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姫さま一行は金欠で②



 石造りの庁舎の廊下を、無頼は年若い女性に連れられて歩いていた。

 オレーサの行政を司る建物であるだけに、建物内部の人通りは多い。擦れ違う役人や兵士たちは今朝の城門騒ぎの主犯である無頼を興味あり気に見つめ、その巨躯と雰囲気に納得して離れていく。

 オレーサは新しい街だ。

 ネブラスカとの国境監視の必要性を感じた王政府が、元はもっと後方に位置した集落や町村を城塞都市として一つに纏めたのがオレーサである。設立当初は何度も進攻を受けたオレーサも、その鉄壁の守りが中原に知れ渡ってからはネブラスカからの侵攻も減り、ここ数十年は小競り合いを続けながらも平和を謳歌している。


「だからギルドが来たんだよ」


 女性は得意気に胸を張る。痩躯で揺れる双丘は大きくはないが、形は良い。男をあまり意識したことがないのか、その行動から恥じらいは感じられない。


「治安は大切だな」

「ギルドは傭兵ギルドや冒険者ギルドみたいな戦闘系だけじゃなくて、商人やら魔道術研究者みたいな非戦闘員が所属するギルドもあるから、治安は大切なんだ」


 無頼を先導するリルエットはギルドから派遣された人員である。

 ミロシュより少し高めの背丈に肩辺りで切り揃えられた朱色の癖毛、ぱっちりとまん丸な瞳は快活さを感じさせる。そして華奢な背筋の下辺りから飛び出した二枚の大翼が、無頼の興味を掴んで離さない。


「…………」


 青白い翼だけ。それ以外は人間と変わらない。


「ひゃん!」


 ごくり、と唾を飲み、その質感たっぷりの翼に無頼は手を伸ばした。


「触ったら不味かったか? 興味本位でつい……ぐぼぁっ!」

「次触ったら殴るんだよ、本気で!」


 顔を赤らめたリルエットの拳が突き刺さる。

 細身でも冒険者と名乗るだけあり、リルエットの腰の入った良い拳を受けた無頼は膝を折る。

 バサバサと羽搏くリルエッとの背中からは青白い羽根が何枚も舞い落ち、それを拾って目を丸くする無頼を見てリルエットはたじろぐ。


「ま、まさか翼人を初めて見た……とか?」

「ああ、そんな種族がいるなんて知らなかった」

「ごめんなんだ! てっきり、羽が抜かれるのかと思って、僕……」


 リルエットは両手を合わせて頭を下げ、釈明を始める。

 翼人の羽根は高級ペンの材料になり、擦れ違いざまによく抜かれているのだとリルエットは頬を膨らませる。

 羽根だけではなく、頑強で軽い骨や鮮やかな魔力核――人間とほぼ変わらない翼人は、他の種族より優れた体の構造を持ち、死体は生前の美しさ以上の価値と評される。それだけが原因ではないが、体内に上質な素材を秘める翼人は昔から悪意ある人々に狙われ、一時は種族の存続が危ぶまれるほどに個体数を減らしていた。

 翼人の多くは中原とその周囲を固める国々を捨て、冒険者の助けを借りて帝国と聖王国の間に広がる峻嶮な剣竜山脈に逃げ込んだ。飛竜の住まう山脈地帯は人を容易に寄せ付けず、一定の数を取り戻した後も翼人は平地に降りて来なかった。

 翼人たちには今も地上は恐ろしい場所で、人間を追い払う飛竜たちは皮肉にも翼人にとって天敵である。人々の魔手から逃れた翼人たちの今を知ることは誰にも出来ない。


「ほら、僕はギルドに所属する冒険者なんだ。だから例外」

「そうなのか」

「そうなんだ」


 再びリルエットは無頼を出口まで先導する。

 リルエットはオレーサの街に滞在しているが、オレーサの役人でもなければ兵隊でもない。重要案件が度々舞い込み頭数の不足するオレーサで、優先度の低い無頼の身柄はギルドに丸投げされるのだ。上級騎士や上級魔道士に優るとも劣らない異様な戦闘力を持つ闖入者――多く住民の前でそれを誇示した無頼を御せるのはギルドしかない、と。


「だから、オレーサに滞在する間は僕が監視役になるんだ」

「俺にはツレがいるが、ツレも含めて監視するのか?」

「行動を共にするなら、やっとけって言われてるんだ。面倒だけど」


 ポリポリと頬を掻きながらリルエットが答える。

 オレーサからの監視依頼をギルドがどれだけ本気で取り組むのかは分からなかったが、無頼にとってベロニカの正体が知られる可能性は何が何でも避けなければならない。

 しかし、リルエットは無下には出来ない存在だ。

 無頼たち三人がこの街に来た目的はギルドに加入、そして後ろ盾を得ることだ。

 聖王国の王族であるベロニカは『紅燕の旅団』とその背後組織から狙われている。

 どういった意図があるのかは分からないが、ベロニカには価値がある。『紅燕の旅団』は魔法使いの隠れ家に乗り込んでくるほどの執拗さを見せた。生きていると分かれば追跡を仕掛けるのは明白で、個人の集まりのままでは逃げきれない。

