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サイフェスついに開幕! ~見どころ徹底リポート~

 晴天の中、巨大な建造物と、その入り口にできている長蛇の列が映し出される。


「二〇二二年、十二月三日。ついに日本最大級の科学技術博覧会、サイフェスの幕が上がりました。日本のみならず、世界中の人々が集まり、最先端の科学技術を体験しています!」


「それでは早速、わたくし村上むらかみ白金しらきが、イベントの見どころをお伝えしていきます!」


 村上白金が入場ゲートをくぐると、そこにはとてつもない量の人々が。会場内には目を引く装飾や企業ロゴ、そして多彩な科学技術の産物たちが所狭しと並んでいる。


「うわぁー広い! そして人が多いです! いやぁーこうして一望するだけでワクワクしてきますね! まずは、あの一番目立つエリアに行ってみましょう!」


 そのエリアではコールドスリープの実演や、それを応用した不老不死の実現方法の説明などが、仰々しい演出と共に紹介された。村上白金はコールドスリープベッドに実際に入るなどしてみせていた。


 次は遺伝子工学エリア。遺伝子を直接調べ、改変することで、遺伝病などの対策ができるという説明があった。


 ──そして、次が脳波通信エリアの紹介だ。


「さぁまだまだ見どころはたっぷりあります! お次はあの有名な音間麗美さんが担当している、脳波通信エリアにやってまいりました!」


 椅子とヘッドギアが等間隔に並んでいる。村上白金はそのなかの椅子の一つに腰掛け、「こちらの機械で、なにやら凄いことができるようです!」と、ヘッドギアを装着した。


 椅子の後方にはモニターが設置されており、3D空間の様子が投影されている。


「さてこれは⋯⋯どうやって動かすのでしょうか⋯⋯?」


 そう言い出した瞬間、画面内で粘土のような物体が動き始めた。それは多方向に延びたり、縮んだり、輪を作ったりしている。絶え間なく動き、まるで一つのアニメかのようだ。


「うわぁ~これは! 私が動かしている⋯⋯ってことですよね! ボタンもレバーも何一つ触っておりませんけれども、確かに動いています!」


 そうしてはしゃいでいるところに、突然、音間麗美が現れた。村上白金は驚いた様子で立ち上がった。


「音間さん!?」


「はい⋯⋯あの⋯⋯せっかく取材に来ていただいたので⋯⋯」


「うわぁ~うれしいです! それじゃあ音間さん、ちょっとこれの動かし方のコツとか、教えていただけますか?」


「はい、まず一番重要なのは、なるべく何も考えないことですね」


 モニターの中の塊が、次第に動かなくなっていく。


「あぁ~こういう感じですか!」


「そのコツさえ押さえれば、あとはなんでも思い通りですよ。風景や文章など、思い浮かべてみて自由に遊んでみてください」


 それからものの数秒で、その物質が画面全体にまで広がり、凹凸が生じていく。草木が芽生え、あっという間に辺り一面は草原に。それは少し曖昧さがありながらも、非常にリアルな光景だった。


 さらに現実離れした光景が出来上がっていく。ジャングルジムのような遊具が瞬く間に組みあがり、その近くにはベンチもいつの間にか出来上がっている。


「えぇ!? すごい! 信じられない! これもう、CG作れちゃってるっていうことですか!?」


 そこに音間さんが近づき、手にしていたノートパソコンをヘッドギアにつないだ。


 モニター内の光景が回転する。すると、先ほどまで見ていた景色の裏側は、真っ暗な何もない空間だったことが明らかになった。


「まぁこんな感じで⋯⋯印象をもとに組み上げているだけなので、裏側なんかは全然できていないんですよね。絵を描く人だと、裏側までしっかりイメージできることもありますけど、やっぱり完璧に空間を作るのは難しいんです」


「いや、それにしてもこのスピードで作れるのはすごいですね!」


「そこは確かに、EL技術の一番の持ち味ですね」


 村上白金は、最後にもう一度ヘッドギアをはめて、番組のマスコットキャラを作ってから、次のエリアへと向かった。彼女の作ったそのキャラのビジュアルは、不格好で曖昧だった。

情報番組っぽいけどスタジオに話振らないね。

次回は赤場視点で進みます。

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