彰良の風邪(高専時代/楽、彰良)
「風邪!?」
朝、楽は彰良の部屋の前で驚愕の表情を浮かべていた。
彰良は滅多に無いほど顔を真っ赤にさせて、荒い息を吐き出す。
「うるせー……。風邪ぐらい引くわ。俺、休むから先生に言っといて。あと、玲に絶対近づくなって伝えてくれ。お前と清治もあんま近づくな。」
「いいけど……大丈夫?看病とかいらない?」
「いい。寝てれば治る。……あいつにうつすと大変なことになんだろ……。」
そう言いおいて、彰良は部屋のドアを閉めた。
有無を言わせない行動に楽は溜息を吐き出す。あんなにしんどそうで、何が寝てれば治るだ。
楽は彰良の部屋から踵を返すと、玲を探しに駆け出した。
夕方、彰良の部屋に行けば彰良が起きていた。
朝よりも体調は良さそうだ。
楽はそれに内心ほくそ笑むと、玲から預かっていた鍋を彰良に渡した。
「……お粥?」
「そう。しかも玲のお手製だよ!」
「玲の?」
「『筋肉バカもたまには風邪引くんだね。ちゃんとタオルケットお腹にかけて寝ろよ。』だってさ。」
「あのやろ……。」
彰良の複雑そうな表情に笑って、楽は彰良の部屋を後にした。
本当は心配して、彰良のとこに行こうとしてたのを、彰良の意向を汲んでお粥だけでもと玲が用意したと伝えたら彰良はどう思うのだろう。
ーー元気になったら教えてあーげよ。
いま聞いてまた体温が上がったら大変だろうから。
読んでいただきありがとうございます。
ハグレモノ短編第42話はいかがでしたか?
先週は三本まとめてでしたので、今回は短いのを一本にしました。
彰良も風邪は引きますが、一日寝たら治るタイプです。
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
次回は土曜日19:30頃に本編投稿予定です。
よろしくお願いします!




