第四十二話 魔装と魔『法』の衝突
遅くなってすいません!!
部活やら何やらで忙しかったんです!!
言い訳はさておき、今回で魔王戦もそろそろ終わりになります。
(ただし終わると言ってない)
ギャリンッ!ガキンッ!キキキキンッ!!
「ハッハァ!どうしたどうした、さっきまでの勢いはどこいったぁ!!」
「わかってやがるくせに・・・クソッ!」
マモンが魔装の解放をした後、戦いはだんだん一方的なものへと変わっていった。
先ほどまで神鬼と同じくらいだったマモンのスピードは、神鬼の目でもギリギリ終えるぐらいの速さへと変わり。
マモンの攻撃ひとつひとつが、神鬼の上体を軽く退け反らせるほどに力を放っている。
そして、最大の特徴としてーー
「『火球よ、燃やし、灰へ返せ』、【火球】!」
「ははっ、効かないねぇ!!」
「クソッ・・・!!」
神鬼が魔術を発動させても、それがマモンへと当たる前に消されていた。
「さっきから言ってるだろ?俺っちの持つ魔装、【強欲】の能力は、俺っちよりも格下の『存在』から任意で、さらに無際限に『奪う』ことができるってよぉ?なのに、なんでいまだに同じことばっかりやってんだ?」
マモンは嘲笑うように、神鬼の魔術の悉くを無力化していく。
そんな中、神鬼はとても焦っていた。
(くそっ、どうすればいい?『奪う』ことができているということは、俺のできる魔術ではあいつに傷を負わせることはできない、ということになる)
そこまで考えると、神鬼は心中で策を練り始めた。
(・・・だとしたら、明らかにこいつよりも格が上の攻撃を当てなきゃなんねぇ。それに、あいつはさっきよりも全体的にステータスが上がってるはずだ、物理攻撃は効きづらいだろう・・・なら、魔術の類の攻撃じゃないと効果は薄い。クソッ、何かいい方法は・・・っ!)
先ほどまで悩み続けていた神鬼は、ふとあることを思い出した。
そしてそれを確認しようとした、その瞬間ーーー
マモンが、草木が、辺りが、世界が、色を失い始めた。
「これは・・・ってことは」
『そう、多分神鬼君が思ってることで間違いないよ』
ふと、神鬼の後ろから声が聞こえた。
「・・・お久しぶり、でいいんですかね?」
『いやぁ、僕たちからすればそこまで時間が経っているように感じてないし、そんな挨拶要らないよ?』
「そうですか・・・それより、今回は一人だけですか?」
『あぁ、今回からは各々の持っていた力が解放されるときだけ来るだろうからね・・・さて、そんなことは置いといて』
声を発している魂は、少し期待するような雰囲気を醸し出しながら、神鬼へと尋ねた。
『それじゃあ、一応聞くとしよう・・・【神魔法】、使うんだよね?』
「・・・なんでもお見通しだった、ってわけかな?」
神鬼は自分から言おうとしていたことをあっさりと告げられ、肩をすくめながら苦笑していた。
『そりゃまぁ、あの【魔装】に対抗できるとしたら、この魔法を選ぶだろうと思ってさ?もう一つ『魔法』と付くものはあるけど、あれは龍化しないと使えないし、それをするだけの隙をあいつは与えてくれないでしょ?』
「まぁ、たしかに」
『でしょ?・・・うん、こんな無駄話はもう終わりにしよう。この空間が長く続けられないわけじゃないけど、君もとっととあいつを倒したいだろうし・・・それじゃあ、頑張ってね』
「あぁ、必ず勝って見せるさ、先輩」
神鬼はそう言い笑うと、だんだんと色を取り戻していく世界を見ながら、緊張を高めていった。
世界に完全に色が戻った瞬間、神鬼は自らの持つスキルの一つを意識した。
そして、マモンから一瞬で距離を取った。
「・・・いきなり何をしているんだい?まだまだ決着はついてないぜ?」
マモンはまたも呆れたような眼で神鬼を見るが、そんな視線気にも留めず、神鬼は不敵な笑みをうかべた。
その表情に、マモンは少し不快感を覚えた。
だが、次の瞬間神鬼から発せられる力を感じ取った瞬間、驚愕をあらわにすることになった。
「それは、森羅万象を手繰り、三千世界の理を知る力」
神鬼が唱えると、辺りに風が吹き始める。
その様子は、マモンが魔装を使った時に似ているが、その時とは違い、風に少しの色が付いていた。
「ある神は自然の全てを手にし、またある神は異端の全てを手にした」
その色は、神鬼の髪の色と同じ、輝いているかのような純白。そして、神鬼のオーラととても似た漆黒。
「その二柱の神の、互いの力を合わせ、この世に奇跡を現さん」
二つの色は神鬼の周りで混ざり合い、徐々に神鬼の体に吸い込まれる。
そして、全てが飲み込まれた瞬間、神鬼の体に異変が現れた。
白一色で、以前伸びた時に肩より少し上ほどで切ってあった髪は、白と黒が混ざり合う色へ変わり、腰ほどまで急激に伸びていた。
全身からは、軍隊を殲滅していた時とは少し違った、白と黒が混沌と渦巻くオーラのようなものが立ち込めていた。
細かいところでは、水晶のような普通の碧色の眼が、太極拳の基本構想にある、太極のような形へと変わっていた。
「てめぇ・・・その力は・・・」
「お前がどのような力だと認識しているかはわからんが・・・これは、お前より格上の力さ」
神鬼がニヤリと笑いながら告げると、マモンは今まで一番感情をあらわにした。
その感情の名は、怒り。
「ふざけやがって!俺様よりも格上の力など、この世界にあるはずがねぇ!!」
「・・・なら、試してみるか?」
神鬼はそう言うと、両腕を自身の前へと突き出した。
「俺は今から、お前を一撃で倒せるほどの威力を持つものを使う。お前はそれに対して、奪うなり何なりすればいい。
その攻撃を防げず、俺に敗れたならばお前の負け。攻撃を完璧に防がれ、俺を倒す力が有り余っているようならば、俺の負けだ」
「・・・」
「お前が負けたなら、お前という存在はたったそれだけだったということになる。お前が勝てば、お前は俺よりも格上の存在だったと証明できる・・・どうだ?」
「・・・おもしれぇ。乗ってやるよ、その勝負。てめぇの言うことに誘導されてるようになるのは癪だがな」
マモンは吐き捨てるように言うと、全身に力を漲らせる。
神鬼もそれを見て、伸ばした腕に力を溜めた。
「こい!俺は、俺という存在の証明のために、てめぇに勝ってみせる!!」
「・・・あぁ、わかったよ。なら、くらいやがれ!【落陽堕月】!!」
神鬼がその言葉を発した瞬間、辺りに赤と白の光が輝いたーーー
いかがでしたか?
感想・批評、どんどんお送りください!!
次回、神鬼が最後に使ったものの説明と、その後なにが起こったのかの話となります。




