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音間さんは天才? 6

「すっごく立派だったよぉ~」


 音間さんの母親は、音間さんの両腕を掴みながら、そう言っていた。父親のほうも、本当にすごいなぁ、とゆったりと話している。


 ありがとうね、と平坦に返す音間さん。次の瞬間、音間さんは俺の方を見て、それからもう一度振り向いた。この綺麗な二度見は、初めて音間さんが俺に見せた人間らしい所作だった。


「あ、赤場くん、ちょっと待ってて」


「すみません⋯⋯」


 俺を見た両親が目を見合わせた。


「ちょっとぉ、もしかして彼氏⋯⋯!?」


 母が音間さんに急接近し、耳打ちをしたが、声がデカすぎて俺にも普通に聞こえている。


「そういうんじゃないよ。実質、今日初めて会ったようなもんだし」


「そう⋯⋯? ふふ、どうなるかな〜?」


「なにいってんの⋯⋯」


 あんまり本人にそういうこと言わないほうがいいんじゃないかとも思うが、ひとまずヘラヘラしながら黙っておくことにした。父親の方も何を言っていいのかわかっていない様子だ。


「じゃ、私たちはもう行くよ。研究頑張ってね!」


 そう言うと、音間さんの両親は去っていった。去り際に母の方が俺に「よろしくね」と言ってきた。いや、まぁ、はい。



「⋯⋯で、どうしたの?」


 音間さんは俺にそう尋ねた。


「いやぁ、ちょっと質問があって⋯⋯」


「さっきの質問タイムにしてくれればよかったのに」


「いや、ほんとにくだらない質問なので、あんな大勢の前だと言いづらくて⋯⋯」


 ここで俺は、あの技術があればフルダイブゲーム(のようなもの)ができるようになりますか? と聞こうとしていた。


 しかしこの言葉を発する直前に、自分はそんなにゲームがしたいのか? と思ってしまった。

 自分があのヘッドギアを手に入れたら、何をしたいだろうか、と無意識のうちに考えた。結論はすぐに決まった。


「あれを使って、音MADって作れますか?」


 あぁ自分って本当にくだらないなと思い、こんなことを聞いたことを後悔した。しかし意外にも、音間さんは、僅かに微笑んでいた。


「私も、同じこと考えてるよ」

俺も現実でSAOとかGGOが開発されたら泣いて喜ぶと思う。

次回は根幹に触れます。

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