②この世界のゾンビは魔物ではありません!
1時間に1話企画3話目です!
ヴァンダム侯爵領への旅は、順調で馬車で2日程で検問のある街に到着する。
ここから徒歩で5日ほどかけてヴァンダム侯爵領の領都【ロブ】に向う。
「領が変われば魔物の生態系はだいぶ違うからな、スローは魔物を倒せないが知っておくことは自分を守るためには重要だ」
ハンス師匠は、旅路で少し浮かれたボクを諌めるように語る。
「クスっ、偉そうに言っているけど少しでもスローと長くいたいだけなのよ。いつものように学んでくれたら良いからね(笑)」
「ナナ!それはいったら駄目だろ!師匠の威厳ってものが⋯⋯」
「私たちはスローに甘いから、はじめからそんなのないわよ(笑)」
いつものように少し緩い雰囲気は、ボクには心地良くあと数日で別れるのに淋しく感じる。
「ナナ師匠、ボクはお二人を尊敬し威厳あると思ってますよ」
ナナ師匠は頭を撫でて「スローは良い子ね」と呟いた。
検問の街では宿泊する事なく【ロブ】へ向かう。
野営の仕方などを教えてくれる為のようです。
しばらく歩くと街道から少し外れたところに、薬草の群生地を見つけた。
その近くで野営をするのはどうかと提案する。
独自調べでは、薬草の群生地では野菜などは育たないらしいので、魔物や動物が来ないのではと考えた。
「スローの考えは間違ってはいないわよ」
「この侯爵領でなければ正解と言える。
ここではゾンビが非常に多いからオススメは出来ない。」
「ゾンビ?動く死体ですか?」
そんな話は聞いたことないけど、何故か口から出た前世の知識かな?
「流石は私の弟子、博識ね!ゾンビはね生命力ある場所を好むから、薬草の群生地にいる事が多いのよ」
「俺達の弟子な、詳しくは知らなそうだから説明すると人間の死体がかかる病気で動くらしい。
魔物っぽいけど文字通り動く死体だ。
死体だから経験値もドロップアイテムも出ない。
若手に推奨の常時依頼なのだが色々手間が多く人気が無い。」
「報酬は下級冒険者の討伐近い金額なのよ、討伐証明が生首だし、死体の処理もあるのよ」
「動きが鈍く背後から襲えば、子供や老人でも倒せる。
【不殺】持ちのスローでも出来る討伐依頼だな。」
「動く死体は、疫病の元だから見かけたら倒すのは冒険者全体的に推奨されているのよ」
死体の病気か⋯⋯バイオだなと納得した。
バイオが何かよくわからないけど。
「ゾンビの対処法を教えるな、群生地を見回して堀跡を見つける。」
「そして、小さい鐘を鳴らすのよ」
「どうしてですか?」
「ゾンビは苦しくて救われたいの、だから鐘の音が聞こえると教会が近くにあると勘違いするのよ。」
「なるほど」
「ここに堀跡があるから鐘を鳴らす」
するとゾンビが土をかき分けて出てくる。
ハンス師匠は即座に首を落とした。
「簡単だろ?」
確かに簡単で作業的だけど、それで良いのかなと感じてしまう。
「この場合は処理が楽なのよ、魔石クズを撒いて【生活魔法】の火で着火すると匂いも煙も出ずに静かに燃えるの。
でも強風のときは気おつけなさいね。」
「森の中ではどうすればよいのですか?」
「流石は俺の弟子良いところに気がついた!」
「私達の弟子ね!火災の危険があるから魔石クズとパンくずを混ぜて魔力を流すと虫や動物が寄ってきて食べてくれるのよ。
動いていると何故か寄ってこないの」
「もうゾンビは居ないみたいだから、薬草採取して行こうか?」
「そうね、ロブではこんな群生地無いでしょうしね」
「ロブまでまだ距離ありますし枯れてしまいません?」
「スローお前がやるんだよ。」
「あなたの【不殺】で採取すれば生きたまま届けられるでしょ?
私達は近くで野営地を探すから頑張って!」
ボクは【不殺】を無いものと考えていたけど、2人は活かし方を考えてくれる。
その気持ちが嬉しく、腰にくる作業も苦にならなかった。
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