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㉚雷花(ライカ)

 死ぬほど痛い思いをしたけど、ヌエはダメージを受けてもすぐ回復した。

 まあ【痛覚耐性】を覚えたので、痛い思いをして良かったのか?


「流石に痛かったな(笑)過去の異世界人も不殺ホルダーも、こんな無茶をする奴はいなかったぞ!ヌエは流石に見る目がある!

もっと楽しむぞ!!」


 自爆でステータスが上がり体力も回復するけど精神的には疲労しているし、ボクは格上の戦闘では死なないし必死にヌエと戦う必要は無いのではと考え始めた。


「少し休憩しない?体力回復してもお腹は減るし、精神的に疲れは取れないし、急激にステータス上がったから力が馴染んでないし。」


「うむ、人間は不便な生き物だものな。」


「ご飯を作っても良い?⋯⋯ヌエさんは名前は?」


「ヌエはヌエだぞ。人間がそう言うから名前じゃないのか?」


「ボク達人間はヌエって種族として呼んでいるから名前じゃないよ。」


「そうなのか!?ヌエはずっと勘違いしていたのか?恥ずかしい(T_T)」


 すごく凹んでいる。

 例えるなら一人称がずっと種族名で「ボクの名前は人間」と言っているようなものだものね。


「名付けても良い?君の雷撃は美しいから【雷花ライカ】はどうかな?」


「ヴォオオオオオ!!!」


 森の木々が震えるほど雄叫びを上げる。


「気に入らなかった?」


「ヌ⋯⋯ライカは気に入ったぞ!乙女なライカにピッタリな名じゃな!」


 メスだったんだ。顔も声もおっさんだから勘違いしていた。

 ボクの魂が震えステータスボードが勝手に開く。


《職業【魔賢師まけんし】に目覚めました。》


「魔賢師?聞いたこともない職業だな。」


「オマエは魔賢師になったのか?久しく見なかったぞ。」


「ライカさんは魔賢師を知っているの?あとボクの名前はスローだよ。」


「スローだな覚えた!魔賢師は魔物と対話して友になる職業だな。昔ライカに従えと命じたから血祭りにしてやったわ!」


「従魔術の一種と勘違いしたんだろうね。というか、魔賢師に目覚めたからライカさんとボクは友達なのかな?」


「⋯⋯スローは友達が多いのか?」


「まあ、それなりにいるよ。」


「ライカは普通の友達は嫌だぞ!一番が良いぞ!」


「一番⋯⋯【魂友達ソールメイト】かな?スキルで継った友達だからね。」


「ソールメイト!今日からスローとライカはソールメイトじゃ!」


 ライカは上機嫌になり尻尾のヘビが揺れる。

 ヘビは少し気持ち悪そうだ。

 ボクのお腹がグーと鳴り


「料理作るけどライカさんは好き嫌いある?」


「⋯⋯ソールメイトにさんは付けんだろ!ライカと呼べ!肉が好きだが、人間の飯はマズイからな⋯⋯。」


「ボクの料理は美味しくて人気だからな!ライカに美味いと言わせてあげるよ。」


 ライカと関係を深め、彼女を満足させる料理を考え始める。



《コルト視点》


 レベル1のスローを、残して去るなんて不甲斐ない。同時にスローなら何とかすると考えるからたちが悪い。

 共に戦えない自分が本当に悔しい。ジェイとマリーが本気で何とかすると信じているのが、うらやましい。

 ヌアに至っては半分半分な気持ちだろう。

 自分は正直な話、スローは飄々とした態度の裏では命を捨てて皆を守る覚悟を決めていたと思う。


 森を抜けるべく進んでいると森を震わす叫び声がした。


「まさか、スローがやったのか?」


「森を鑑定する⋯⋯どういう事だ!?ヌエに匹敵する生命反応がある!」(バント)


 森を鑑定するとは魔力を多く使うことで、生命の数を調べることができる。

 この森には魔物が消えたから調査に来たのだから生命反応は2つのはず、両方大きいのは謎だ。


「戦っているの?」(マカ)


「わからないが動きはないな。」(バント)


「風に声を運んでもらうわ。風よ遠き声を私に届けて【ヴォキーク】⋯⋯ヌエとスローが会話しているみたい。内容までは途切れ途切れでわからないわ。」(ケーラ)


「きっとスローくんが説得したの!」(マリー)

「アイツならやりかねない。」(ジェイ)

「ヌエを説得って⋯⋯相変わらず常識からズレているね。」


 正直スローは死んだと思った、だから生きていると知っても言葉が出なかった。


 話し合った結果ケーラが様子を見て安全なら強風で知らせるとなった。



《ケーラ視点》


 スローの生存は素直に嬉しい【ロブ】に飛んで行くのは私でも少々キツイからね。

 自分に魔法で追い風をしてスローの元へ急いだ。


 そこで見たのはヌエに甲斐甲斐しく世話をする微笑ましい姿だった。


「スロー大丈夫?」


「あっケーラさん、職業に目覚めてライカと友達になったんですよ(笑)」


 興奮しているから、ちょっと何を言っているかわからない。


「スローの友達か?」


 ヌエが私を睨んでいる。正直ビビる。


「友達というか先輩だね。変な焼き餅をしないでよ。

ケーラさん彼女はライカです。」


「【実験師】風魔法のケーラです。ライカさんヨロシクお願いします。」


 彼女?と思ったが顔には出さない。まだ命が惜しいからね。


「うむ、ライカだ!敬称付きで名を呼ぶ事を許す!」


 聞きたいことは多いけど、スローが何度も話すのは手間と考え皆を呼んでいいかと尋ねた。


「ボクの【仲間】を呼んでいいかな?」


「スローの仲間ならライカの仲間だな?イイぞ!」


「どこで覚えたの!?」


「異世界人が似たことを言っていた。」


 2人のイチャイチャプレイは置いといて、許可を得たので強風を起こして知らせる。


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