 ベロニカとミロシュ、そして無頼は中原の地理に明るくない。

 中原で一定の権力を持ち、ベロニカの祖国――聖王国と友好的な自由都市連合を発足地とするギルドの後ろ盾を得られたならば、多くの問題を解消出来る。


(だが、――――……)


 無頼とリルエットは庁舎の出入り口に辿り着く。

 そこから見える街並みは無頼が思っていた都市より建築材的な意味合いで古く、石材を中心に建設された建物は中世の世界観そのものであった。人通りが疎らな大きな道路には燦々と太陽が照り付け、白い石畳に反射して街並みを眩しく彩っていた。

 空を飛んでいるのは鳶だろうか、高い鳴き声が空を見上げる無頼の耳朶に触れる。


「リルエット……面倒なら、監視は要らないぞ」

「えっ、そう? 要らないの?」

「どうせ宿屋はギルドが用意してくれたんだろう? ならば実質監視しているようなものだ。何ならギルドと相談してくればいい。もう今日は疲れた。俺は休みたい」


 ポカンと口を開いたリルエットを置き去りに、無頼は陽光の下に歩み出る。


「それとも、同じベッドで寝顔まで監視するのか?」


 そして振り返り、ニッと笑い掛ける。

 相手は初対面の女性。旅の仲間の前では絶対に口にしないセクハラ寸前の冗談で体よく追い払えるだろうと無頼は考えていた。

 しかしリルエットはハッと目を見開くと、無頼の言葉を受け入れる。


「それは良い案なんだ。僕、強い男は嫌いじゃない」

「……冗談だぞ?」

「父さまと母さまも、そうやって出会ったって言ってたんだ」


 そんな聞いてもいない出生の秘密を口にしながら、リルエットは無頼の背中を追う。

 顔を引き攣らせた無頼が背後に目を向けると、満面の笑みを浮かべたリルエットがそこに居た。その姿は親鳥の後を付いて回る幼鳥と重なり、何時芽吹くかは兎も角、厄介の種なのは熟考するまでもない。


(逃げても無駄なのは分かっているが……)


 無頼は自然に歩調を速める。

 大切なのは、一先ず撒くことだ。宿が知られているとしても、そこに辿り着いた時の状態次第で今後が変わる。

 宿の手配から町の有力者への手回しまで、無頼たち三人の面倒はギルドが見てくれている。そこに無所属の実力者を確保して戦力を維持したいという打算的な意図が含まれているが、元よりギルドに加入する予定のある三人にとって害はない。寧ろ監視という名目の案内役まで付けてくれたのだから、願ったり叶ったりな好待遇である。

 早歩きの歩幅は徐々に広がり、リルエットは既に走り始めている。

 隠れ家で決めた計画ではオレーサに滞在するのは最短で三日、ギルド加入の手続きや情勢次第で最長で二週間ほど。この日数を越えると出費が嵩み、ただでさえ頼りない旅費が不安な域に到達する。

 ちなみに旅費とは、サクラメントが『紅燕の旅団』から接収した財布の中身である。


「ぶ、無頼! ちょっと速いんだ……!」

「これが普通だぞ」


 動揺するリルエットに合わせて、彼女に対する負い目を無頼は置き去りにする。

 日銭を稼ぐために旅をする状況に陥ってはいけない。ミロシュのように経験を積む目的で旅に出たならばそれも良いかもしれないが、無頼とベロニカが欲しているのは経験ではない。

 金だ。それも一千万シードの大金だ。

 余計な出費は徹底的に削る。最低限の食費に宿代、投資や資産運用の必要性も無頼は感じていた。

 どちらにしても現在の種銭である旅費、これは死守しなければならない。それにはまず必然的に割高になる三人の宿代や食事代――街での宿泊は可能な限り減らす方向に持っていく。多少の危険と不自由を我慢出来るなら、場所代の掛からない野宿が最も財布に優しいのである。


「わっ、無頼、待ってほしいんだ!」


 無頼は本格的に走り出す。

 ここでリルエットを撒く。撒かなければならないのだ、絶対に!

