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㉜鉄拳ヒーラーデリ登場!

《デル視点》


 吾輩の名は【デル】冒険者ギルドの職員で馬車の御者を担当している。

 普段はギルドマスターや副ギルドマスターなどの幹部の送迎を担当しているが、今回はCランク昇格試験の試験地への送迎だ。

 ロブの街内の仕事が多いから、街から出るのは楽しい。冒険者時代を思い出すからな。


 バントと候補者を降ろすと暇だ。

 愛馬のジークフリードの毛づくろいやマッサージして時間を潰す。

 するとケーラがやって来る。


「皆は野営するからデルさんも合流してくれる?このまままっすぐ進めばわかるわ。」


「お前さんはどこに行くんで?」


「先駆けでロブに飛んで行くのよ⋯⋯疲れるから嫌なんだけどね。」


 ケーラは大きなため息をつくと風魔法で飛び立った。


「やれやれ、思ったより調査が難航したのかね?」


 馬車で森に入って進んでいるとジークフリードが怯えているようだった。

 オークの群れも蹴散らしたりするほど、勇猛なのに何に怯えているのだろうか?

 合流するとその答えは、明白となった。


「ヌエ様ぁーーーー!!!!」


「それを言うな!ライカはライカじゃ!オマエは誰なんじゃ!?」


「ライカ様ですね!強さと美しさを兼ね備えている素晴らしい名前ですね!

吾輩は冒険者時代に命を救われた事があるのです。偶然助けられたのは理解してますが心から感謝してライカ様を神として祀っているのです!」


「ライカのステータスに【信仰】が生えたのはオマエが原因か!」


「そうなのですね!吾輩のライカ様への感謝の想いが【神官】の職業になったのですな!

これは素晴らしいですね!

正式に【ライカ教】を興して布教せねば!」


「スロー、コイツ怖い何とかしてくれ!」


 ライカ様はスローくんの後ろに隠れ怯えている。やはり雷獣ヌエと恐れられているけど、カワイイ一面があるのですね。


「バントさん、この人何なんですか?」


「【鉄拳ヒーラー】と恐れられるギルド職員なのですが、こんな一面があるとは⋯⋯。」


「ギルド職員なのに恐れられることあるの?」


「元々優秀な冒険者だったのですが、引退後AランクとBランクがギルドの酒場でケンカしているのをボコボコした上ケガ一つなかったから付いた二つ名です。」


「前々から思っていたけど、二つ名は簡単に付きすぎない?ボクだけで何個もあるし!」


「というコトで吾輩は現役復帰し【道化師の食卓】に入ります!」


「どういう事!?脈略なさすぎてついて行けない!!」


 ギルド内で賢いと評価されているのに大したことないのかもしれない。


「君達には回復役がいないから吾輩が必要だろ?ライカ様を擁する君達が上に行くなら吾輩は必要だろ!」


「ボクは屋台資金を貯める為に冒険者になっただけで、ずっと冒険者するつもりも上を目指すつもりはないですよ?他のメンバーもそれぞれ目的ありますしね。」


「それは良くない!いずれ辞めるにしても今は冒険者なのだから大人が利用しようと動き出すのは必至!」


「デリさんを庇うわけじゃないけど、それはあると思うよ。私が同行したのも抑止力になればだからね。」(マカ)


「ボクは大人に利用されたくないです。皆がライカが楽しく過ごせて夢を叶えられたら良いと考えているだけなのに⋯⋯。」


 スロー⋯スロー様も尊いですね。流石は【使徒】様。

 おまかせ下さい、全ての悪意はこの拳で粉砕します!



《スロー視点》


 デリさんの第一印象は寡黙で仕事一筋な印象だった。なのに


「ライカ様!吾輩が先ずは毒見を!」


 ボクの料理をライカに出したらトンデモ発言!


「スローくんに失礼なの!」

「マリーの言う通りじゃ!例え毒が入っててもライカには効かない!」


 お前も失礼だぞ!

 その後もライカに構いまくり、軽い雷撃を受けても喜んでいた⋯⋯。


「朝一でロブに戻るので馬車で戻ります。」


「吾輩もジークフリードも光栄です!しかし⋯⋯ライカ様を乗せるからお前らは歩け!」


 うわーとボク達は思った。

 ライカは違う風に考えたようでデルさんを殴り飛ばした。


「貴様!ライカがデブと言いたいのか!?ぶっ飛ばすぞ!!」


 もう殴ってるから!大木を何本もへし折る強さでぶっ飛ばしてますから!!


 デルさんはムックリ立ち上がりライカの前で土下座すると必死に弁明をしていた。

 悪い人ではないのだけど、空回りしているよね?

 拗ねたライカは無視しはじめ、デルさんは頭を冷やすと森の中に、愛馬のジークフリードもついて行った。


 1時間後デルさんは戻ってきた.何故か豪華な馬車を引き連れて⋯⋯。

 話を聞くと、森を歩いているとボク達が討伐した盗賊の残党と出くわしたそうで、軽くボコりアジトから金目の物を奪い、持ちきれないので大商会の馬車に積んで戻ってきたそうだ。


 再びライカの元へ膝まづくと植木鉢に入った花を差し出した。


「ライカ様に出会い舞い上がっていたとはいえ、失礼の数々申し訳ありませんでした!

これは【バチバチ草】と言う静電気を発する草でございます。

吾輩の代わりにお側に置いてもらえれば幸いです!」


 ライカ黙って受け取る。まだ怒のようだ!


『マジですか!?ありがとうございます!!』


 と脳内で声がした。

 多分【魔賢師】の念話が発動したんだろう、その対象は【魔馬】の系譜のジークフリードだけだ。誰かと会話しているようで会話を聞く限りライカのようだ。

 デリさんを褒めると暴走しそうなのでジークフリードに加護を与え雷属性が使えるようになったようだ。

少しホッコリした(笑)





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