1話 宇宙の外側
時空とは有限なるもので在る、地球で作られた時空間制御装置は、直径約930億光年まで観測されたる宇宙空間、物理学的に演算され足る空間の曲率、直径23兆光年程度で現在進行形での膨張過程にある空間的次元と時間軸、時空間を掴んだ。
それを高度な量子力学的技術を用い、物理的なる像を折り畳み、宇宙調査団T-116号は宇宙を乗り越えた。
「な、なんなんですか、アレ」
映像機器の通信など当たり前に切断されていた。
「鉛筆!鉛筆だ!宇宙空間でも描けるように持って来ただろう!」
我々が飛び出た場所、23兆光年の発展段階の単一の時空間の外側、そこには別のパッチ(領域)が気の遠くなる数だけ並んでいる、そこは10の10の10の16乗個の他世界群が単細胞生物が細胞群体を形成するが如く爆発的膨張宇宙全体において、量子力学的に存在し得る異なる宇宙のパターンがそこには在る。
インフレーション宇宙では、真空状態の量子揺らぎにより物理定数の異なる時空パッチが生成されていた。
「うわぁ〜、我々の錐体細胞じゃあ何も見えないですが、この高精度の色覚拡張ゴーグル越しでは非常に綺麗な色が満ちてますね、木漏れ日みたいだ、宇宙1つ1つが生きてるようですね」
各宇宙内部、個々の時空間では量子力学的多世界解釈による分岐が発生していた、宇宙が保持可能な情報量には限界があるため、分岐数も有限である。
ぶくぶくと泡立てる宇宙もあればまた違う、人間の感覚的には違和感を感じる外面の宇宙もある、何故ならば。
球形?あるいは三角形?解像度的な推測限界、幾何学的パターンの形状に折り畳まれてハニカムのように最適な空間と時間のような次元の重ね合わせ、多次元が展開されているからだ。
我々の宇宙には、プランク長さという極小のサイズに、丸まって閉じている(コンパクト化)されて、我々の時空間には直径23兆光年の宇宙のあらゆる1点に、目に見えない極小の隙間、カラビ・ヤウ多様体が、数え切れないほど折り畳まれてすべて数理パターンとして収納されているが、他の時空間ではそうも行かなそうだった。
「と言うより裏に見えるあの触手?いや樹々のようなもの?なんと形容したらいいか検討もつかない、時空の亀裂のようなあれ、、、は」
「ッッッ!?なんなんだあの怪物は」
“見つめるもの”が居た、深淵を覗く時、此方を見つめる、それが”アレ”だった、それは中央に一なる眼を納め、螺旋を描く漆黒の円環がそれを囲むようにして展開していた。
量子望遠鏡と高精度な人工知能による補正、演算等が即座に行われて見える光景を見ながら隊員は絶句しながら”ソレ”が何か推測をしていた。
「十中八九、四次元時空の連続体だと推測に容易いな、奴を、あの目玉を囲むようにしてある点、粒、あの幾何学的とも呼ぶべきか、あの円環の一つ一つの輪が空間と時間の次元を織り重ねたものだな」
「ひぇ!?だとしたら一体全体、どれだけの実態を持つんでしょうか?」
「分からないが少なくとも我々のような存在が理解可能なステージなど優々と超越した存在だと言うことに誤謬はないだろう」
「無知の知して前提を確認しただけじゃあ無いですかぁ!」
、、、経過時間は地球人類の時空間に合わせて言うなら内部時間が3時間程度経過したあと、劣化した紙に鉛筆を使って何かが描かれたものだった。
「何かしらこれ、幾何学的な、、、なんて呼ぼうかしら、絨毯とでも仮に呼ぶとしましょう、え〜中央は、眼玉よね?それが黒い何かを浸透させてる?この幾何学的な絨毯のようなものに黒いジュースを溢してるわね、絨毯の外側の暗黒は亀裂が走ってる、のかしら、一体これは」
しっかりと次元間輸送は完了していた、その頃既に全隊員が、心臓の鼓動を停止していた、最後に録画提出が行われるも通信は通じなかった。
後々に送られて来た他の団員が残した図から推測される。
数億ものフラクタル階層が渦を巻く、高反復、のように膨大な時空間の連続体/離散体は纏め上げられ、その時空間は階層化していた、そのようなまでの階層数を保有する幾何学的編物は、中央でより法則性を保有してる粒子が如く運動した、より真ん中によるアレらは眼玉を囲い、首に掛け回すマフラーのようになっていた。
「あのような存在が、存在して良いの!」