 人通りの少ない行政区を抜けた二人は、雑多を極める商業区に突入する。

 真昼の商業区は行政区と違い人通りが多く、道路の端には軽食を出す露店も見える。他にもアクセサリーや古着を店先に並べた露店が数多く並び、その前で足を止める人々の数は更に多い。

 無頼は器用にその合間をすり抜けていく。

 頭一つ飛び抜けた長身が着実に彼らの視線を集め、城門前の騒動――オレーサ市民には男女の縺れからの決闘と伝えられている――の噂に興味を寄せていた彼らが口々に声を上げる。


「噂の色男が走ってるぞ」

「道を開けろ道を。若い女は特にな。ハッハハ」

「おいおい、今度は冒険者を……ってリルちゃんじゃねーか!」


 妙な受け入れられ方に無頼は困惑しつつも、後方で小さくなっていくリルエットの姿を見て安堵する。後はこのまま商業区と居住区の合間に位置する宿屋に向かい、何食わぬ顔でリルエットを迎えればいい。

 二人同時だけは、いけない。

 今リルエットは妙なことを口走る可能性が高い。それが紛れもなく無頼自身の軽口に端を発するものであるが、誤魔化しが利かない訳ではない。しかし無頼とリルエットが仲良く腕を組み、一緒に宿屋に辿り着いたら致命傷。そこでベッドの中で云々など口にしようものなら、ベロニカとミロシュは十中八九身構える。特にミロシュは男性を忌避している節がある。身の危険(性的な意味で)を感じたら師匠の言い付けを破ってでも旅から離脱するだろう。ミロシュとの関係悪化はサクラメントとの関係悪化に繋がり、それはベロニカの治療に影響が出る。弟子の面目を潰されて喜ぶ師匠などいないのだから。


「…………」


 それでいいのだろうか、と無頼は立ち止まる。

 記憶がない。それを自覚してから今まで、無頼は意図的に口数を減らしていた。

 自分がどういう人間か分からない。振舞い方も、喋り方も、行動理念から何から何まで。以前はどんな生活を送り、周りにはどんな友人や仲間がいて、どんな仕事に就いていたのか。

 分かるのは黒短刀を持ち、身体が振り方を覚えていたことだけだ。

 それに気づいてからの無頼は、考えて行動する回数を減らしていた。ベロニカとミロシュから離れた場所では特に、意識して無意識に言葉を発するようにしている。

 そうすれば記憶がなくとも本来の自分が表層に表れる筈だと信じていた。


 だが、本当にそれでいいのだろうか。


 表層に表れた本来の自分、その性根は腐り切っているかもしれない。女性を前にしたらセクハラを、気に入らない相手は暴力で屈服させる。他人を利用することしか頭になく、目的の為ならば手段は選ばない。相手に向ける慈悲はなく、可愛いのは自分だけ。

 そんな自分が潜んでいるかもしれないのに?


『亡霊挽歌』が励ますかのようにカタカタと揺れる。

 この魔剣は時折意志が宿っているかのように震える。危機が迫る時や嬉々として柄を握った時、そして答えのない悩みを抱えている時。

 全てを解決するには魔剣(じぶん)を頼るしかない、そう呼び掛けてくる。

 無頼は震える柄を手の底で押さえ、苦笑する。


「無駄な考えだったな」


 魔剣はピタリと震えを止める。

 無頼の視線の先にはベロニカがいた。

 無頼に気付いたベロニカは、慌てるミロシュの手を引き、こちらに駆け寄ってくる。浮かべた安堵の色は固く絡まった無頼の思考を解し、"本来"なんて確かめようのないものに拘る自らの馬鹿らしさを教えてくれる。

 あの狭い荷馬車の中で咽返る血の臭いを嗅いでからずっと、無頼はベロニカの虜になっていた。

 笑顔も泣き顔も、時に見せる真剣な眼差しも全て、無頼の心を掴んで離さない。

 恋心や愛情、忠誠心とは違う。言葉で表せない妙な感情に無頼は支配されていた。

 知らない世界に、空白の記憶を持たされ独り放り出された無頼にとって、それは何物にも代えがたい依代であった。


「ぶーらいー!」

「ぐほっ!」


 ベロニカと同じく安堵を浮かべた無頼の元に、砲弾のような何かが衝突する。完全な不意打ちに無頼は舞い降りた相手を巻き込んで派手に大通りを転がる。

 砂埃が巻き上がり、街並みが薄まる。

 リルエットが空を飛んできたのだと気付き、無頼は頭を擦りながら目を開ける。正面には空色の瞳を輝かせたリルエットが馬乗りに、少し離れた場所では驚き口を開いたままのベロニカとミロシュが足を止めて佇んでいた。

 ベロニカは驚きと不安を半々に、ミロシュは颯爽と我に返って詠唱を始めている。


「僕、探したんだ!」

「……待て、リルエット、やめてくれ!」


 無頼は恐る恐る声を出す。物凄い勢いで押し倒したリルエットは無頼の首筋に唇を押し付け、服の中を弄っている。肩を押して無理矢理引き離すと、再び抱き着こうとするリルエットを押し止める。


