2 マリエール商会
シオンはマッキンレー商会の担当者と王宮の厨房の担当者と打ち合わせていた。仕入れ票を元に発注している。
2 マリエール商会
マリエールのアンドロイド達は耕作地を広げていった。転移陣の入口になる山向こうの湖の数も増やし、転移陣の出口の窪地も増やし、灌漑や開拓事業を進め、上下水道事業を拡大して作付して収穫してアイテムボックスに収納した。マッキンレー商会の手助けを受けながらマリエール商会を立ち上げ、商売を始めた。今日は王宮の厨房の仕入れ担当者との打ち合わせだ。担当者は仕入れ票を見せながら、
「これが来月分の仕入れだ。それぞれの期日に新鮮で上質な商品を納品するのが役割だ。できるな。」
答えは一つだ。
「畏まりました。」
マリエール商会では揃わぬ商品がある。特に肉類はまだ試作中だ。シオンは、マッキンレー商会の担当者に、
「これとこれとこれが家にはありません。融通してください。」
マッキンレー商会の担当者は、
「大丈夫ですよ。我が商会の最高の品を融通します。我が商会まで立ち寄ってください。」
マッキンレー商会の会長はシオンが現れた時に、単なる仕入れ先にするよりも、協力関係を結ぶ方がいいと考えた。最も大きな理由は共有アイテムボックスだ。アイテムボックスに収納した物は別のところでも取り出せる。しかもアイテムボックスは時間経過がない。何時までも新鮮に保存できる。そして複製魔法、いい食品を何時までも好きなだけ提供できる。そして彼らの持っている物はどれもいい物ばかりだった。そして決め手はシオンやマリエールが信用できる人物と信じられた事だ。こればかりは商人の感としか言えないがいずれ彼らはこの業界を席巻するだろう。早めに近づいた方がいいと商人の本能が語った。
シオンは、
「何時もマッキンレー商会の方々には助けて頂いてばかりで申し訳ありません。お返しできる物があればいいのですが。」
シオンは申し訳なさそうに言う。担当者は、
「いえいえ、紹介料を頂いていますし、今回だって追加の商品の代金は頂いていますからお互い様ですよ。食品関係はなるべくマリエール商会に担って貰った方がお客様に新鮮で上質な商品を提供できると言う商会長の判断ですから従っているだけですよ。共有アイテムボックスなんて羨ましい限りですよ。」
担当者は心底羨まし気に言った。
複製のあるマリエールやアンドロイドにとっては同じ食品が大量にある事はあまり意味がない。高品質の食品が多種多様にある事が望ましい。いつしかマリエールのアイテムボックスにはこの国で手に入るほとんど全ての食品が入っていた。入っていない食品は毒性があり取り扱いが難しい物くらいだ。
シオンはマリエールに、
「食品関係はクリアーできましたかね。国内で流通している食品は一応網羅しましたからね。後は毒性のあるような一般的に流通しない物は除きますが我々が取り扱いできる物は最高級の物が揃ったと自負しています。」
シオンは誇らしげに言った。マリエールは、
「我々はまだほんの入口に立っただけだよ。お酒や食料加工品はまだ手もつけてないだろう。砂糖やカカオ、南方のフルーツや木の実外国の名産品でまだこの国に紹介されていない物があるんじゃないだろうか。」
マリエールは貪欲だ。
シオンは特殊な物を除きこの国で扱われている食品は全て網羅したと自負している。マリエールはまだほんの入口に立ったところだと言う。




