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俺の女性不信が加速している件について〜美少女に取り込まれる地獄。それでも俺は一人でガンプラを組んでいたい〜  作者: 新詳カサト


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第五話 生徒会長 不知火 凛


新入生歓迎会という名の「集団幻覚」から逃れ、ようやく平穏な放課後が訪れるはずだった。

 だが、放課後の廊下で俺を待ち構えていたのは、斉木雫の追撃……ではなく、さらに巨大な「権力の象徴」だった。


「君が孤崎透くんだね! 素晴らしい、実に素晴らしい『拒絶の構え』だったよ!」


校門へと続く廊下の中央。

 無駄に整った容姿をさらに無駄に光り輝かせ、一人の女子生徒が俺の行く手を阻んだ。

 腕には『生徒会長』という、見るだけで胃が痛くなるような腕章。


(——なんだ、この女。登場と同時にポージングを決めてやがる。この角度、左斜め45度。自分が最も美しく見える黄金比を完璧に把握している。……計算高い。あまりに計算高すぎるぞ)


俺の不信感センサーが、これまでにない異常数値を叩き出した。


「私は生徒会長の不知火しらぬい凛。孤崎くん、君を我が生徒会執行部の『不信感担当』としてスカウトに来た!」

「……は?」


不信感担当? なんだその、あってもなくても困る役職は。


「歓迎会での君のあの『死んだ魚のような、かつ、すべてを冷笑するような眼差し』。痺れたよ。今の生徒会には、君のような『誰も信じない、疑り深さの権化』が必要なんだ!」

「お断りします。俺は空気になりたいんだ」

「ふっ、断ると思ったよ。だが、これを見てもかな?」


不知火会長が懐から取り出したのは、一枚のチラシだった。

 そこには『札幌模型コンテスト・学生部門開催!』の文字。


「このコンテスト、実は我が校の生徒会が後援していてね。入賞すれば部費……いや、君の場合はガンプラ購入資金の助成が出るよう、私が裏で手を回してあげよう」

(——出た。欲望を利用したハニートラップ。しかも、俺の趣味を完璧にリサーチしている。斉木雫か? 雫がこの女に情報を流したのか!?)


俺の脳内では、雫と会長が暗い部屋で俺のプロファイルを共有している悪魔のような構図が浮かび上がっていた。


「……会長、残念ですがその誘いには乗りません。俺は自費で組むからこそ、メカの純粋な構造美を享受できると考えているので」

「っ!? 経済的自立を盾に、私の『恩を売る作戦』を真っ向から否定しただと……! おのれ、やはり一筋縄ではいかない男」


不知火会長はなぜか悔しそうに身悶えし、その場でノートに何かを書き込み始めた。

『孤崎透:弱点なし。強固な不信感により買収不可。……むしろ、そこがいい!』


「……聞こえてるぞ。不気味なメモを取るな」


女性不信が加速しすぎて、もはや恐怖を通り越して「呆れ」という新境地に達しそうだ。

 女子の笑顔は打算。教師の言葉は保身。

 そして生徒会長は……ただの変人(プロット外のバグ)。


「孤崎くん、諦めないよ! 明日は生徒会室で、最高級のPGUのνGを用意して待っているからね!」

「来ません。絶対に」

『正直、行きたいがここは我慢だ』


全力で立ち去る俺の背後に、会長の高笑いが響き渡る。


期待は猛毒。信じるのはリスク。

 だが、想定外の方向から飛んでくる「奇行」という名のノイズは、俺のフィルターでも処理しきれない。


「……誰得なんだよ、マジで」


俺の不信感メーターは、もはや故障気味に針を左右に振らしながら、別の意味で加速し続けていた。

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