「しないの、無頼?」

「当然だ! 真昼の街中で、おっぱじめる奴がいるか!?」

「あ、そうか! 言ってたんだ、ベッドの中なら――――」

「それは冗談だ、冗談! ああ、もう……!」


 首を傾げるリルエットにどう説明したものかと無頼は頭を掻いていると、残暑を消し飛ばす寒風が二人に襲い掛かる。戦いの最中に魔道士が使う程の威力はないが、体重が軽く翼が風を拾い易いリルエットは派手に飛ばされ、無頼は解放される。

 首に付けられたキスマークを揉み消すようにしながら見上げると、そこには無言で無頼を見下ろすミロシュが立っていた。背中にはフードを目深に被ったベロニカが、道の真ん中で伸びているリルエットに牙を剥き、警戒を向けていた。


「……」

「取り敢えず、……助かった。ありがとう」

「いえ、このくらいは。ですが何をしていたんですか、無頼さん。連絡が取れなくて困ってたんです」

「城門前で拘留されて……、何処から何処まで話せばいい?」

「あの翼人のことも含め、詳しくは夜にでも。私は無頼さんが行きずりの女性を引っ掛けて遊んでも全然構いません。すらりとスレンダーながら出る所は出たスタイル、顔も凛々しさと愛嬌を程よくブレンドしてさぞ男心を擽るでしょう。ですが、ローニャの立場と境遇を忘れずに。旅の目的と、これからの予定も」


 ミロシュはじっとりとした瞳で淡々と言葉を吐き出していく。

 無頼は背後で立ち上がるリルエットの気配を感じながら、頻りに頷く。


「ここで出会えたのは幸運でした。ローニャをお願いします。私は昨夜、集落の件で呼び出されたので顔を出してきます。それほど拘束されるとも思えませんが、ひょっとしたらローニャと無頼さんにも声が掛かるかもしれません」

「呼び出し……なら、俺たちの仕業と知られたのか?」

「ええ、逃げた甲斐なく」

「そうか」


 無頼は肩を竦める。

 ミロシュは無駄手間だと落胆していたが、元々の目的はベロニカを表舞台に連れ出さないことである。三人纏めて取り調べを受ける状況を回避出来たのならば、それだけで逃げた甲斐(・・)があると言える。今のように片方が対応している間にもう片方がベロニカに付けば、ベロニカが表に出る心配はなくなる。

 ただ、二人はベロニカが異国でどれだけの知名度を誇っているのか知らず、また知る由もない。藪蛇は困るので安易に尋ねることも出来ない。狙われている事実だけは揺るがないのだから。

 会話が止まり、それ以上何も言うことが無いと移動しようとしたミロシュが「あっ」と声を漏らす。


「そういえば、ギルドから監視役が来るそうです」

「知ってるぞ」

「……はい?」


 日の光を浴びて汗ばむ首には細い腕が回され、スベスベとした感触がべっとりとした感覚に絡みつく。鬱陶しいことに違いはないが、色々喋られるよりマシだと諦め、無頼は自らの背中を明け渡す。

 そして一言、背中に圧し掛かるリルエットを指してミロシュの嫌な予感を肯定する。


「こいつが、それだ」


 ギリギリで言葉を飲み込んだミロシュの顔には「嘘でしょ」と呆れが浮かんでいた。

 当然逆の立場なら――ミロシュやベロニカにべた付く男がいて、そいつがギルドの監視役を名乗ったとしても無頼は一笑に伏して追い返すに違いない。

 たとえ事実であっても、絶対に。


「よろしく。私、ベロニカ」


 型破りなリルエットに怯むミロシュを押し退け、ベロニカが右手を差し出す。

 リルエットは暗色のローブから突き出された右手を前に逡巡するが、ベロニカが浮かべた朗らかな笑みに警戒を解き、その手を握り返す。

 途端、ベロニカはギュッと力を籠める。


「ひゃっ!」

「無頼の背中は、私専用だから」


 自分より年下のベロニカに気圧されたリルエットは、小さな手を振り払い再び背中に逃げ込んだ。ベロニカは笑みを張り付けていたが、目は少しも笑っていない。

 少しずつだが人だかりも出来始めた。無責任な人々は他人の修羅場を口々に揶揄し、好き勝手を囁いている。

 ミロシュに助けようと目を向けると、人混みに分け入る背中が視界に映り、無頼が声を上げるより早く人混みを掻き分けて消えていった。

 ニッコリとしたベロニカを見て無頼は頭を抱えたくなる。

 嫉妬、独占欲、そういった類の言葉が頭を駆け巡っている。


「ローニャ、今日は左手を貸してやる」


 双方を丸く収める為に、無頼は左手を差し出す。リルエットに逃げられた右手を優しく包むとベロニカの黄金色の瞳が喜びに輝く。

 罪悪感と左手に伝わる温もり、背中に掛かる一人分の重さを感じながら、無頼は人集りを散らしていった。


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