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おそらのきみへ  作者: ひかり
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むねのきず

『おそら』ではひかり以外の女の子はノースリーブの白いワンピースに裸足、男の子は白いタンクトップに白いハーフパンツに裸足の格好をしている。

ひかりだけレースやパールビーズがあしらわれた白いワンピースに片足だけ靴下を履いている。

「ねぇ、ひかりのお洋服、ちょっとだけ着てみたいな。」

せいらがもじもじしながらひかりにお願いした。

「いいよ。ちょっとだけ交換しよう。」

せいらとひかりはそれぞれのワンピースを脱いだ。

「はい!」

せいらは自分の着ていたワンピースをひかりに差し出したが、ひかりの胸の辺りをじっと見ていた。

ひかりも自分の胸を見た。ひかりの胸の真ん中に縦に線のようなものが入っている。

「なんだろう。」

ひかりは指でちょんちょんつついた。するとひかりの頭の中に強い光の中でひかりを囲むように立っている帽子とマスクをした大人たちの光景が浮かんだ。

『痛い、怖いよ、助けて、ママ…』

頭の中で声がした。すると、

「ひかり!せいらも!お洋服着なさい!風邪…はここでは引かないけど…そう!2人は女の子なんだから!」

とおっちゃんが慌てた様子で駆けつけてきた。

「おっちゃん、これなあに?」

ひかりは自分の胸の線のようなものを指差して聞いた。

「それは…その傷はひかりが頑張った証だ。」

「きず?がんばった?」

おっちゃんはしまったっといった顔をした。

「ひかり、今はまだ分からなくていいんだ。さあ、2人ともお洋服着るんだ。」

おっちゃんに促されて2人はお洋服を着た。

おっちゃんはニッコリ笑って2人の頭をなでて立ち去った。

「ごめんね。」

せいらがひかりに謝った。ひかりはニッコリ笑った。せいらも笑顔になった。

「ねぇ、ママって何か分かる?」

ひかりがせいらに聞いた。せいらが首を振った。

それを聞いていたこうたろうが、

「ママは僕を助けてくれなかった!僕があいつに叩かれているのに!」

と叫んで泣き出した。

「あいつって?」

せいらがビックリした顔で聞いた。

「あいつはいつも僕を蹴ったり叩いたりした。怖かったのにママは見てるだけ…狭くて苦しい所に入れられてもママは助けてくれなかったんだ…ママのことずっと呼んでたのに…」

そう言ってこうたろうはまた泣き叫んだ。

泣き声を聞いてまたおっちゃんが駆けつけてきた。後かられんととたいがもやって来た。

「こうたろう…」

おっちゃんがこうたろうを抱きしめた。

「お前は何も悪くなかったんだ。あいつもママも下界で罰を受けた。天国にも来れない。だからもう会うことはないんだ。」

こうたろうが嗚咽しながら、

「ママも…?もう会えない?」

と聞いた。

「あぁ、そうだ。」

こうたろうはまた泣き出した。

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