激辛ラーメン(現代/楽、清治、彰良)
「〜〜っ、激辛ラーメン食べたい!!」
楽は安い大衆居酒屋の古いテーブルに、ジョッキの底を叩き付ける。
とはいえ、自身の怪力が乗らないように細心の注意を払って、だ。
しかし楽の怪力を理解している目の前の二人は、少しばかりギョッとた顔をした。
「楽、ガラスはダメだよ……。」
「馬鹿力なんだから気をつけろよ。」
「ち〜が〜う〜!!!ラーメン!!ラーメンの話してんの!!」
眉を下げる清治と、我関せずというようにグラスに口をつける彰良を睨みつける。
自分の怪力の調整なんて、自分が一番理解しているのだから二人にどうこう言われる筋合いは無い。
「よく言う。お前、うっかりで破損した事、山ほどあんだろーが。」
「本当にね……。」
「あーもう!うるさい!!そうじゃなくて、ラーメン!!ボクの話聞いてる!?」
再三の催促に、彰良と清治は顔を見合わせると溜息を吐き出した。
何その反応。超ムカつく。
「激辛ラーメンなんてお前しか食えねーだろ。てか一人で行けよ。」
「僕も苦手だから……ごめんね?」
「えー!やだやだ!!だって一人とか寂しーじゃん!!それに激辛ラーメン一杯食べたら、唇腫れて可愛くなくなるでしょ!?だから三人で行って、少しずつ分けよーよ!」
「腫れるって分かってるもの食べたくないよ……。明日も仕事なんだよ?楽、分かってる?」
「巻き込まれるだけだろ、俺ら。なんも旨味がない。」
それはその通り。でもムカつく。
特に彰良の正論ほど腹立たしいものはない。
だけど諦めるわけにもいかないのだ。
だって今日は玲がいない日。玲が居たら、流石に激辛ラーメンなんて言えない。
だってあいつ体調崩しそうだから。
今日は絶好のチャンスだ。
「お願いお願い!!この飲み会、ボクが出すから!!それでいいでしょ?」
手を合わせて必死に頼み込めば、根は気のいい友人たちは息を吐き出しながらも渋々OKしてくれた。
それに上機嫌で楽は会計のベルを鳴らす。流石にそろそろ飲み過ぎだ。
後はシメの激辛ラーメンを食べて、気持ちよく明日を迎えよう。
「結局楽に甘いよね、僕ら。」
「この歳になってお願いって言ってくるやつの気がしれねーよ。」
「玲もよくやるでしょ。ほら、二人とも行くよ!」
楽はさっさと会計を済ませると、二人を振り返って笑った。
次の日
玲「楽。今日清治体調不良で休みなんだけど。あと彰良も。」
楽「え、え〜?ボク知らないなぁ……。」
玲「……楽。またやったよね?俺、あれだけ前回言わなかった?仕事に支障を出すレベルは人に勧めちゃダメってーー、」
楽「(あわわ……玲の長時間お説教モードだ!逃げなきゃ!!)」
玲「……どこ行く気?」
楽「ひえ……。(逃げられないよ〜〜〜!!)」
読んでいただきありがとうございます。
ハグレモノ短編第29話はいかがでしたでしょうか?
ちょっと辛いラーメン、美味しいですよね。
でも体調壊すほどの激辛はなかなかしんどそうです……お腹のダメージとか……。
玲がいない日のわちゃわちゃした三人が好きなので書いてみました。
楽しんでいただけたら嬉しいです!
次回は土曜日19:30頃に本編投稿予定です。
よろしくお願いします!




