2話 神と邪神とそして
「ダメダメ、あれと戦って、いやてかそんな勝ちや負けの概念が適応される存在じゃない、無理無理、水掛け論の夢堕ちさ、あんな奴に戦い挑むなんてのは馬鹿がやることだよ」
戦のステージは上がり続ける、ただの殴る蹴るだけの喧嘩から始まり、相手を制圧する格闘に、格闘の格とはより洗練された技術を持つから付く、そして両者がいずれにせよ行き着くのは、無法の喧嘩、そして殺人の為の武力。
殺人空手、殺人柔道、軍隊格闘のCQCだもはや、そして殺人の更に先、戦争がそこにある、ただ一人の問題ではない、全てを動かすのだ、戦術や技術から更に先、策、計画、戦略、罠、作戦、なんだって使ってやる戦場、群。
「あ、あぁ、そんな、有り得ないこんなこと」
それとの戦いは。
「踏みつけるものと潰されるものの戦い」
戦争とは言わない、それは”淘汰”であった、、、。
別の宇宙が存在していた、様々な種類があるようで、集合時空間自体が単一ではない、我々にとって全次元・全時空だと思い上がってるそのもの自体も他にある独立した集合時空間、それらはアレの手の内にあるようだった。
「なんじゃかのぉ、いやな気がしてならん、別のマルチバースで誰かが何かされたんじゃなかろうかい」
彼女は、花や木を司る森の精霊。
「女神様、どう思われますか?」
「確かに、揺れ動いていますね、アレが」
樹々一つ一つに宿る森林のあらゆる精霊が束ねられる、植物全ての精霊の頂点に立つ、ベルモント・ティガーディア、森林の女神で有る。
「まさかあの蠢きから、伐採を司る邪神が目覚めてしまうとは」
森林は神域であった、信仰から偶像は形を織り成し、神は生まれ、継続的信仰が偶像が現実に顕現する為のエネルギ有る、その信仰のパワーを使い結界が張られている、その森林の中央には、邪神が封印されていた。
「グハハハハ!我を目覚めさせるとは中々やるのぉ!褒めて遣わすぞ!、、、あれ〜?こう言うのって策略かなんかで俺を目覚めさる奴が居るんじゃないのか?どこにも居なくね?なんで我は復活しッッッ!?なんだアレ!うっおぇぇぇぇぇ!」
邪神は欲望がエネルギーとなる、悪魔を眷属と従える、伐採の邪神の場合は、チェーンソーや斧、除草剤なんかが悪魔として織りなされる、だが。
「存在が違う!宇宙の外側に居るあれは、封印が捻れた理由など興味本位で覗くべきではなか、、、」
ピシュン!不滅で有るはずの神像は、虚像(伐採の概念)諸共消し潰れた。
「バカね、仮説を立てて、間接的に残影を感じるだけにしなければ、”アレが在る”それだけしかダメなのよ、二中一対たる聖神と邪神で在るはずが、私の神像にアレが内包された、一元になるとは、深淵なるもの、本来は片方を滅するだけでは滅せないものまで滅するとは、とてもじゃないけど手に負えないわ」
アレは神と呼ぶにしては余りにも禍々しすぎて、また邪神と呼ぶにしては余りにも神々しすぎて、深淵なるもの、そう呼ばれていた。
司るものに内在し、神域内は全てが神と言っていい、言ってしまうと領域内全偏在、世界的に観れば局所的な擬似偏在で在る、それを全て、概念諸共消去して尚且つ対消滅する関係、木がなければ伐採は起きずな、正反たる二元性、対称性と非対称性のような関係性を持つもう片方も消さなければ神殺しは起こせない。
なのに深淵なるものは、それを貫通して対象の事実上の死を成立させたのだ、偏在も、概念も、アレには意味は無い。
本来なら有り得ない死を、その矛盾を成立させたのだ、分かりやすく言うと”破壊神を破壊した”それに等しいことをしているのだ。
「グハハハハハ!堪らんなぁ、よティガーディア婆さん」
パリーン!力任せに放ったパンチで多重結界を貫通する。
「神が貼ろうが人間が貼ろうが結界は結界、ペラッペラだな」
シュンシュンシュン、空間が捻れる、時間を戻して確率を操り壊れなかったほうに分岐、初めから壊れていなかった結果に固定される?
