久しぶり
「サリー久しぶり!元気だった?」
「スカーレット貴方どういう事??!婚約破棄されたって何?」
「そのままだけど…とりあえず入らせてよ。」
そうねと中に入れてくれ、応接室へと案内される。このお家に来るの久しぶりだわ。最近は街で待ち合わせが多かった。
「それで!何故なの?」
「彼女が居て妊娠したって。」
「は?彼女?何それ。いつから?」
「3年だって。4年前に婚約したのに期間中ほぼ彼女が居たそうよ。」
「…ありえない。スカーレット可哀想。」
「それでね昨日朝から来たのよ。ハンス様が。」
「何しに?謝りに?」
「平民にされてしまうから私から回避出来る様言ってくれって。断ったらもう1回婚約者になろうとしていたわ。」
「ハンス様ってそんな変な人だった?」
「ね?驚きよね。このクッキー美味しいわね。」
「それ美味しいよね。隣国で今流行っているらしいわ。」
「隣国といえばキース様はお元気?」
「呼んだ?」
え?男性の声が聞こえ振り向くとキース様?数年ぶりに見る彼は凄く大人の色気を振りまく美青年に成長している。元々綺麗な顔をしていたがさらに格好良くなっている。
「キース様?!帰って来られてたのですか?サリー教えてよ!」
「今日朝帰ってきたの。私達家族も驚いているのよ。何年も帰ってこなかったのに手紙1つで、まさか帰ってくるなんて思わないわよ。」
「手紙?不幸事か何か?」
「借りていい?」
「いいけど無茶しないでよね。スカーレット嫌なら嫌って言うのよ。」
兄妹間でよくわからない話をしている。サリーに念押しされ頷くと、キース様に手を引かれ連れて行かれる。
「どこに行くのですが?」
「んーちょっとそこまで。スカーレットに話があるんだ。」
私に話?何だろう。サリーともまだ話が途中だったのに。馬車に乗り込み何処かへと出発する。
「キース様はまた隣国へ戻られるのですか?」
「いや、帰国した。もう戻らないよ。」
「そうなのですか?嬉しいです。またお会い出来るとは思って無かったので。」
「会えなくて寂しかった?」
「えぇ…まぁそうですね。昔はサリーに会いに行けばいつもお会いしてましたし。」
「私はずっとスカーレットに会いたかったよ。」
え…急になんだろう。照れてしまう。キース様を見ると優しく微笑んでいる。
「婚約破棄されたんだって?」
「はい。驚きましたがされました。」
「私と婚姻しよう?スカーレットが好きなんだ。」
「はい?」
「ずっと好きだった。サリーに会いに来るといつも会いに行っていた。でもお互い跡取り同士だから無理だと諦め隣国へ逃げた。気付けば婚約していたし祝える気がしなくて帰って来れなかった。」
「え?だからずっと隣国に?」
「そう。昨日サリーから手紙が来て婚約破棄されたって。急いで帰ってきたんだ。離れたけど諦められなかった。」
「でも跡取り同士…」
「我が家はサリーが跡取りになる。婿入りさせて欲しいな。」
「えぇぇぇ!!?嘘でしょ?サリーが跡取り?サリーは承諾してるのですか?」
キース様が私を好きだったなんて。驚き過ぎて全然思考がついていかない。え?どういう事??
「隣国から候補を連れてきた。サリーを支えられるだけの男だ。必ずサリーと上手くいくから安心して。」
「え?え?本当に?」
「スカーレットは私が嫌い?自惚れで無かったら好意を抱いてくれていると思っている。」
「え!?バレバレ?」
頬にチュッと口付けされる。バレバレだよってキース様が笑っている。え?本当に?
「本当にキース様は私が好きなんですか?」
「うん。誰よりも好き。離れても諦められない位にはスカーレットを愛してるよ。」
「キース様落ち着いてください。愛情が出過ぎです。」
「あ、着いた。行こう。」
何処に?今何処?え?と思ったら我が家にいる。何故?キース様は何しに我が家に来たの?
