3 ワイン
男爵は、鉛のコップでワインを飲んでいた。マリエールに今度の企画を聞く。ワインの製造方法を変えてワイングラスでワインを飲む事だと伝えた。
3 ワイン
男爵が鉛のコップにワインを注ぎながらワインを嗜んでいる。男爵家の夕食の団欒の一コマだ。コップが空くと執事が注ぐ。騎士爵だった頃からの習慣で男爵一家は執事一家と夕食を共にしている。男爵一家は男爵と妻つまりマリエールの母親とマリエールの3人、執事一家は執事とその妻、この家の家事をしきっている。と息子のロイド、シオンがマリエールにつくまでマリエールの付き人だった。の3人、合計6人だ。男爵は時々お酒を嗜む。ワインだったりエールだったり。この時代のお酒は品質が悪い。ワインは不純物が多いままアルコール発酵させるので苦い。苦さを紛らわすために鉛のコップを使用する。鉛のコップを使用すると苦味が消え甘く感じるのだ。多量に飲酒すれば精神の障害をきたす。男爵程度の飲酒でどうなるのか判らない。男爵は、マリエールに、
「農作物の売り上げが随分伸びているようだな。これもお前の池と川のお陰だな。また新しい企画を考えているそうだな。」
企画というほどかどうか判らないが、今のワインの作り方に一コマ付け加えるだけである。不純物除去という。これでワインの苦味が消えて鉛のコップが必要なくなるはずだ。
「ワインを作ろうと思います。不純物除去という一コマ付け加えて、これでワインの苦味が消えて鉛のコップが必要なくなります。」
鉛のコップを使っている男爵は嫌そうな顔した。
「鉛のコップが何が悪いのだ。」
男爵は大声で怒鳴った。マリエールの母親は男爵を宥めた。マリエールは、
「この国でも異教徒を虐殺したり、奴隷に殺し合いさせた国王がいたでしょう。鉛のコップでワインの多量飲酒すれば精神障害を起こします。」
男爵は、言い返しす。
「異教徒の虐殺や奴隷の殺し合いの見世物なら今でもあるぞ。」
マリエールは呆れた顔で、
「それは非合法で行なわれている事です。国王が認めている事ではありません。」
男爵は痛いところ突かれたという顔をした。
「マリエールは、私に鉛のコップでワインを飲むなと言っているのか。」
マリエールは頭を横に振る。
「鉛毒は少量なら影響はありません。今の飲酒量なら影響はないでしょう。ただ私はグラスで飲める美味しいワインを作りたいと思っているだけです。」
マリエールは、男爵の聞くタイミングとマリエールの聞かれるタイミングが悪かったと思った。タイミングが悪いと思っても別の言葉で説明し難い。製造方法を秘匿する意図はない。ただ鉛毒事が知れるだけでいい。男爵は、
「マリエール、お前がワインを作ったらお前のワインを飲もう。鉛のコップはもう止める。」
ワインの製造方法をアンドロイドに伝えて、ワイングラスと同時に作った。赤ワインと白ワインとスパークリングワインを作った。良く冷えた赤ワインをワイングラスに入れて男爵に勧めた。おすすめの料理に牛肉のステーキを勧めた。男爵は気に入ったようだ。
「マリエールのワインはグラスでも美味いな。ステーキがひきたつぞ。」
気に入ったようだ。国中の人々が鉛のコップを止めてワイングラスでワインを飲む事を祈る。
別に喧嘩を売ったつもりはないが、男爵の聞くタイミングとマリエールの聞かれるタイミングが悪かった。