「何壊してんのよ!直すのだるいのよ!時間操作!ピチピチのお姉さんだわ!くそ餓鬼!まだ12億歳よ!」
因みにだが伐採の邪神や概念に含まれる眷属達は、未来永劫に治ることはない、一応邪神が再誕したら悪魔も戻れるが彼等は伐採道具、独立した概念ではなく関連概念で在る以上、根源が無ければ存在は出来ない、種が無ければ花は咲かないように。
深淵なるものに与えられる消滅や心停止、便宜上死と統一して呼ぶものとして、やつから与えらる死は、神の権能を使い生や死、時間軸を超えた技術力を使い、対象を蘇生しようとしても意味はない。
「地上の神ガイアが46億歳ってだけでお前も十分ババアな」
「それで?何の用?」
「最近になって不明な死が増えて来ている、理由は不明、何かしらねぇか?アドバイスくれ」
「そうね、あんたに直接教えると死にそうだからなぁ、グレンじゃあなぁ」
「現人神の俺が?舐めすぎだろ」
現人神とは、神が人間の姿となってこの世に現れたもの、または生きながらにして神としての尊厳を持つ存在(生き神)を指す言葉、グレンは人間から神に至った存在で在る。
自分に対する信仰心を発生させられる存在で有り、自己愛が強さを決める特別な神で在る。
「アレの力は理解出来ないわ、理解しに行けば死ぬ、まさに理不尽、無慈悲の塊、神の権能ですら意味を成さない領域よ」
ティガーディアが作った絶対に持ち上がらない石が地面にある、彼女が手をかけると、パキパキと音を立てて世界そのものにヒビが入る。
なぜなら、世界(この宇宙の法則)が持ち上がるはずがないと拒絶しているからだ、次の瞬間、彼女は石を持ち上げる。
だが、石は地面に埋まったままでもある、グレンは、脳が石が上にあるイメージと石が下にあるイメージを同時に処理する。
「なんだ急に二律両立など使用して、貴様の権能など腐るほど見てるが、神が認知症にでも成り下がったかぁ?ははは!」
と叫ぶ。
彼女は静かに答える。
「どちらでもある、私は全能、ではない、神が全能、矛盾に縛られないの」
「あぁ、そうだな、信悟型ならAと、Aの否定(Not A)を同時に成立させるレベルは出来るな、そのレベルの不可能を可能に出来る」
「えぇ、その通り、そんな神の権能ですら復活させられないわ、あなたが言った殺された人々、全て、だって試しているんですもの、だけどダメ」
「まぁ俺も出来ないしダメか」
何せグレンは現人神、両立しているという事実そのものを、両立していない状態にすることで無効化したり。
低位の神格にとって自分の能力が発動している手応え(真実)と発動していない手応え(真実)が同時に重ならせたりするのだから。
「更に言うなら俺が契約して顕現させた神様もダメだったからそりゃそうか」
天の国、所謂神界あるいは天界とも呼ばれる領域から舞い降り、顕現する形式の神様は上位の神格で有り、人間の信仰に依存する神様は下位の神格である。
本体が神界に有り、その自分から神像に接続、パワーを供給するぞ、そいつは矛盾という言葉や思考、概念すら届かない、完全な虚無と実在を弄ぶレベルで、存在しないものが、存在しないまま、今ここに影響を与えている全能の逆説をクリアできないのに、全能である、そんなことが出来る存在だ。
重すぎる石を持ち上げることができない、全能の逆説に敗北します、しかし、敗北して全能ではなくなった状態のまま、全能として世界を支配し続けている、それが天界の神の全能。
できないという不全能(弱点)を抱えたまま、なぜか何でもできるという結果だけが出ている、信仰型、言い換えて低位神格があなた、さっき石を持ち上げられなかったから全能じゃないですよね?と指摘しようとした瞬間、その指摘(論理)自体が世界から消滅する、それが天界の最上位神格だ。
「それですら復活を成し遂げることは叶わなかった、それだけじゃなあい、原因の探求過程にストロガノフが死んだ」
我々の世界の全時空・全次元の全て可能性に偏在し、存在と本質を統合しているようなストロガノフ、そしてストロガノフの全能は、自分にとって不利になる矛盾が全て正当化されるもの。
「殺されたところでそれは本質が離れている乖離しているアバターで有り、天界にいる本体の影で有り、それは偏在するより大きな空にいる本質の操り泥人形でしかない、筈だった」
「殺されたのかい?」
「はい、そしてわかったこともある、離れた場所にもアレと類似したナニカの可能性を」
「想定されたマルチバースかい」
「はい、そこにもアレが居るはずです、多分ですが他の、根本的に違うマルチバースで深淵なるものに触れてしまった、それが原因でこちらの世界に余波が波及してると思われます」
因果的に無関係な相互作用を持たない個々に独立している集合時空間で在る筈が、そんな異界同士にすらその伝染は渡る、周辺世界への影響力すら計り知れない。
ティガーディア<グレン<<<<<天界神 全能性とは、不可能のどれだけ可能にしたかだ、マイナス1を1にするのがティガーディア、−1〜−2を1や2にするのがグレン、−1万を1万にするのが、ストロガノフだ。
「ストロガノフの全能性ですら復活は完全に不可能かい、そりゃまた破茶滅茶な話だね、天界の奴等には頑張って化け物退治してもらわなきゃってのに」
、、、。




