1-2はじまり②
うーん、頭が何か痛いな。。。
気を失っていたようで、意識がだんだんと戻ってきてきた。
体がうつ伏せになっていたので、身体を転がして仰向けにした。
周りから水の匂いと川のせせらぎの音が聞こえている。
あーそっか、、、
近所の橋の上から飛び降りたけど、結局助かってしまったんか。
ただ、少し頭を動かしてふと視線を辺りにむけてみると、木が生い茂っている。
あれ、河川敷と思っていたけど、明らかに橋から飛び降りた場所の河川敷って感じではない。
意識を失っている間に下流まで流されたんか?
いや、流されたっつてもこんなに木々が生い茂っている場所なんてあったっけ?
と頭に疑問が浮かんでいた。
ちょっと辺りを見まわしてみようと、身体をおこそうとしたら、
イテテテ、身体のいくつかに痛みがでてきた。何とか少しずつ動かしてみる。
何とか身体を上半身起こして、少し先まで視線を飛ばしてみると、気が生い茂っているレベルでなく、
これは、、、もうモリやん、森、、、と、ひとりでツッコんでしまった。
いや、ほんまに、ナニコレ、、、どこなんここ、、、
1,2分くらいか、もっと時間が経ったかもしれへんが、どうしてよいかわからず、頬けてしまった。
とりあえず、ここがどこなんか確認する意味でもちょっと歩いてみよか。
その前に、自分の持ち物チェックやね。
服装:シャツとスラックス
所持品:ハンカチ、財布(所持金 1万円ちょっと)
以上、
やばい、、、ほんまに何ももってない。スマホは家に置いてきてもーたんやった。もう必要ないからと思ってしまったのがあかんかった。
ただ、川に流されていたからどっちにせよ水没で壊れていたか、とも思い直し、財布があっただけでも良しとしようと気持ちを切り替えた。
とりあえず歩きながら、周りに誰かいないか声をだしていこ。
「すみませーん。どなたかいっらっしゃいませんかー?」
道がわからないため、自分の感覚的に思った方向へ足をむけて歩いていく。
かれこれ、10分程度歩いてみて、だれもいない。。。やばい、ほんまに心細くなってきた。
とりあえず、だれかいてくれ。と思いながら、何回繰り返したかわからない言葉をつぶやくようにいった。
「すみませーん・・・どなたかいっらっしゃいませんかー?・・・」
さらに5分程度そうすると、前のほうからガサガサと人が歩く音が聞こえてきた。
なぜだかわからないが反射的に近くの木の後ろに身を隠してしまった。何で隠れてもうてんやろう。
「あれー、おかしいなー。この辺りから声が聞こえた気がしたと思ったんだけど」と若い女性の声が聞こえてきた
「気のせいかな、、、まぁいっか。早く薪集めをしなきゃ、お父さんに怒られてしまうわ」と独り言をいっているようだった
木の陰からこそっと見てみると、やはり若い女の子がそこに居た。ん?、服装は変わっている感じやな。
なんていうか、ひと昔前のアニメとかにでてきそうな町娘の格好のような、、、でも服装をさておいても可愛らしい感じの女の子やな。
会社とかにいたりすると仲良くなって、飲み会くらいは一緒にいってみたいくらい感じやな、とどうでもよいことを考えてしまった。
心の中でよし、とりあえず話しかけてみようと思った。
木の陰から身体を出して、「すみませーん、ちょっとよろしいでしょうか」とその女性に向かって声をかけてみた。
女性は驚いたように反応し、こっちを見るなり少し驚いた後、警戒心バリバリで俺のほうを見てきた。
「あなた、なんなんですか? なんで、そんなところにいるんですか?」と女性は後ずさりしながら問うてきた。あと、小声で変な格好と言っているのも聞こえた
「いや、あやしいもんじゃなくて、、えーと、どういったらええんかな、道に迷ったとういか、なんというか」と言ったあと、
「あのー、ここってどこなんでしょうか? こんな広い森が近所にあるなんて全然知らなくて」、と居場所を質問してみた。
「ここはファーレンの森ですけど、」
ん? 何か洋風な名前やな。「ファーレンの森ですか、、じゃあ、ここからの最寄り駅って何になりますかね?」
「最寄り駅って何でしょうか? この森はファーレンの町から約30分離れた場所ですが。。。」
「町、ですか、、、ちょ、ちょっと、待ってください。ここは日本の○○県ですよね。私の住んでいたのは〇〇市なのですが」
「えっとなんて言いました? 聞いたことのない名前ですね。ここはローエンタール王国です。」
「王国、、、いやいや、頭が混乱してきた。もしかしたら、壮大なドッキリか何かか、いや俺ごときにこんなことするわけもないし、、何が起きたんや、むしろ夢か」と一人でつぶやいた。
いや、夢がこんなに鮮明なわけではないな。そう考えると、飛び降りた時に死んでしまったというわけか。
でも身体はさっきまで痛みはあったけど、無事やったし、幽霊にでもなろうもんなら、こんな風になるもんなんか? とあれこれ呟いていた。
「あのー、どうかなさいました? もし道に迷ったのなら、町までご一緒に戻りますか? 私ももう少しで戻る予定でしたし。」と言ってくれた。
俺がどう返事しようと考えていると
「まだ名前を言っていませんでしたね。私はマールって言います。お父さんと薪を集めにきていて、宿屋の娘なんですよ。お泊り先がないんだったら、うちに泊まっていってください。ウチの料理は町でも評判なんですよ」と笑顔で言ってくれた。
ここであれこれ考えても仕方ないし、こんな森にいてもどうしようもないと思い、「ぜひ、お願いします」と伝えた。
道中、マールはマール父と帰ろうと探しながら町へ向かっていたが見つからず、おそらく先に帰ったのだろうと言い、二人で町まで向かうことになった。
こんな森を若い女の子一人にして問題ないのだろうか?と思い、マールに聞いてみると、
「この森は比較的、安心なんですよ。人を襲う獣はまずいませんし、人がいなくなるなんてこともここ最近は聞いたことないんですよね」とのことだった。
道すがら怪しまれない程度に色々と聞いてみたが、やはり質問しているとあやしさ満点の視線で見られたので、どうやら記憶はなくしたということにして、もう何でも気にせず、質問してみることにした。
・ここはローエンタール王国という国。こういう国がいくつかあり、この国自体は比較的落ち着いており、安全な国といこと。
・向かっているファーレンの町は、中規模な町であり、人がそこそこにぎわっている。
・お金は、紙幣と硬貨が存在していた。単位は、ゴルというもので、パン1個で100ゴル程度、1泊の宿屋で2、000~3、000ゴル程度のイメージだ。
・ほかにもいろいろと聞いており、衝撃的な内容もあったが、おいおい頭を整理していきたいと思う
以上のことから、やはり地球ではなさそうやという、絶望的な気分になった。よくいう異世界にきてしまったんか?死んでから転送されたんかはよくわからへんが、違う世界にきてしまったのは間違いなさそうやと感じた。
ただ、自分が驚くくらい落ち着いているのには内心驚いた。一度自殺を決意して飛び降りたからなんか、達観した気持ちにっているのかもしれないな、と思った。
そんな風に考えていると、町が見えてきた。マールが「ようこそ、ファーレンの町へ」と笑顔でいってくれた。




