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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第三章 旅は道連れ世は乱世
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第四十五話 救国の対価

まーた遅れてしまいました・・・。

もう、日曜か月曜更新に変えようかな?


あと、新武器追加です。

「・・・この度のフィルダンテ王国軍の討伐、ならびに強欲の魔王の討伐・・・神鬼殿。心から、感謝させていただきたい」


 神鬼は今ナヘルタ王国の王城の、国王の間で授賞式のようなものを受けていた。


 周囲には、豪華な服を着たこの国の貴族と思しき人たちや、動きやすそうな鎧を着こんだ兵士がいた。


「その功績を評価し、わしはそなたへ褒美・・・いや、贈り物をしたい。何か欲しいものはないか?」


 アルデルハの発言に、周囲の者は大半がざわついた。


 そんな中、神鬼は全く緊張した様子も驚いた様子もなく、穏やかな声で言った。


「私は欲しいもの等ございませんし、何もいりませんよ」


「むぅ、しかしな・・・そうだ、神鬼殿はたしか、武器の収集をしておられなかったか?」


「え、あ、はい。たしかにそう申し上げましたが・・・」


 実は神鬼、ここに戻ってきてからこの授賞式のようなものが始まるまでアルデルハと話していたのだが、その時にぽろっと『武器を集めている』という事を言ってしまったのである。



 その理由は、【異空間武器庫(ウェポンズ・ワークス)】の中に入れるためだったりする。

 もちろん、たまには使う。


 それを確認すると、アルデルハはいたずらを思いついた少年のような笑みをうかべ、大声で宣告した。



「よし。ならば神鬼殿には、我が国に伝わる選定の剣ーー【アルカネイド】を授ける!!」



『・・・・・・・はぁっ?!!』


 広間全体に、困惑の色濃い叫び声が響いた。


「正気ですか国王!あの剣は、代々この国の王を決める時に使う、まさしく選定の剣なのですぞ!!それを一庶民に与えるなど・・・!!」


「わしも少しは悩んだ。しかし、これから先、この世界はやがて武力を持つものが王となるにはふさわしくない世の中になるであろう。ならばこれからは、剣に選ばれた者でなく、人々に選ばれた者が王となる、そんな国にしていこうとわしはしようと思っておる・・・故に、これはそのための一歩目なのじゃ」


 アルデルハがそう言うと、周りの者達はほとんどが納得したようだ。

 一部ーー先ほど神鬼に突っかかってきた者ーーは、面白くなさそうな顔をしているが。


「・・・ふん、あの剣は所有者を選ぶ。あのようなものに与えては、あの剣がただの剣だと思われてしまうではないか・・・」


・・・どうやら、あの剣の事をとても大事に思っているだけのようだ。


「あの、その【アルカネイド】とはどのような剣なのですか?」


「おぉ、そなたを置き去りにしておったの」


 アルデルハはそう言うと、一度咳払いをしてから語り始めた。



「はるか昔、この国ができる前は、この辺りは沢山の村が集まり助け合いながら暮らす、そんな形をとっていた。

 しかし、世に魔物がはびこり、人々の暮らしが脅かされるようになったころ。辺りの村々をまとめて、一つの国としていこうという話になったそうなのじゃ。

 だが、国など簡単に作れるものではなかったし、いくら人が一つの何かのもとに集まったとしても、それだけで安全が確立されるわけではなかった。

 そんなとき、一人の青年が名乗りを上げたのじゃ。

 その者は一振りの剣と、それに宿る二十二の力を使い、周辺の魔物を撃退していったのじゃ。

 それからその者は王となり、人としては長い間王として生き続けた。しかし、寿命が来てしまわれた。

 だが、王は死ぬ直前に、国の未来を案じてとある遺言を残した。


『新たなる王を立てる時は、この剣ーー【アルカネイド】に宿る力にわずかでも認められたものを。王の座を争う事になったならば、より力に認められた者を、王と認めてあげてくれ』


 それ以降、わしらはその意思を守り続けてきたのじゃ」



「・・・なるほど。では、余計にその剣を私が持つことは許されないのでは?」


「構わぬよ。先ほども言ったように、わしはもう力によって王が定められるべきではないと思っておる」


「・・・わかりました。ではその代わり、私からも『贈り物』をさせてください」


 そう言い、神鬼は【異空間武器庫(ウェポンズ・ワークス)】に手を入れ、一振りの剣を取り出した。


 いや、それは『剣』というよりも『槍』--それも『突撃槍(ランス)』に近い形状をしていた。


「これは私の持つ魔道具の一つで、【守護域(サンクチュアリ)】というものです。これは発動させた場所から半径一キロ・・・まぁ、この国がすっぽり入るぐらいですね。それぐらいの範囲の結界を展開できます」


『なっ・・・?!!』


 神鬼の取り出した魔道具の性能に、周囲は唖然とする。

 それほどの魔道具、たしかに国宝である【アルカネイド】と同等かそれ以上の価値があるといえるだろう。


「・・・うむ。ここで受け取らんと言ったら、お主が【アルカネイド】を受け取ってくれんしのぉ・・・わかった。わしは【アルカネイド】を授け、お主は代わりに魔道具をわしらに譲る。それでいいじゃろ?」


「えぇ。文句など言えるはずがありません」


 穏やかな笑みをうかべながらうなずいた神鬼を見てから、アルデルハは兵士に取りに行かせていた【アルカネイド】を持つと、神鬼の方へと歩み寄った。


 そして神鬼の前に立つと、鞘に入ったままの【アルカネイド】を差し出した。


「さぁ、この剣を持ち、抜いてみてくおくれ。それで、周りの者達も納得してくれるからのう」


「はい・・・よっ、と?!」


 神鬼が【アルカネイド】を握り鞘から抜くと、一瞬、星々のきらめく夜空のような暗い、輝いているようにも見える濃い紺碧の刀身が見えた。

 しかし次の瞬間、それは様々な光で見えなくなった。


 やがて刀身を覆っていた光は、それぞれ光球へと変わっていく。その数は、ちょうど二十二個。


 それらは宙をゆらゆらと漂った後、また刀身へと戻っていった。


「こ、これほどの光がうまれるとは・・・」


「私も驚いていますよ・・・?」


 神鬼は内心とても驚きながら、アルデルハに軽く返す。


 が、返答が返ってこないことを疑問に思い神鬼がアルデルハの方を見ると、何やらぶつぶつとつぶやいていた。


「・・・うむ、これだけ剣の中の力に認められているのならば・・・」


「えっと、アルデルハさん?」


「よしっ!わしは決めたぞ!!」


 突然アルデルハは叫んだ。


 まわりの者達は、アルデルハが何を言うのか、固唾をのんで見守っている。



「わしの娘、セルナ・ルイド・ナヘルタを、この哭動神鬼の許嫁とする!!」



『『『・・・・・・えぇぇぇぇぇ!!!!!』』』


この日一番の大声が、往生に響き渡った。


(あれ、なんか前にもこんなことあった気が・・・)

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