことをしてこなかったのだろうと思われる。


「どんな修行をしてきたのか……ガイモン様を倒した力は本物。それだけの鍛錬をしてきたのだろう。もっとオレも強くならんとな!」

「まあ……確かに泣きたいほどツラかった」

「なんと……それほどまでに厳しい試練を乗り越え勇者の証を手に入れたとな。魔族とて……そのようなものを熟せる者など居ぬだろう」


 目を輝かせライナネはバンヘルトをみた。


「勇者の試練……オレも」

「ダイゼン……この領域を出たら駄目だからな」

「ルシファーナ様……そこはどうか」


 それを聞きバンヘルトは心の中で、こう云うのもいいなと笑っている。


「余計な話はそのくらいにしたらどうだ。なんのために各種族の代表に来てもらったのか分からなくなる」

「ハンセスの言う通りだよ。みんなにバンヘルト……バンヘルト王を正式に認めてもらうため呼んだんだからな」


 満面の笑みで言い放ちルシファーナはバンヘルトをみつめた。


「今なら撤回できるって訳か……」


 その言葉を聞いた各種族の者たちは驚き騒めき始める。


「バン……いい加減にしてくれ。みんなビックリしてるじゃないか」

「そうだな……ルナ。仕方ない、やってやるよ!」


 半分ヤケ糞だ。


 それを聞いた周囲の者たちは歓喜の叫びをあげている。……単純だ。


「それで……今日はお披露目だけか?」

「交流会もかねてるんだ」

「なるほどな……それでオレはどうすればいい?」


 嫌な予感がしてバンヘルトは周囲を隈なくみた。


「椅子とテーブルを用意するから、そこに座ってみんなの相手をしてくれればいいよ。それと食事の用意もするから」

「聞かれたことに対し受けごたえすればいいのか?」

「それでいい。だけど変なことは言うなよな」


 変なことってなんだと思いバンヘルトは首を傾げる。


「意味が理解できないが……まあ適当に答えておく」

「アタシも一緒について……」

「ナミシアは料理を運ぶのを手伝え」


 そうルシファーナに言われナミシアは「ハーイ」と返事し不貞腐れるも厨房へと向かった。


「料理か……今度は毒入りじゃないよな」


 冗談交じりに言いバンヘルトはルシファーナをみる。


「毒入りは大好物じゃないのか?」

「そんな訳あるかよ」


 そう言いバンヘルトは心の中で笑っていた。

読んで頂きありがとうございます(*^▽^*)


では次話もよろしくお願いします(о´∀`о)

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