「スカーレットの父上いる?」
「いると思いますよ。ちょっと待ってくださいね。」
中に入るてターニャが居たので呼んできてもらう。その間応接室へと案内する。
「スカーレットの家に居るなんて変な感じ。」
「そうですね。いつも私が行っていましたから。ってキース様はお父様に何の用ですか?」
「ん?スカーレットを下さい…違うな。私を貰って下さいって言いに来たんだよ。」
は?って思っていたらお父様がやってきた。いやいや久しぶりだねと握手を交わしソファーに座る。
「隣国から帰ってたのかい?」
「はい。今日帰ってきました。いきなりですが私を婿にしてください。」
「え?お家はいいの?」
「妹に任せました。私はスカーレットがずっと好きで…でも諦めきれなくて今回婚約破棄を聞き駆けつけました。」
「キース君なら申し分無いが…本当にいいの?当主になるために勉強もしていたのでは?」
「密かにスカーレットを支える為に勉強していました。私なら横に立ち共に同じ方向を見れます。必ず幸せにしますので認めてください。」
よし!任せた!とキース様の肩を叩いている。え?本当に?私キース様と婚姻出来るの?
「妹へ跡取り変更が認められ次第、こちらへ婿入りしたく思います。それまでは通いながら少しずつ準備を進めたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。」
「早くない?!」
「スカーレットは早く私と住みたくないの?」
「私まだ婚姻話を飲み込めてない…。」
お父様が1度話し合いなさいと部屋を出ていく。キース様は私の手を取り、反対の手でそっと頬に触れる。
「スカーレット好きだ。ずっと好きだったんだ。私と婚姻して欲しい。」
「本当の本当?裏切ったりしない?彼女とか居ない??」
「昔からスカーレットだけ。他の令嬢何か見たこともないよ。前のクズな婚約者より私を見て?君だけを愛してるよ。」
「私もずっとキース様が好き。」
ギューッと抱きしめられる。温かい腕の中に安心する。ずっと憧れていたキース様と婚姻出来るなんて。
「ずっと大事にするからね。スカーレットと婚姻出来る未来が本当にあるなんて。夢みたいだ。諦めなくて良かった。」
そんなに好きでいてくれたなんて嬉しい。ハンス様とレニさんにお礼言わないと。婚約破棄してくれたおかげでキース様に求婚してもらえた。2人にお家位買ってあげようかしら。
「何考えてるの?余所見しないで。私だけを見て。」
「キース様に求婚してもらえるなんてって思ってました。大好きです。」
キース様の顔が近付き唇が重なる。蕩けそうな甘い顔で微笑まれ恥ずかしくなる。この人本当に私が好きなんだって実感する。
「サリーのお相手はもうサリーに会ったのですか?」
「今会ってるはず。家帰った時に父上には伝えて紹介したから。顔合わせは終わったと思うよ。」
「サリーは大丈夫なのですか?急に跡取りなんて。」
「この数年で話をしていたから、いきなりでは無いんだ。スカーレットが婚約破棄しなかったら帰国するつもりは無かったし、家族にはそう伝えていたからね。破棄してくれるなんて良い相手が居なくて難航していたのが逆に良かったよ。」
「本当にいいのですか?婿ですよ?当主になれませんよ?」
「スカーレットと一緒にいれるなら何だっていいよ。」
「私もキース様を幸せにします。一緒に居てずっと支えてくださ…い…」
唇が重なり可愛いって言いながら、キース様は止まらない。止めようと口を開けた途端舌をねじ込まれ、首元を支えられているから逃げれない。胸元を叩くがびくともしない。
「スカーレット…大好きだよ。」
色気全開で迫られ何度も口付けが降ってきて翻弄されてしまう。危険な人と婚姻の約束をしてしまったのかも知れない。
「話はついたかい?」
扉がノックされ慌ててキース様を強く止めるとお父様が入ってきた。恥ずかしすぎてキース様の腕にくっつき隠れる。
「はい!スカーレットも受け入れてくれ、妹に譲り次第来て良いと返事を頂きました。若輩者ですが義父上これから色々教えて下さい。」
頼もしい婿が来てくれお父様は嬉しそうだ。私も嬉しいがこれからもキース様に翻弄され続ける未来しか見えなくて不安に思う。キース様がこんなに押しが強いとは…。




