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④世界一不幸な少年って誰ですか?

無謀企画実行中!

 市場に行くと故郷には無いのが多くて目を引いた。

 ステイサムより北にあるからかジャガイモが多く安いのが印象的で理由を聞くと、毎年当たるやつがいるかららしい。

 チーズや牛乳も名物で港が近いから魚介も豊富、北海道みたいだ。

 それは何か記憶にないけどしっくり来る。


「待ちやがれ!」


 声をする方を見ると同い年くらいの黒髪長髪の少年が幼い少女を抱きかかえ逃げていた。

 顔には殴られた跡があり、追っているのは酔った中年冒険者だ。

 手には剣を抜いている。

 ボクが手に持つジャガイモを転がすと冒険者が踏み盛大に尻もちをついた。

 食材を無駄にしたけど少年が逃げれたのは良かったと思う。

 ああいう風に怒る酔っ払いは大抵悪いに決まっている。

 人混みでボクの仕業とは気が付かれないと思うけどその場を離れた。


 市場で見かけた食材で屋台で出す料理を、考えながら冒険者ギルドに向かっていると先程の兄妹(?)がいた。

 少女を抱え走ったからグロッキーなのか肩で息をし、妹(?)が心配してる。

 目が合ったので


「これ食べる?」


 先程買ったら焼き鳥を差し出す。


「⋯知らない人から貰ったら駄目なんだよ」


 しっかりしているな、親の教育?兄からの苦情?


「ボクの名前はスロー、これから冒険者登録に行くんだ。

キミのお名前は?」


「⋯マリー、こっちはジェイお兄ちゃん」


「もう知り合いだね!お兄ちゃんと食べてね」


 2本手渡すと冒険者ギルドへ歩き出す。


「⋯ちょ、ちょっと待てよ!施しはウケねぇぞ!」


「マリーちゃんと目が合って無視するのも変かなと思って、お近づきの印?」


「オマエもマリー目当ての変態か!」


 あー、さっきのはロリコン野郎から妹を守って逃げたのか。


「この街に来たばかりだから、知り合いになれたらという下心はあるけどジェイの思うような感情はないよ」


 じゃあまたといってその場を去った。


 冒険者ギルドは地元にもあったけど、全然違って大きくて立派で頑丈そうだった。

 流石、領都のギルドだね!


 中に入ると冒険者はまばらだった。

 ロビーには機嫌が良さそうな、職員らしいお兄さんがいたので話しかける。


「スイマセン、ボクは【ステイサム子爵領】から冒険者になりに来たスローです。どこで手続きすれば良いですか?」


 お兄さんは笑顔になり


「ようこそ【ロブ冒険者ギルド】へ、私、副ギルドマスターのトレントが対応させてもらうね」


「ええ!偉い人に対応してもらうのは恐縮です、待っても良いのであちらの綺麗なお姉さんが良いです」


「マセガキか!?私が対応するなんて早々ないんだからね!」


 ツンデレか!?

 ツンデレって意味不明だけどしっくり来る。

 考えていると手をつかまれ連れて行かれる。


「この部屋は?」


「私の部屋だよ」


「ゴメンナサイ、ボクは普通に綺麗なお姉さんが良いのでチェンジして貰えますか?」


「チェンジってそんな制度無いからね!」


 書類を出されたので、黙って必要事項を書いた。


「スローくんは文字が書けるんだね、誰に習ったの?」


 この世界には学校がないから、読み書きできる人間はそんなに多くない。


「家族と常連のお客さんです。実家料理屋なので⋯」


「なるほどね、師匠は【ハミングバード】?」


「そうですよ」


「あっさり答えるね」


「どうせ過保護な師匠が見守ってくれとかお願いしたんですよ?」


「キミは賢いね」


「そうじゃなかったら腹黒そうなお兄さんの部屋に連行されるとか、子供のボクでもわかりますよ」


「それが分かって付いてきたのは下心あるのかな?」


「師匠が凄いのは知ってますけど、どう凄いのか知らないんで知りたいです。」


「話すと長い⋯「短めで」⋯わかったよ。

キミの師匠は決闘の代理で名を馳せてね、AランクやSランクを夫婦のコンビネーションで何度も倒して【大物退治ジャイアントキリング】と呼ばれているんだよ。」


「やっぱり、うちの師匠は凄いんですね!」


 書き終わった書類をてわたす。

 トレントさんはざっと見て


「ちゃんと書いてあるけど、冒険者になるの?多分苦労するよ?」


「雑用中心ですし、戦闘からは基本逃げますから安心してください。

あと常時依頼の素材を旅の途中で持ってきたので何処に持っていけば良いですか?」


「モノは何かな?」


「薬草30束とゾンビの生首10です。」


「一人でやったの?」


「師匠にやり方を習ったので身体の処理もちゃんとしましたよ」


「薬草出してくれる?」


 テーブルに全部だすとトレントさんは鑑定する。


「何これ、異常な程新鮮なんだけど⋯⋯」


「ボクの【不殺】の効果です。薬草を抜いたらシステム上では薬草の死とカウントされるみたいで、ボクが抜くと生きている状態だからです。

師匠が考えてくれて実行しました。

鮮度か良いと+に査定されるんですよね?」


「ああ、しかし不遇スキルと思っていたが植物採取では使えるのだね。」


「自分でもビックリです!」


「本人だよね?何で知ろうとしてないの?」


「不遇、不遇、可哀想、可哀想と言われるので無いものとして考えてました。」


「そういうモノなのか?考え方大人すぎない?」


「ずっと世界一不幸な少年と思われたらこうなるんじゃないんですか?」


「この話はもう止めよう、今すぐお金は必要かい?薬師ギルドと相談しないとちゃんとした値段を出せないよ。

こんなケースは初めてだからね」


「良いですよ、生首のお金を貰えれば、あと魔石クズも貰いたいです。」


「解体所で両方できるから付いてきてくれ」


 生首1つで70デンおよそ7000円で7万円手に入れたことになるね。

 薬草一束で5デンだから150デンで、1万5000円どれだけ色つくかな?


「頑張ったな坊主、何日かけて刈ったんだ?」


「5日です、処理に使った魔石クズがもうないので貰えますか?」


「正しい方法を知っている新人はうれしいね!ほれ魔石クズだ。

あと報酬はギルドに預けることも出来るがどうする?」


「他ではCランクじゃないと出来ませんでした?」


「よく知っているな、ここは若手にキャンプ地開放しているから盗難が多かったからそうなったのさ。」


「なるほど!では60デン預けます。」


「あいよ!10デンは細かい方が良いかい?」


「お願います。」


 お金を受け取りキャンプ地の場所取りに向う。







お読み頂きありがとうございます。

連続であとがきも飽きてきた(笑)

取り敢えず、清竜人さんのファンです。

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