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㉙気が付かなかった事

「遊ぶってかくれんぼですか?それとも追いかけっこ?ボクとしては三日三晩会話を楽しみたいんですけど。」


「全部楽しそうだ!でも戦いだ!本気は出さん全てをさらけ出せ!」


 ボクをすぐ殺す気はないようだ。

 皆が森を出るまで1時間は時間を稼ぎたい。

 アイテムバッグから片刃剣を出し両手で構える。

 一番好きで得意なのは【刀】だけど、切り札として温存したい。

 間合いを測りにじり寄り口から【魔弾】無属性の魔力の塊をヌエの足元に放ち目晦ませをして、側面やや後方から上段から斬りつける。

 ヌエは微動だにせず受け、剣は傷付けることもできず跳ね返る。

 【剣術】のレベルが上がったのが理解できた。

 技量が違いすぎて一撃でも技量経験値が入ったようだ。

 ならば本気を出さないうちに技量経験値を稼ごうと、できる限りの手段で攻撃する。

 当然ながら傷一つつかない。


「レベル1の攻撃じゃ傷一つつかないか⋯⋯。」


「そう腐るな、努力したのだろう。オマエの攻撃はレベル1では収まらん、戦闘も工夫しているし中級冒険者くらいは強いぞ!

口からの魔弾は驚いたぞ!」 


 ボクは剣をしまい。

 格闘術で勝負を仕掛ける。浸透系の打撃なら少しはダメージが入るはず!

 ヌエが避けないから、最大の浸透系の技【三交差】を放つ。

 遅い浸透と普通の浸透、最速の浸透系打撃を体内で交差させ威力を倍増させる。


「これは少し効いたな!しかも回復してものこる。」

「少しは通じて安心したよ。」


 ボクは連続で攻撃をしかけるも、浸透系の打撃が嫌なのか避け始める。

 ボクの感覚では30分は戦っている感覚だが、実際は10分程度だろう。

 肩で息をして呼吸を整える。


「それで全部か?もっと楽しませないなら仲間を狩るぞ!」


「それはさせない!ボクは兎も角仲間には手出しをさせない!」


 【刀】を出し居合の構えをする。

 摺り足でにじり寄り最速で剣を抜き一撃を入れる。僅かな傷を付けることに成功し、ヌエに抱きつきます。


「【自爆】!!」


 この世界の人間には【自爆】というスキルが備わっている。想いや生命力を糧にして敵に大ダメージを与える。

 大抵は使用後死亡するが極低確率で生き残る。その場合はステータスが大幅に上昇する。

 命を賭けた博打スキル、それが【自爆】だ。


 ボクは気絶していたのか?

 目覚めると森の中で目の前にヌエがいた。


「目覚めたな?やっと【不殺】の本質に気がついたようだな?」


「ボクはどのくらい気絶した?本質とは?」


「数10分か?オマエ達を見た時不思議だった。そこそこの強さな者と初心者、レベル1が混じっているからな。ヌエはコイツは【不殺】の本当の凄さを知らないのではとな。

不殺とは生命を奪えないスキルだ、その対象は?」


「まさか【自分】対象?不死身?」


「オマエは【不殺】に絶望せずに鍛えたのだろ?過去のスキルホルダーは絶望し自殺をしたから気が付くものは多かった。」


 ボクは前世と同じ感覚だったからさ絶望しなかったもんね。家族、師匠にも恵まれたから死ぬまで追い込まれたこともなかった。


「慢心するなよ?格上との戦闘では不死身に近いが不慮の事故や油断して刺されれば、死ぬからな。昔から【異世界転生】と【不殺】の持ち主との戦いは楽しかった。

両方を兼ね備えたオマエはヌエを喜ばさせてくれるに違いない。」


 過剰に期待されてもね⋯⋯。

 ほぼ不死身と分かっても、嬉しくないんだよ。不死身と言っても普通に痛いし熱いし、精神削れる。


「ボクは【異世界転生】な自覚はありますけど、記憶があまりないのでそっちでは、期待には応えられませんよ。」


 生活魔法の【ライト】に過剰な魔力を込めて

「【フラッシュ】!!」


「目が目が!!」と苦しむヌエに抱きつき自爆する。

 ステータスが追いつくまで何度でもやってやるぞ!気まぐれで仲間達を襲わせない!






 


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